動物愛護法改正前夜 勉強会に参加して

動物愛護法改正前夜 勉強会に参加して

6月19日に衆議院第一議員会館の会議室でTHEペット法塾主宰の勉強会があったので参加した。
夕方5時から7時までの時間は飛ぶように過ぎ、手元には膨大な、そして貴重な資料が残った。
5年に一度見直される動物愛護法を、より良いものにするための一助になればと、パブリックコメントを送った方も多いと思う。
すでに、歌舞伎町のあるペットショップは改正により深夜までの営業が禁止されることを見越して閉店セール後クローズしている。そしてこれまでに何度も「殺す行政から生かす行政へ」という言葉が叫ばれてもいた。ある程度良い流れが期待されてもいた。

しかし今回緊急提言がなされたのは、実験動物と畜産動物を動愛法の中にくくるはずであったにもかかわらず、突如民主党のある議員からの反対で削除になる可能性が高まった。
2分ずつと区切られて口達者な議員の先生たちが、「やってますよ」という挨拶をしては、ディスカッションの時間までに順次会場から消えて行くのは、裏で消費税問題、さらにその裏に隠れた原発再稼働問題があるために仕方がないのだろうが。

日頃いくつか感じていた問題がやはりここでも露わになる。

利権を失いたくない人たち。命まで搾取される動物たち。諸外国から白い目で見られてもいたしかたない。動物を器物としている法律の不備。動物実験が一般の目から隠されている状況。またヒステリックになりすぎて本来の目的や愛護からずれていってしまう感情的な保護論の弊害。などなどなど。

動物実験の施設と場所と内容をもう少しオープンにはできないだろうか?

極度な苦痛を伴う実験については人道的な配慮を望みたいがそれも人が一番、動物はその下という発想では全く硬直したままであろう。

私たちが思うのは人はもちろんのこと、動物も含めてであって、どちらが重い軽いではない。ごく当たり前に見えることが本当にできないのだ。

マイクロチップを義務化するのは良い。日頃からマイクロチップさえ入っていれば、と犬を保護してはいつも思っていた。しかし議員の方が得々としておっしゃると「業者と出来てる話では?」と勘ぐってしまう。そうなら国から補助金も出して欲しい。
シェパードは耳にタトゥーをいれることになっているが、何年か前にブリーダーから大量放棄されたシェパードの耳はデータがばれないように鋏でじょきじょき切り落としてあった。

マイクロチップでは、ばれないように捨てたいブリーダーはナイフでざっくり体内に入れたマイクロチップをえぐりだすのではないか、とすら考えてしまう。利益優先のお寒い動物業界。

何もかもが疑わしいといえば疑わしい中で、久しぶりに拝見したマルコさんの相変わらすのべらんめいな正当論が心地よかった。「明日は強制送還される」と言いながら本気の言葉がでてくる。
会場で手を挙げた実験側にいる、という若い方の発言も勇気ある正論で会場から拍手がおこった。

少なくともこの日会場に集まった人たちは何が一番大切か、わかっている人たちであったと思いたい。

帰りには久しぶりに「ばりばり」愛護の人たちと居酒屋により(飲めないのでウーロン茶で)話しをしたら、台風の中、心に小さな灯りをともして帰宅できた。
(2012/6/22)(東京都 「犬と猫の日々NEW」)

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