マングース探索犬
マングース探索犬
外来種の動物による本来の生態系が危うくなっています。ほんとうに絶滅してしまう前にどうにか外来種であるマングースを駆除しなければと探索犬を活用しようと期待されています。果たして根絶できるのでしょうか。7年間で7千匹以上捕獲しても分布拡大は止まっていないそうですが、マングースの繁殖力ってすごいんですね。
(2007/7/6)(LIVING WITH DOGS)
ワンはマングース探索犬/琉大が訓練中
本島北部の生態系を脅かしているマングースを駆除するための新たな試みとして、琉球大学農学部は「マングース探索犬」の訓練を進めている。鋭敏な嗅覚で痕跡や生息場所を探し出し、その周辺にわなを仕掛けて捕獲の効率化を図る考え。環境省や県は2000年度から06年度まで、7年間で7千匹以上を捕獲したが、マングースの分布拡大は止まっていない。わなに掛かるのを待つだけの現状を打開する期待が掛かる国内初の外来種探索犬。やんばるの森の生き物たちを守る「救世主」になれるか―。
探索犬第一号になるのは生後11カ月の雌のシェパード「ランディ」。一月から琉大の農場で、警察犬訓練士の協力を得ながら、マングースのふんやにおいの付いたボールなどを探し当てる訓練を続けてきた。
研究にかかわる同大の小倉剛准教授らは08年度までに、やんばるの森での駆除事業に試験導入したい考え。マングースの通り道や出現場所を絞り込み、わなをピンポイントで仕掛けて捕獲の効率を上げる作戦だ。
訓練を担当する農学部四年のYさん(22)は「実際に導入するには、まだまだ鍛えなければならないが、やんばるの貴重な生き物を守るために、ぜひ成功させたい」と意気込む。
環境省と県自然保護課は外来生物法に基づく防除計画で、14年度までに大宜味村塩屋―東村福地ダム以北のマングースを根絶するとしている。しかし、現在のかごわなによる捕獲だけでは根絶は不可能というのが関係者の一致した考え。06年にはマングースの北上を阻む柵を設置するなど、対策を強めている。
O教授は「わなの捕獲だけでは限界がある。最後の一匹まで捕り尽くすには、積極的に居場所を突き止める手法と組み合わせることが不可欠だ」と指摘する。
(海外では成功例も)
環境省那覇自然環境事務所によると、外来種探索犬は1969年、ニュージーランドでイタチ駆除に導入され、生態系を回復させた成功事例があるという。
(2007/7/6)(沖縄タイムス記事より)