遺失物法改正で迷い犬・猫が窮地

遺失物法改正で迷い犬・猫が窮地

これまでは、迷子の犬が保護されると、地元の警察に届ける人もいたことと思います。

わが家は、かつて、迷子の犬がさまよっていた時に、念のために警察にこのような犬を保護したという連絡をし、実家の庭で保護しましたが、すぐに飼い主さんが見つかって無事に戻りました。

遺失物法では、拾得物は警察に届けますと2週間の保管期間の間に、落とし主が現れて返還されます。
しかし、迷子の犬・猫は、その2週間が過ぎたら、地元の管理センターに移管され、拘留期間が満了すると殺処分となります。したがって、保護されてから、警察での2週間と、管理センターでの日数、最長で7日間。最長で3週間、飼い主さんが愛犬を探す、または里親さん探しをする余裕がありました。

6月の改正で遺失物としての適用外となり、「犬や猫を物扱としない」と改正されました。警察での2週間の保管期間がなくなります。

警察が一時的にでも保管してくれていたことが出来なくなってしまうことは、その分一般の動物愛護者の負担が大きくなります。これまでにも何頭も自宅で保護しながら里親さんを探していた方が、この法律が施行されると、抱える保護犬の数が多くなってしまいかねません。

1頭でも多く飼い主さんの元に、里親さんも探そうと、各地の動物愛護者は殺処分される犬猫が1頭でも助かるようにと心を砕いています。

おそらく、日本中の保健所の職員の方々もどうしたら良いか悩んでいることでしょう。

まずは、管理センターでの保護期間の延長が必要でしょう。

動物愛護法は、動物を殺処分するための法律ではないはずです。また、本来、管理センターは殺すための施設ではないはずです。

今後、各地方自治体は、この件で、一歩進んだ対応を、まずはどこの県が先んずるかでしょう。期待しましょう。

犬が処分されるまでの日数
(2006/7/26)(LIVING WITH DOGS)


迷い犬・猫が窮地に 遺失物法改正、県警が保護や里親探し中止へ

6月改正の遺失物法が施行されると、迷い犬や猫は同法の適用外となるため、徳島県警は各署に届けられた迷い犬や猫を保護したり、飼い主、里親を探したりすることを原則としてやめる。このままでは飼い主や里親が見つからずに殺処分される迷い犬や猫が増えるとみられ、1年半以内の施行を控えて県内の動物愛護団体が懸念を強めている。
現在、県警は迷い犬や猫が届けられた際、遺失物法に基づき原則として2週間保護している。二週間を過ぎると、保健所を通じて神山町にある県動物愛護管理センターに引き取られ、センターで一週間保護しても飼い主が見つからなかった犬、猫は殺処分されている。昨年、県警に届けられたのは、迷い犬491匹、迷い猫11匹の計502匹。そのうち飼い主に返還されたのは314匹、里親が見つかったのは121匹、拾った人が里親になったのは12匹。警察で預かる期限内に飼い主、里親が見つからず保健所に送られたのが55匹。一方、昨年度に管理センターで殺処分された犬、猫の総数は7721匹に上る。

県警は殺処分される犬、猫を減らすため、2週間の保護期間に動物愛護団体などに声を掛けて里親を探してもらうほか、徳島新聞に犬、猫の特徴や見つかった場所などの情報を提供するなどして飼い主や里親を探している。中には、殺処分されるのをかわいそうに思った署員が、里親、飼い主が見つからない犬や猫を連れて帰って飼うケースもあるという。しかし、改正遺失物法では、持ち主が分からない犬、猫は対象外。迷い犬や猫は警察の管轄外となり、施行後は届けられても県警では保護せずに保健所に引き取られ、管理センターに送られることになる見通し。
保健所は、迷い犬や猫の情報を公開して飼い主への引き渡しはしているが、通常は里親探しをしていない。管理センターに送られるまでの期間も最短で3日間と県警の2週間と比べると短くなる。
このため、迷い犬、猫などの里親探しをしている動物愛護グループ「TAO」で活動している麻植幹司さん(48)=吉野川市西麻植西開、農業=は「迷い犬や猫に飼い主が現れるまでには時間が必要で、改正遺失物法の施行後は飼い主や里親の見つからない犬、猫が多くなり、殺処分が増えるだろう」と心配している。
(2006/7/26)(徳島新聞記事より)

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