犬と暮らし (2)犬に服を着せることって

犬に服を着せることって

温暖化の影響なのでしょうか、この4月は実に雨が多いですね。せっかくの桜が雨で花ちらしの毎日です。

雨の日の散歩は、犬と暮らす人であれば憂鬱そのものなんですが、わが家の三頭の犬たちは、室内トイレトレーニングが出来ているので、助かります。こだわりのトイレトレーニングについては、またの機会にお話しますね。
幸いボルゾイは脚の毛が短いのでそれほどではありませんが、長毛のアフガンはとても大変です。

桜の開花時期も早まるこの頃ですが、東京の桜は葉桜に、桜前線は北上し、また標高の高いところではこれから美しく咲き乱れる事でしょう。

実は桜にあわせて、ボルゾイのリエータにPINKのコートをセミオーダーしてみました。胸が深くウェストが極めて細い体系の犬種なので既製品ではなかなかフィットしません。

LIVING WITH DOGSらしくない記事と思われるでしょうか?

実はそんなことはなくて、ボルゾイのリエータは今年5月で満11歳です。ゴールデンやアフガンの平均寿命が12歳くらいとすると、ボルゾイの平均寿命は10歳くらいです。なので、リエータはもうりっぱなおばあちゃん犬です。

今年3月に、散歩の際やけにハァハァしてトロトロ歩くので。もしかして心臓疾患?かと思いホルター検査をしました。その他、レントゲン検査やエコー検査(カラードップラー)なども行いました。
犬のホルター検査とは、48時間から72時間連続して心電図を取る検査です。
日常の行動を細かくメモり、波形と照らし合わせ、もし著しい不整脈などがあれば、生活行動を見直すのに大変役に立ちます。実際リエータも急激な運動の後には、期外収縮が明らかに増加します。
幸い治療を必要とするほどではありませんでしたが、「加齢現象は心臓に始まっているので、過激な行動はいきなり行わず徐々に行い、クールダウン(ギャロップ→トロット→ウォーキング)をすることが有効と動物エムイーリサーチセンターの内野先生よりアドバイスを頂きました。
内野先生は日本で最もホルター検査のデーターを持っていらっしゃる獣医師です。

ちなみに、多くの犬が動物病院では緊張していて、正確な心電図がなかなか取れません。
よって、正確な心電図を取るためにはホルター検査がとても有効なんですね。ただ、電極を貼るのに胸の毛は短く刈り込まなくてはなりません。
そんな訳で、リエータも先日胸の毛をかなり広範囲に短く刈り込みました。
そこである程度毛が伸びるまでは、外出時には何か着せてやろうと思い可愛いお洋服を作ったんですね。

なぜなら、以前某大学動物病院の皮膚の専門医を取材したときに、0助教授「皮膚疾患の種類にもよるが、脱毛が酷い時などは服を着せてあげる事はけして悪くない」と言われました。
その理由は、犬は大変繊細な動物で、人から「どうしたんですか〜!?」とか、「わぁ、かわいそうね!!」などと繰り返し言われると、何か自分が悪い事でもしたのかとストレスになるというのです。
ストレスは免疫系に影響を及ぼすこともあるので、そんな思いをさせるなら、かわいらしい服でも着せて「かわいいわね」とか「お似合いね」と声をかけられる方が犬にとっても、飼い主にとっても良いとのことでした。
それを思い出し、リエータにもこの時期に合う、「春かわコレクション」としてさくら色のコートを買ってあげました。(但し、服など着たがらない犬には反対にストレスになるので着せない方が良い)
余談ですが、ショードッグとしてフルコート(見事なロングヘアー)で管理されていたアフガンに、もうショーには出さないのでつるつるにバリカンを入れたら、著しく体調をくずした犬がいました。私の犬ではありませんよ。
また、ワイマラナーやウィペット、ドーベルマンのような極めて短毛の犬の場合は、「運動時は服など着せる必要はないが、寒い季節の就寝時などは何か着せてやった方が良い」とトップブリーダーが言っていました。特に老犬などの体調管理に役立つとのことでした。
リエータおばあちゃん、似合っていますかね?

(2008/4/14)(犬専門学校講師・ライター・NPO法人JAHDスタッフ 友納由美)

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