上海の犬の規制

上海の犬の規制

 
上海にお住いの日本人の方から、上海の犬の規制について緊急なご相談がありました。
上海と言うより中国全体がまだまだ動物に対する意識、特に犬に対して、いかに低いかが判りますが、かつては日本もそうであったと思います。おそらく中国に滞在する外国人の何%かは犬と暮らしていらっしゃると思います。
とても普通の犬が暮らしていけるような状況ではない、この規制が少しでも緩和されるよう何か良い策はないものでしょうか? ご意見ご感想をお願いいたします。(LIVING-WITH-DOGS)


私は上海でラブラドールと滞在している日本人です。
実は、12月4日上海市が新しい犬に関する規制を発表しました。
その内容が、どうみても納得いかない内容ですので、ご紹介したいと思います。

・犬は登録すること。

・登録マークを家の門に掲げる事。

・犬は半歩たりとも、家の外に出してはいけない。

・公共の場所での散歩禁止。つまり、道路、公園、マンション敷地内も禁止。

・もし、警察が見付けた場合、登録をしていても、即没収及び罰金。

・登録をしていない犬は、見つけ次第没収。

・1家庭1匹、鑑賞犬のみ許させる。

・大型犬、雑種は禁止。


この新しい規則が発令されてから、到底共産圏ですので内からの力ではどうにも成らない事と思い、ウェッブサイトで外の方々に知って頂こうと考えました。

まず、上海の日本人向けに出されている’上海Walker’と言うサイトに「飼い犬の散歩禁止令発令」と言う内容で上海在住の日本人の方の意見を求めました。Ext_link上海Walker

次に中国のSPCAのサイトを探しましたが、探し出せなかった為、HKのSPCAへ連絡をしました。
HKのSPCAの方からもご返事を頂き、この件に対しとても関心を持っている故、PRマネージャーに報告し詳細を調べ次第、私の所にメールで返答していただけるという連絡を受けました。この際、HK SPCA宛てには、当規則の掲載されている中国の新聞(Ext_link http://cn.news.yahoo.com/011204/84/untj.html )を添付しました。中国語がご覧になれましたら参照下さい。

また、新聞やニュースでは大筋のみで不明な所があるため、12月7日上海市黄浦区公安の質問箱にメールで問い合わせをしました。まだ返答がありませんので、何らかの返答が来ましたら、またご連絡致します。

質問内容は、散歩禁止令が出されている市中心区と言うのは、どこからどこまでの地域を指すのか。
すでに飼っている大型犬についてはどういう措置があるのか。
病院やトリマーの所に行く時はどうすればいいのか。それも許可しないのか否か。
犬に散歩をさせなければ、泣き声などの別の弊害が出る事についてう考慮するのか。
上海在住の外国人はこの措置に対して大変困惑していると言う内容を書きました。

12月3日以前に出されている規則のサイトです。(中国語)
Ext_link 2000年5月19日付け 第1期
この中では、散歩の時間帯は午前6時前、午後8時以降という規則でした。
Ext_link 2000年6月7日付け 第2期
道路、広場での散歩は禁止。罰金30元から200元。横断歩道を渡る時は、犬を抱きかかえ、歩かせては行けないと言う内容がありました。

今回の規則(上海市人民警察巡警条例(上海市犬類管理法第十条二款))では、犬に噛まれる被害が多発している為に、外出禁止という措置になったと書かれていました。

私は今年8月上海で犬の展示会がありそこで現在の犬と出会いました。
上海市はすでに、外国人用と人民用の区別を無くしましたので、外国人専用マンションというのはありません。私の住んでいるマンションには、日本人駐在員、ドイツ人、台湾人、華僑及び地方から出張で来ている中国人が一部住んでいます。
12月4日以前は、夜8時以降1時間ほど散歩に出ていました。比較的交通量の少ない道を選んでいましたが、それでも、自転車やむやみに犬を兆発する中国人が多く、その都度ハラハラの連続でした。私の場合、2ヶ月間、上海のK-9の訓練所に預けていましたので、’come’ や’heel’の命令で兆発を無視させ、自転車や子供が来た時は’stay’でじっとさせていました。
しかし、散歩させてみて分かった事は、人民の犬に対する意識、認識の浅はかさです。 子供も大人さえも犬を兆発してきます。犬は怖がり警戒します。人が犬を怖がる前に、犬が人を怖がっています。これでは、噛まれる人も多いはずです。

散歩の際、ビニール袋を持っている人は大概、日本人か台湾人です。 上海人でこのような意識の有る人は皆無です。すべてのマナーにおいてまだ犬を人間のパートナーとして扱える段階に来ていないうちに、犬を飼う人が急増した為に起こった人為的被害が今回の措置に至ったと思います。

12月4日以降、犬が街から消えました。市内のペットショップの犬は更に悲惨です。
1日中オリの中に閉じ込められています。 大型犬は禁止になったため、ペットショップの大型犬はどうなってしまうのか? 心配です。
私は、6ヶ月の黒のラブラドールを家の中で放し飼いしています。トイレは家の中でします。

12月4日以降、人の出入りが少なくなった夜10時以降、こっそり家を出てマンションの階段の上がり下りを往復させています。また幸い黒色なので、夜は目立ちませんから、マンション敷地内の人目につかない芝生を人影を気にしながら10分ほど歩かせています。
大概の場合、中国人の考え方は、規則が出来た時だけ従い、3ヶ月後にはまたもとの通り自由に犬を連れ出すことが多いです。 しかし、規則が存在する以上、違反行為になります。
今回の場合、家の玄関を半歩出すことさえ許さないと言う厳しい内容です。
また上海市公安部門は、出来れば市民に犬を飼ってほしくないという提案も書かれていました。

これまで、シベリアンハスキーやコリーを飼っている上海人も見掛けましたが、彼らは一体どうしているのでしょうか。このような措置の為に、ストレスを抱え手に追えなくなった犬を放棄してしまう人が出るかもしれません。やはり私は犬に規制を与える前に、飼い主と周りの人間を教育し、共存出来る社会を作るべきだと思います。

発展する中国のなかでもとりわけ著しい上海でこのような措置が取られたことは、大変残念です。
(2001/12/8)(上海市、M.Tさん)

続報
2001年12月4日に施行された上海の犬規制の続報です。
2002年5月から未登録の犬は捕獲され、即処分されているそうです。
どうにも、世界的に世論を高めないと、上海では犬と暮らせなくなるような勢いです。
(2002/09/04)(LIVING WITH DOGS)


上海の状況に関しては、一向に改善されるどころか、今年5月1日からは、登録されていない犬の捕殺が行われています。 また、捕まった場合、後日登録をしても返却しないとの事です。
登録されている場合でも、道路、公園、公共場所で散歩をしていた場合、200元〜1000元の罰金、1年間に2回以上路上散歩で捕まった場合、翌年度の登録資格を剥奪するという内容です。

現在、上海市公安局は、飼い犬の登録書とは別にPCでの資料作成管理をしています。

先日、私も公安に呼び出され、資料提出をしに行って来ました。

私も今年1月から犬を飼えるマンションに引っ越しましたが、やはり、散歩は公共の場所に出られないため、マンションの敷地内だけの散歩をしています。このマンションにも10数匹の犬がおり、皆同じような状況に置かれています。

近所の病院に行く場合も、歩いて行けない為、タクシーに犬を乗せて行くなどしています。
上海の場合、外国人獣医が増えてきました。彼らも、自国にいるようなケアーでペット達がここで過ごせるよう願って活動してくれています。

(2002/09/04)(上海市、M.Tさん)

情報
「上海の犬の規制」を読ませていただきました。私も中国に何年か暮らし、ペットの問題は遺憾に思うことが多くありました。ところで、私の友人に張呂萍という有名な動物愛護家が北京にいます。これまでに動物に関するさまざまな問題を政治的にも実務的にも解決してきた尊敬すべき人です。窮状を訴え相談なされてはどうかと思い、メッセージさせていただきました。参考までに以下のURLを記載させていただきます。 (J.Gさん)
Ext_link 動物とともに生きる波乱の人生(人民中国より) – 「人と動物環境保護教育センター」(Ext_link 人民中国)

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