車いすの犬に命の尊さ学ぶ
車いすの犬に命の尊さ学ぶ
近ごろは、交通事故で下半身麻痺となってしまい車椅子で元気に暮らしている犬達がたくさんおります。LIVING WITH DOGSにも何例かご紹介していますが、なんと、16年前に2才で交通事故に遭い15才まで生涯を全うした幸せな犬がいました。その頃はまだ犬の車椅子の情報なぞなかったでしょう。
飼い主さんの深い愛情を称えたいと思います。(LIVING WITH DOGS)
車いすの犬に命の尊さ学ぶ、15年の生涯つづり出版
交通事故で下半身不随となりながら、車いすで懸命に生きた愛犬の一生をつづった「ありがとう、チャンプ――車椅子の犬と歩んだ15年」(幻冬舎)が25日、刊行された。少年による事件が相次ぐ中、秋田県大曲市でスポーツセンターを経営する著者の三浦英司さん(61)は「子どもたちやその親に、生きるすばらしさや命の重さを伝えられたら」と話している。
チャンプは、牧羊犬の一種、ビアデッドコリーのオス。16年前、生後約2か月で三浦さん一家の一員になった。2歳の秋、自宅前で車にはねられ、背骨を折った。獣医師は「安楽死」を口にしたが、チャンプの目に生きる意志を見た三浦さんは生かす道を選んだ。
しかし、チャンプは、歩けないストレスから全身の毛が抜けた。家具をかみ、歯はぼろぼろに。心配した三浦さんがふと思いついて、動かない下半身を持ち上げたところ、トコトコッと前脚で歩いた。「そうだ、車いすを作ろう」
三浦さんの本業は建築資材販売。体重20キロのチャンプに合うように投光器のタイヤを利用し、部品も手作りした。スポンジを敷き、後ろ脚の付け根がすれないよう腰部で動く工夫もした。5作目で、やっと満足な出来になった。
車いすを手に入れたチャンプは輝きを取り戻した。散歩に出かけ、草や雪のにおいを楽しみ、好物のチーズに大喜びした。毛もふさふさに戻った。三浦さんは「夜、脚のマッサージをしながら1日の出来事を話したものです」と振り返る。
昨年11月、チャンプは15歳の生涯を閉じた。人間なら80歳ほど。「チャンプは生をおう歌した。音をあげない強さや前向きさは、見ているだけで心が洗われた」と三浦さん。与えたはずが、逆にチャンプから様々なものを得ていたことに気づいたという。「ありがとう」の言葉を添え、三浦さんは最初の1冊をチャンプの墓前にささげた。
(2003/07/25)(読売新聞の記事から)
著者: 三浦英司、出版社: 幻冬舎、ISBN: 4344003683、サイズ: 単行本/254p、発行年月: 2003年07月、本体価格: 1,400円 |
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