(1)Noahのすったもんだトレーニングクラス

Hollyとママのしつけ教室奮闘記後、Hollyの家には弟、Noahがやってきました
今回のNoah君とママのしつけ教室は当初記事として掲載する予定ではありませんでしたが、あまりにも現実的な問題に直面し、これから愛犬にしつけを入れたい、しつけ教室に行こうと思っている方々の参考になればとHollyとNoahのママが寄稿下さいました。

しつけの方法は様々、犬だからと言って画一的なしつけ方ではうまく行きません。
犬には個々の個性があります。それと犬種特性。そして人には各人異なった性格、そしてポリシーが。そんな人と犬が出会って、みんながみんな同じ方法で絆を築けるなんてことはないのです。その犬とその人とだけに通じる方法がお互いを知るうちに生まれて来るんです。そのためにはトレーニングのキッカケはもちろんですが場所や雰囲気、周囲の人も犬も大事な要素になります。
Noahとママは最悪なしつけ教室に参加してしまい、それをママが気がついて、何が最善の方法かと考えました。きっと皆さんもそう言えばこんなことがあったと思う場面もあるでしょう。犬の身になって考えたら当然のことなんですけどね。
(2007/4/10)(LIVING WITH DOGS)



Noahのすったもんだトレーニングクラス

昨年11月27日にBorder CollieレスキューからアダプトしたNoahですが、うちに来た時はお座りしかできませんでした。トリーツを投げても、自分の鼻にぶつかって下に落ちてしまうほどのトロイ仔ちゃんです。もちろんキャッチボールもできずに、落ちてから拾いに行く始末。競争心が全くなく、とにかくオットリ君で、どこか身体の具合が悪いのか、目が良く見えないのではないだろうかと主人も私も心配したほどでした。
でもしっかりもののHolly姉さんのおかげで、ご飯を食べるスピードも速くなり、トロンとした目つきもだんだんに賢そうに変わってきました。コマンドも教えなくても見よう見まねで憶えてくれて、先住犬がいるとこうも楽なものかと感心しました。
そして今年の3月4日、Noahも晴れてPetsMartの躾け教室に通うことになりました。
Hollyの時は私一人で参加しましたが、今回は主人も是非行ってみたいとのことで、初日は両親(?)揃ってまるで幼稚園の入学式のようでした(笑)。インストラクターはHollyの中級・上級クラスを受け持ったCarolさんです。私にトレーニングの経験があること、すでにNoahを自宅である程度トレーニングしていることを前提に中級クラスに入れてもらえました。

ところが、このクラスがとんでもないクラスなのです。まずクラスの構成ですが、スキッパキーのMoca、80ポンドはあるジャーマンシェパードパピーのTucker、ブラックラブパピーのRoxy、ボクサーのJade、ピットブルのSadieと、同じくピットブルのDaisy、そしてボーダーコリーMixのNoahの計7匹。しかもMoca以外はみごとにパワフルな中型・大型犬ばかり。

さて初日に教室に入ってみると、Mocaがかん高い声で吠えています。そしてピットブルのDaisyがNoahに噛み付かんばかりに吠えて飛びかかりました。Noahはどちらかというと臆病な仔ですが売られたけんかは買わずにはいられないというタイプなので吠え返し、それを見て、大きなTuckerは興奮して暴れ、Jadeと臆病なSadieは神経質な声で吠えまくり、まったく収拾がつかなくなりました。インストラクターは、このクラスはダイナミックなクラスだけれど回を重ねるごとに犬同士が慣れて落ち着いてくるから大丈夫と楽観視していましたが、飼い主達は自分の犬のリードを引っ張ることと、吠えさせないようにすることに神経を磨り減らして、トレーニングどころではありません。

主人は初めてのこともあり、Noahを落ち着かせようと、”Noah, sit, sit!” を繰り返し、インストラクターに “もう、座っていますからご褒美をあげてください” と言われる始末。私は私で、Noahを間違ってHollyと呼んでみたり、とにかく犬も飼い主達も大騒ぎ。おまけにこの日はとてもいいお天気でペットデイケアが大繁盛らしく、後で聞いた話では60匹もいたそうで、いつものスペースには入りきらず、この教室のガラス一枚隔てた隣の部屋では、デイケアに来ていた犬達が喧々囂々。とにかく疲れました。

ところでNoahはうちに引き取られてきた当初から今まで15歳の先住犬Maxをいじめたりすることなく、同じく先住犬の4歳のHollyとは姉弟のようにいつもなかよく遊んでいますが、この数ヶ月の間にNoahにも自信ができてきたせいか、おどおどしていた昔に比べ、強い面も出てきたことに私は気付いていました。
たまにドッグパークでは見知らぬ犬とぶつかってしまったりすると、ちょっとしたけんかになることもあります。またHerding dog(牧羊犬)特有のSnappingやNipping (どちらも唸ったりせずに口先だけで急に噛んだり噛むむまねをして相手を牽制する) をすることもよくあります。ですからこのクラスの一触即発の雰囲気はNoahにも責任があると思いました。それにしても、Noahにとってクラスの最初の印象が悪すぎたため、それが後を引いてしまっているようです。ピットブルのDaisyはとても攻撃的でどの犬にもかかって行こうとするので、飼い主は大変です。同じピットブルでもSadieのほうは、とっても内気で飼い主の陰に隠れて吠えています。ボクサーのJadeも同様で吠えるというより、悲鳴に近い声をあげています。

そして残念ながら、このクラスは回を重ねるごとに益々エスカレートし、とうとう4回目のクラスが終わった時点で、私はインストラクターにNoahにこのクラスを辞めさせたいと伝えました。Carolは“まさかNoahが原因だとは思っていないでしょう?Daisyのせいなんですよ。”と言ってくれましたが、このクラスにNoahを引き続き通わせることは、Noahにとってマイナスになると思ったのです。

その理由は、
1. トレーニングは本来楽しいものでなくてはならない。
2. このままではNoahは攻撃的にならざるをえないし、そのような習性をつけて欲しくない。
3. このPetsMart自体を嫌な所と思うようになって欲しくない。
4. この状態では飼い主も犬もトレーニングに集中できずほとんど習得していない。
5. もしNoah 1匹減ることで、状況がすこしでも緩和されるなら他の犬達にとってもプラスになる。

インストラクターは私の決断に賛成してくれ、別の中級クラスに移してくれました。4回通ったPetsMartの経験から、Noahは新しいクラスでもあのように警戒心を顕わにしてしまうのでしょうか。それとも新しい友達と仲良くやっていけるのかしら。息子の幼稚園入学時をなんとなく思い出してしまった私でした。

(2007/4/10)(Max&Holly&Noahのママ)

 

サブコンテンツ

カテゴリー

このページの先頭へ