Just can't stay away
登録日: 2005-3-20
居住地: オレゴン州ビーバートン市
投稿: 198
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Re: パピー・トレーニング
ミックさんの「パピー・トレーニング=問題行動に発展する前の予防」という考え方に全く賛成です。
確かに犬の習性を人間社会で暮らしていくためにふさわしいように修正することなくそのまま成長してしまったとすると、大変な問題を抱えてしまいます。
例えば、吠える、引っ張る、飛びつく、噛む、食べ物を盗む、物を齧る、好きなところで排泄する、などは、犬としては自然な行動なのです。それらを時と場合に応じて、コントロールできるようにするためには幼犬の頃からのトレーニングが必須です。大きくなってからこれらの悪い癖を直そうとすると大変な労力と時間が必要になってきてしまいます。
また社会化訓練も幼犬期から行うことで、日常生活の様々な場面に出会っても怖がったり、攻撃的になったりせずに安心して外へ連れ出せる、または心配せずに家において外出できる犬へと成長します。
先日読んだTerry Ryan著の「Outwitting Dogs」(直訳=犬より賢くなって犬を出し抜くこと)にも、パピートレーニングについてこう書かれていました。ちなみにこの本はとても具体的で役に立つ情報が満載されており、是非日本語に訳されて欲しいと願っていますが、今のところは原語のみのようです。
(引用) 幼犬期はまた後々起こりうる問題を予防するためのトレーニングをするのに適切な時期でもある。そのもっとも重要なものが“Resource guarding(ものを盗られないように守る)”行動の防止である。この行動とは、犬が自分のものと思っているもの、例えば食べ物、食事用の容器、おもちゃ、ベッド、寝場所、あるいは自分の大好きな“人”、を守ろうとするために、ひったくったり、唸ったり、歯をむき出したり、あるいは噛み付いたりする問題である。
以前別のスレッドで提起した、「犬から見た飼い主の地位の確立には」という問題と、先日訳したBarry Eatonの2つの記事に見られるように、犬が人間の言うことを聞かなくなったり、また何かをとりあげようとすると攻撃的になってしまったりということは、すべて毎日の犬とのかかわり方、特に幼犬期からの育て方によるところが大きいと思います。何も飼い主がパックリーダー(Alpha)にならなくてもいい、でもしっかりとした犬との信頼関係と躾けができていればこのような問題も防げるのだと思います。
Barry Eatonの「パックルールよ、安らかに眠れ」のほうに出ていたソファーの件ひとつとっても、我が家ではソファーはOKなんです。HollyもNoahも成犬になってからうちに来た仔達なのではじめのうちはソファーで寝ることを許しませんでした。先住犬の老犬Maxだけは許されていました。でも一緒に暮らすうちにだんだん甘くなってしまったというのが本音でしょうか。彼らは初めは許されなかったものが許されるようになったので、それをどうやらPrivilege(特権)と見ているようで、「今はダメよ」「さあ、降りなさい」と言えばその指示にちゃんと従います。これもすべてトレーニングと信頼関係のおかげです。
パピーの頃からこのようにすべてのルールをきちんと犬が理解できる方法で教え込んでいけば、新たに問題が出てきたところで、その解決はずっと簡単になるはずです。飼い主が犬とのコミュニケーション法をマスターしていますし、犬のほうも飼い主に注目することをしっかり習得していると思います。
ミックさんが誘ってくださったパピートレーニングで、私がはじめて目にし、それ以来うちでも実践している簡単なトレーニング(ゲーム?)をご紹介したいと思います。
まず犬を座らせて、犬の顔の両横に手の平に載せたトリートを持っていきます。犬はそれを食べようとしますが、“Uh Uh (だめよ)”と注意します。犬は両方の手の中のものを見比べますが、そのうちに私の顔を見上げて、指示をあおぐようになります。そうしたら、どちらかのトリートを犬に差し出します。
このゲームは簡単ですが、犬の注意を飼い主に向かせるよい習慣を作ってくれます。そして飼い主がどちらのトリートかを選ぶことで、犬はその選択に従うことになります。(犬がどちらかを決めるのではなく)
皆さんのお宅でも試してみてください。
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Just can't stay away
登録日: 2005-10-18
居住地: 神奈川県
投稿: 105
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パピー・トレーニング
別のスレでMaxHollyさんにご紹介いただきましたが、私は昨年の9月に 私の友人のトレーナーに「パピー・トレーニングを手伝って欲しい」と頼まれました。 私は 私自信の勉強になるため 二つ返事で快諾しました。
ちょうどその時期 MaxHollyさんが日本にいらっしゃるということなので、パピー・トレーニングにお誘いいたしました。
このパピー・トレーニングは同胎犬達で行われました。 主催した方は この子達のブリーダーさんです。
実はこの犬種の特徴を書いた資料の多くは「厳しい訓練にも耐える」とか「何でもできる万能犬」とか「頑固な性格なので 厳しい訓練が必要」等と書かれる事が多いのですが、実はこの犬種を自分が 飼った経験からいっても、本当は繊細で厳しいトレーニング向きではないのではないでしょうか。
これは私的な意見ですが、間違った情報から「性格に合わないトレーニングで 自分の育てた子犬達が不幸な目にあわないように・・・」という思いがこのブリーダーさんにあったのかもしれません。
実際 この日集まった兄弟犬の中でも 当然ですが性格は同じではなく、リードがほんのわずか張っただけで「歩きたくない」と動かなくなる子もいますし、ターゲットを見せながらヒール・ウォークが出来る子がいたり、様々です。
現在、トレーニングや訓練というと イメージ的に「問題行動の修正」と考えがちでありますが、「パピー・トレーニング=問題行動に発展する前の予防」という考え方で 多くの方たちが子犬の頃からトレーニングに興味を持っていただけたら うれしく思います。
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