聴導犬デモンストレーション見学記

聴導犬デモンストレーション見学記
 

雨の土曜日(6/28)、有明のビッグサイトにおいて聴導犬のデモンストレーションがあると伺い、行ってみました。
長野県伊那市で保護犬で聴導犬の育成を行っている日本聴導犬協会のデモです。
ビジネスショウの会場の中、取引のご成約太鼓の響きがドンドンと鳴り響く、人の声も消えてしまうような騒音に囲まれた場所にデモスペースがありました。
2頭(ちょっと大きなタカちゃん、小柄なシロちゃん)の聴導犬が、音を知らせる仕事を紹介しています。
音の不自由な人にとって、目覚まし時計では起きられません。誰かに起こしてもらうか、扇風機をタイマーで着けて風をからだに受けて起きたりとしていました。扇風機は夏場は良くても冬場は風邪を引いてしまったりとあまり良い方法ではありませんでした。
聴導犬が側にいてくれれば、目覚まし時計の音を聞いて、起こしてくれます。家の中では、お湯が沸いた、玄関にお客が来た、FAX電話がなった、等を知らせてくれます。また、お出かけの時は、例えば、銀行での鈴の音で順番を教えてくれます。災害の時は、その音のところに連れていかず、耳の不自由な人の足元で伏せをします。

聴導犬は、音の不自由な方の側に24時間、喜んで一緒にいてくれる家族です。
日本聴導犬協会の有馬さんと、その後、色々なお話を伺いました。聴導犬のトレーナーとして英国で勉強したこと、捨てられた犬を聴導犬として訓練を始められたこと、身体障害者補助犬法に聴導犬も入れていただいたことなどでした。
盲導犬は補助犬として社会にだいぶ認められてきてはおりますが、盲導犬もしかりですが、聴導犬や介助犬はまだまだ日本で充分に普及しているとは言えません。

それは何故でしょうか?
まだまだ進んで表に出ようと積極的になる障害者が少ないことがあげられます。
また、社会の受け入れ体制も不十分と言えるでしょう。そこで身体障害者補助犬法というものが制定されたのですが、まだ始まったばかりです。徐々にではありますが、社会が障害者を受け入れるためのハードな面はそろいつつあります。またソフト面での理解を広めて行く必要があるのでしょう。
何よりもこの法律は、障害者が自分の意志で積極的に社会に参加できる状況にすることが目的です。障害者自身、担当医師、犬のトレーナー、そして犬が、障害者の自立をめざして、取り組むものです。


有馬さんの一言、「障害者も、犬も、幸せでなければなりません」。
 この一言に集約されるものと思います。今後の聴導犬の理解と普及がすすみますよう、お祈りいたします。貴重なお時間をいただきありがとうございました。(2003/07/05)(LIVING WITH DOGS)

Ext_link日本聴導犬協会

●聴導犬についての図書の紹介
聴導犬ものがたり「捨て犬みかんとポチ」
愛されるために生まれてきた犬たち
身体障害者補助犬法を知っていますか

●聴導犬を知って貰うために
小学校図書館、図書館、獣医・病院、病院、歯科医院等、多くの小学生や子供が読める場所に置いていただくための小冊子が出来ました。

聴導犬ナナと花子さんの物語 : ご関心のある方は、inf@hearingdog.or.jp (日本聴導犬協会)までお問い合わせ下さい。

 

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