優秀な盲導犬の遺伝子

優秀な盲導犬の遺伝子

盲導犬の育成の中で必要な要素として、盲導犬に向く犬の遺伝子を持った犬の誕生です。
しかし、盲導犬の場合、訓練に入る前に避妊去勢を行うために、優秀な遺伝子を持っている実働犬からの子犬は望めませんでした。

盲導犬の訓練犬は、盲導犬の遺伝子を持つ親犬から生まれてはいますが、すべての犬が盲導犬になれるわけではありません。10頭生まれた兄弟犬のうち良くて3〜4頭しか盲導犬になれません。

盲導犬への道はとても狭き門なんですが、先日のNHKドラマ「日本の盲導犬第一号チャンピイ」は、個人の愛犬を盲導犬に育成しましたが、育成者 塩屋氏のそのご苦労は並大抵のモノでないことは押してはかれるでしょう。

盲導犬としての最適な資質を持つ犬の子孫を誕生させることが出来ればと、帯広畜産大学の研究チームが凍結受精卵から子犬を誕生させることに成功したそうです。
盲導犬を待っている多くの視覚障害者の方達にとっては、朗報と言えるのではないでしょうか?(2008/9/22)(LIVING WITH DOGS)


世界初、凍結受精卵で子犬
 
凍結受精卵から生まれた2匹の子犬に寄り添う、ラブラドルレトリバー「マロ」(奥)=小日向邦夫撮影 帯広畜産大(北海道帯広市)の研究チームが、盲導犬として使用するラブラドルレトリバーの凍結受精卵を別のメスに移植し、子犬を誕生させることに成功した。研究チームによると、凍結受精卵で子犬が生まれたのは世界初のケースという。
盲導犬は訓練前に避妊手術が必要なため、後に優秀で資質が高いことが判明しても、子孫を残すことができなかった。避妊手術前に人工授精させた凍結受精卵であれば、半永久的に保存も可能で、長期的な繁殖計画も立てやすいことから、盲導犬不足の解消にも弾みがつきそうだ。
実験は、同大の鈴木宏志教授(発生工学)の研究チームが、北海道盲導犬協会(札幌市)の協力を得て行った。訓練中の盲導犬と繁殖犬の凍結受精卵を、同大が実験用に飼育しているラブラドル「マロ」(3歳)に移植したところ、今月8日に3匹の子犬が生まれた。1匹は死産だったが、鑑定結果から、3匹とも凍結受精卵による出産と確認された。
鈴木教授によると、犬の受精卵は解凍後の生存率が低いため、これまで成功例がなかったという。同教授は、受精卵をマイナス196度まで急速に凍らせて細胞への損傷を最小限に抑える方法で、生存率を上げることに成功した。
盲導犬は、人なつこく穏やかな性格が重視されるため、約1年の訓練後の「合格率」は3〜4割程度。盲導犬を希望する人は全国で約8000人近くいるとされるのに対し、実働犬は約1000頭で、鈴木教授らは今後、凍結受精卵を使った繁殖技術の実用化に向けて実験を続けるという。

【凍結受精卵】 人工授精させるなどした卵子を超低温タンクなどで冷凍して長期保存する技術。本来は羊など家畜の品種改良で開発された。家畜以外では、米国の研究機関が、絶滅の危機にひんするアフリカの野生ネコの凍結受精卵を家ネコに移植して、出産に成功した事例などがある。(2008/9/20)(読売新聞記事より

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