エキノコックスが関東地方に上陸

エキノコックスが関東地方に上陸

北海道だけにいるとされていたエキノコックスが関東で見つかりました。ペットの北海道から本州への移動により感染したものです。人畜共通感染症です。エキノコックスついての知識を持ち、予防策をはかりましょう。(LIVING WITH DOGS)


キタキツネなどに寄生し、人に重い肝機能障害を起こす寄生虫「エキノコックス」に関東地方の飼い犬が感染していたことが確認された。国内では北海道だけにいるとされるエキノコックスが関東で見つかったのは初めて。感染していたのはいずれも過去に北海道で飼育されたことのある犬だった。神谷正男・北海道大獣医学部教授らの研究グループが28日から久留米大で行われる日本寄生虫学会などで発表する。

神谷教授らは97〜02年、各地の飼育犬と猫を対象にエキノコックスの感染状況を調査した。その結果、北海道以外の犬64匹のうち1匹の感染を確認、別の1匹も感染の可能性が非常に高いことが分かった。いずれも北海道内で飼われた後、関東地方に移った犬だった。ペットの移動で感染が本州に広がる可能性は以前から指摘されており、それが裏付けられた。

また北海道の犬1650匹のうち18匹(1.1%)が感染または感染の可能性が高かった。その確率は野犬とほぼ同じで、感染の可能性が低いとされていた室内犬もあった。猫では、170匹のうち4匹が感染の可能性が高かった。

エキノコックスは99年、青森県のブタで感染が確認されたが、人への感染源となるキツネや犬などから見つかった例は本州ではない。

研究グループの野中成晃・北大助手は「今回の感染の確認が、必ずしも本州での汚染の広がりを意味するものではないが、飼い主や獣医師、行政は十分な予防対策をとるべきだ」と話している。【江口一】

・エキノコックス

成虫はキツネや犬、幼虫はネズミに寄生する。感染動物との接触や、汚染された水や食べ物によって卵が人の体内に入ると、幼虫が主に肝臓に寄生し、重い肝機能障害を起こす。潜伏期間は5〜15年で、重症化すると致死率は高い。厚生労働省によると、99年4月以降、53人が感染、死者は10人に上るという。(毎日新聞2003/03/07より)

Ext_link エキノコックス関連 – 北海道大学獣医学研究科寄生虫学教室

Ext_link北海道保健福祉部保健予防課 – エキノコックス症の知識と予防

(2003/03/12)(LIVING WITH DOGS)

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