救助犬協会・富山

1997年度 救助犬認定審査会見学記

救助犬認定審査会 見学記 (富山・山田村牛岳スキー場)

今月25日から3日間、富山の山田村牛岳スキー場で救助犬の認定審査会が行なわれましたので、見学とちょっとお手伝いで行ってきました。私は災害救助犬のことは、 阪神大震災のときに初めて知り、たまたま家のJohnがお世話になった坂井訓練所でその トレーニングを見てきただけで、素人知識しかありません。 ただ、一緒に仕事をするハンドラーとワンを生で見たい! そんな気持ちでした。

97年10月25日

午前8時30分から開会式。昨年は33頭のエントリーだったのですが、今年はなんと50頭!犬種は、ほとんどがシェパード、 ラブ、そしてゴールデンでしたが、中に柴犬が1頭いました。北は岩手から、南は熊本まで の全国各地からの参加で、トレーニングではなく認定審査会ということで、朝から指導手の 人は緊張気味。
審査は「服従審査」、山岳遭難者を探索する「平地探索」、家屋の倒壊を想定した 「瓦礫探索」の3段階に別れての審査です。
探索の審査では、何人が隠れているかはもちろん秘密で、あちらこちらに人のにおいを つけ、指導手が迷ってしまうようなダミーもあり、その中での探索です。 遠隔操作はもちろんですが、人も犬もお互い姿が見えなくなってしまう深いやぶの中での 探索は、指導手と犬との信頼関係が問われたような気がしました。
持ち時間は8分。審査内容は、どれだけ早く確実に人間を発見するかだけで無く、犬の 探索意欲や将来性、「使える犬」かどうかなどいろんな観点から審査されました。
山頂の広場で「服従審査」、中腹で「平地探索」、ふもとでの「瓦礫探索」で、いろいろ 見学するには山頂〜ふもとまで車で行ったり来たりでした。

97年10月26日

朝からすごい雨。風も強い。前日の山の上り下りで、クタクタの私はお昼から、見学に行きました。前日、審査できな かったワン達の審査は午後2時すぎに終了しました。私は大型犬の中で頑張っている柴犬 を見学したかったのですが、どうやら終わってしまったようで残念でした。
結果は、50頭エントリーした中、合格犬は29頭。(すごい合格率でビックリしました。) それらの認定されたワン達は今後2年間、災害救助犬として認定され、各地での災害現場で 活躍するそうです。
見学していて思ったことですが、犬が「吠える」ということって、難しいことなんだ なぁと実感しました。実際に「人間」に反応して前足をガリガリしているのに、「吠える」 までに数秒かかる犬が少し目に付きました。あと昨年認定された犬も出場していましたが、 なんというか、もう自分の仕事を心得ている感じで、ソソと飼い主さんの足もとで大人しく している子が一旦フィールドに放されて「捜せ!」の言葉でとたんにハイパーぶりを発揮 して終了まで走りっぱなし。大好きなボールが落ちていても、それに惑わされることなく 「探索」し続けてました。すっご〜い!と感動しながら見ていた私です。
山のお天気は変わりやすく、晴れ間があってもすぐに雨風になり突風が吹いたりで不安定 でした。足場も悪く、やぶの中で太くて長いつるが密集していて指導手自身が足を とられたり…。犬だけじゃなく人間の体力もかなりいるようです。 皆さん雨の中びしょびしょの姿になりながら頑張ってました。
地元新聞社、テレビ局、おなじみ月刊「WAN」の取材の方が来て、取材されていきま したが、質問に「やはり犬種はシェパードやラブラドールが多いのですか?」に 坂井さんが「どんな犬でも、トレーニング次第で救助犬になれる可能性があります!」 と言い切っておられました。
もしもの事って、あってはいけない事ですが、この災害救助犬の活躍で一人でも多くの 命が助かれば、それだけで意味は大きいと思いました。(97/11/01)

(富山・Iさん)

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