新潟県中越地震の被災動物の現状

新潟中越地震の被災動物の現状

新潟県での7月の台風による水害に対応して、新潟県は新潟県動物愛護協会、新潟県獣医師会の協力の元で、被災動物は県内の数カ所の動物管理センター、数カ所の動物病院に収容保護、等の動物救済の地盤整備を行っていました。援助物資も地震直前まで十分な状況であったとのことです。

10月23日の地震後、動物管理センターでの保護収容と同時に、飼い主さんと共に避難出来たペットについてですが、緊急避難の動物達は安全に避難できた模様です。避難所に身を寄せたペット連れ被災者については、避難所の中には犬猫アレルギーの人もおりますので、メインの避難場所ではなく、廊下や、避難所の外に繋がれていたりとしています。動物管理センターからクレートを貸与されるなどして保護されています。
避難所でのペットとの避難は被災者間でも柔軟に対応出来ている模様です。
また車の中で飼い主さんと一緒に、又は飼い主さんは避難所に愛犬は車に、またはテントで飼い主さんと一緒に、ライフラインは停止しているが崩壊していない自宅で共に、等と様々な状態で犬や猫達の安全は確保出来たようです。
動物管理センターは本日より、各避難所、各家庭に廻って被災動物の状況を調査、確認を開始しています。これらの現状は新潟県の動物愛護精神が行き渡っているということと嬉しい限りです。

山古志村の繋がれて残された犬についてですが、ある報道では、ヘリに愛犬の同乗を懇願したが、県警機動隊によって断られたという記事がありました。県の動物管理事務所情報では山古志村の残された犬達は登録頭数から他にもまだ数頭おり、その救済の為にヘリでフードを運んだりしているようです。どうにか保護しようと県の動管職員は努力しておりますのでご安心下さい。山古志村の場合は、犬猫だけではなく、牛や錦鯉が被災現場に取り残されています。

新潟県福祉保険部生活衛生課では、被災地区の動物管理センターに移送し収容するなど各動物管理センターの収容数のコントロール、クレートの融通、必要物資の手配などを随時、各動物管理センターからの要望に応え対応しています。県被災地の職員の皆様は、ご自身が被災しているにも関わらず、被災動物の救済に精一杯臨んでいる状況です。
余震がおさまり次第、仮設住宅の建設が待たれる所ですが、ペット連れで入居出来る専門棟をご考慮いただければと思います。

◆関連情報◆

Ext_link新潟県「平成16年新潟県中越地震に関する情報」において(2004/10/26付け)

Ext_link平成16年新潟県中越地震 被災動物の支援活動について 新潟県福祉保健部生活衛生課

尚、「新潟県中越地震被災動物対策本部」は新潟県、環境省、日本動物愛護協会、日本獣医師会、協議し設立を検討中です。

今後の、必要物資の搬入先、募金先等に尽きましては、追って当サイトに掲載いたします。      

(2004/10/27)(LIVING WITH DOGS)


「新潟県中越地震被災動物対策本部」設立

新潟県福祉保険部生活衛生課より、日本動物愛護協会の中に対策本部が設立されたとご連絡がありました。ボランティアや必要物資の搬入等は対策本部で集約・受付を行っています。

(2004/10/27)(LIVING WITH DOGS)


10月28日 ある被災現場でのレポート

被災5日後の山村地区での被災住民と犬や猫達の暮らしの状況をお知らせ下さった方がありました。

被災住民は高齢者はいず、不思議なことに元気な70代の方々が最高齢でした。80代以上の高齢の住民は被災地から住環境の良い親戚の家などに避難していました。残った住民はまだ余震の続く家の近くに、倒壊のおそれがあるので家の中には入らないようにという指示にしたがって屋外で寝ています。
新潟の山村集落では近所づきあいが密接ですから、ご近所の方が困っている場合は相互に助け合うような環境にあるそうです。犬や猫も家族として、村民が近所の犬の名前を呼んだり、立ち話をする老人の側に犬がいて、人同士が話している間、犬達も自然な状態でした。
この村は、犬と暮らしている家庭が多くあり、その犬たちは小型犬、中型犬、純血種、MIXと様々でしたが、孫のように接していて、人が犬に癒されているという感じを受けました。その中に「この犬は避難所にいる娘家族の犬ですが、避難所に犬を連れて行くよりは、預かって欲しいと言われてここにいるんです」という被災者もいました。
被災直後には、恐怖におびえた犬は目が飛び出したと言うような表現をされた飼い主さんもいました。実際に見ていないのでどのような症状かは不明ですが。また自由気ままに暮らしている飼い猫は「被災後から家に帰ってこないので心配なんだけど」と飼い主さんが言ってましたが「玄関の前に餌を置いてみては?」と他の住民がアドバイスをしています。また驚いて逃げ出した猫の飼い主さんは「数日したら帰ってきました」という嬉しい話しも聞けました。村民のペットに対するほのぼのとした愛情が伝わってきます。無理せずに自然に共存できていると言うのでしょうか。(Rさん)

新潟の村落には結構たくさんの犬が住んでいますが、山古志村の取り残された犬の数もしっかり把握しているような動物管理センターの体制です。それは、毎年、獣医師が各村に巡回して狂犬病予防接種を実施しており、その接種率も高いので登録頭数はかなり正確であると言うことです。このような動物管理センターの体制ならば、安心して動物救済がされて行くでしょう。そして山古志村から取り残された犬たちも徐々にですが避難している模様です。(2004/10/29)(LIVING WITH DOGS)


ペットと避難している飼い主さんへ

さて、今後の復旧の見通しですが、未だ余震の続く間は現状を、住環境を、少しでも快適にすることしかできないでしょう。
仮設住宅が建設されるまでの期間、完成入居は早くても11月末頃?ですが。
被災ペットと共に車の中で一緒に寝泊まりしている飼い主さんへお願いです。昼間は家屋の片付けで、またエコノミー症候群、狭い密室状態の車の中では酸素不足、寒さや風雨のような天候、等による身体の疲労度は限界と思われます。
また、テントでの避難も寒冷地はどんどん厳しくなります。
そこで、車やテントで避難されている被災者の皆様に、いったんは、被災地区の動物管理センターにペットを保護していただくか、親戚の家にペットを預かってもらうかをご検討ください。まずは被災者ご自身が身体を休めていただきたいと思います。地域の動物管理センターでは、ペットの保護を受け入れています。
しばらくの間、是非、ペットを預けて下さい。同じ県内ですから、いつでも会いにいけます。そして仮設住宅が完成したら必ず一緒に住めるでしょう。まずは飼い主さんが健康でなければペット達の未来はないのです。一時、悲しい別れをしなければならないとは思いますが、先の見えている一時預かりですからまずはご自身の健康を第一にされることをおすすめします。(2004/10/29)(LIVING WITH DOGS)


「新潟県中越地震被災動物救済対策仮本部」募金先について

新潟県内に体制が整い次第、新潟県庁内に対策本部が設置されるようですが、都内の日本動物愛護協会を仮本部として、日本動物愛護協会、日本動物福祉協会、日本愛玩動物協会、日本動物保護管理協会及び日本獣医師会が組織して立ち上げられました。
尚、現地での救援本部が設立されるまで、平成16年新潟県中越地震における被災動物への活動についての情報は、日本動物愛護協会でお知らせするそうです。資金援助と使途を正確に管理する為に、銀行口座が開設されました。
新潟中越地震の被災動物救済の為に皆様の心からの募金が有効に使われることを期待します。

募金先は以下にお願いします。

口座 : 三井住友銀行麻布支店(店番号 : 270)、普通預金口座No : 0964065

口座名 : 「緊急災害時動物救援本部 新潟県中越地震動物救済基金」  


10月31日 山古志村被災動物保護のこれから

新潟県庁と、新潟県動物愛護協会は、新潟県中越地震被災動物対策本部を長岡市に立ち上げ、山古志村に取り残された犬・猫の保護に対して、全頭避難策を考慮しています。
中越動物管理事務所での収容はすでに満杯状況ではありますが、テントリースを手配し、全頭を保護できる体制を準備中とのことです。
現在、山古志村に続く道路は、この雨による地滑りで遮断されておりますので、陸路での救出は無理な状況です。新潟県と新潟県動物愛護協会は自衛隊へのヘリコプターの出動が可能か要請をしております。天気が回復し、自衛隊ヘリコプターの出動が承諾されれば、残された犬についてはかなり救出される見込みです。
しかし、村民が避難した際にリードから放されており、餌場にこれる犬であれば助け出されることでしょう。
但し、飼い猫については、何頭残っているかの把握は難しく、また飼い主以外の人の前にはなかなかでてこないので全頭避難は難しいと思われます。
なお、この収容テントには、県内5カ所の動物管理センター、各動物病院が満杯となっていますので、山古志村の保護ペット達だけではなく、車の中で飼い主さんと一緒に避難しているペット達も受け入れるだけの設備となる模様です。地元の動物愛護協会の会員、動物専門学校の生徒さんなどがボランティアとしてお世話が出来る環境にあります。

新潟県の動物福祉事業について

今回の地震はもちろんのことですが、水害時にも地元の動物愛護協会の連携は素晴らしい状況でした。
県の動物管理センターは5カ所ありますが、その3カ所が動物愛護協会の支部となっており、その会員数も多く、被災動物への保護の体制が速やかに取れる状況でした。
日本のSPCAが、実際の被災時にここまで機能した例は、日本ではおそらく初めてのことでしょう。
日本ではいつどこで災害が起こるか判らないような状況ですが、今回の新潟県の被災動物への対応は、被災動物の保護救済の見本となるものと思います。

まずは、山古志村の全頭避難が無事にすすめられることを期待いたします。

Ext_link新潟県福祉保健部生活衛生課

(2004/11/01)(LIVING WITH DOGS)

11月11日新潟県山古志村の残された犬猫達

山古志村に残された犬や猫等のペットについて、新潟県が新潟県獣医師会の協力を得て引き上げられるものは全て一時預かりをしてくれることになったようです。新潟県内の各地に引き取られることになるそうです。それに伴い、震災の日前に生まれたばかりで心配された犬の親子もようやく村から脱出して一時預かりの家に引き取られたそうです。(2004/11/12)(LIVING WITH DOGS)

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