狂犬病ワクチンの摂種率の低下
狂犬病ワクチンの摂種率の低下
山陽新聞に岡山県の接種率が低下しているという記事がありますが、何も岡山県だけではありません。全国的に登録済みの犬でさえも接種していないと言う事実、それ以前に地域行政に登録していない犬はどれほどになるのか換算できないほどでしょう。
もしも、港に停泊しているロシアの船から感染している犬が上陸して、ワクチンを接種していない犬が咬まれたら。
これまで日本は半世紀に渡り、狂犬病を発症していませんが、それは狂犬病予防法による登録済みの犬達のワクチン接種の徹底と野良犬の駆除を徹底したことで発症を免れました。現在の狂犬病を発症していない国となるためには、犠牲になった犬達がたくさんいたことを忘れてはなりません。
しかし、現在の無防備な状況では、いつまた発症してもおかしくない状況なのです。
また犬達の大量殺処分を招かないためにも、犬と暮らす多くの人達が、危機感を持って一人一人が対処しないとなりません。(2007/10/15)(LIVING WITH DOGS)
狂犬病ワクチン、接種率は6割 06年度の県内 全国最低レベル 背景に低い危機意識
狂犬病予防法が義務付ける年1回のワクチン接種率が、県内で低下の一途をたどっている。2006年度は、全国ワースト2の05年度に続いて約6割。国内での感染例は1957年以降、確認されていないが、専門家は「外国から密輸された動物に未接種の犬がかまれて、感染が拡大する恐れもある」と危機感を強めており、飼い主のモラル向上や制度の周知徹底が急がれる。
県によると、06年度に飼い犬として登録された約4万9000匹のうち、接種済みは3万匹弱で接種率60.7%。記録の残る92年度(99.1%)から下降線をたどり続け、05年度の61.8%は沖縄県に次ぐ低さ。世界保健機関(WHO)は、まん延防止の目安に「接種率70%」を掲げているが、県生活衛生課の担当者は「県内の接種率は向上の兆しが見えない」と頭を抱える。
理解不足も
ワクチン接種は、50年施行の狂犬病予防法で義務付けられた。06年には京都、横浜市の男性がフィリピンで犬にかまれ、帰国後に発症、70年以来36年ぶりの死亡例となった。しかし、国内では半世紀にわたり発生がなく、狂犬病に詳しい日本大生物資源科学部長のS教授は「飼い主の危機意識の低下が接種率を引き下げている」と指摘する。
制度の理解不足も背景の1つとして挙げられる。県獣医師会と市町村による集合注射(4〜6月ごろ実施)を受ければ、自動的に「注射済み」として登録されるが、動物病院で接種する場合、多くのケースで病院の証明書を登録窓口の市町村に提出しなければならない。このため、「手間を嫌って予防接種を受けなかったり、証明書を提出しない飼い主も多い」(ある獣医師)という。
啓発へ講習会
接種率低下を防ぐには、自治体が制度の趣旨をPRした上で、どう対策を打ち出すのかが鍵を握る。
狂犬病予防法は、未接種の飼い主らに20万円以下の罰金を科すが、05年度に接種率全国一だった長野県(94.8%)は、未接種の飼い主に督促状を送付。岡山県は8月、予防接種事務を担う市町村の担当職員を動物愛護推進員に委嘱し、講習会を開くなど対策に乗り出した。
S教授は「日本でも外国船員が犬を不法に上陸させたり、リスなどげっ歯類の密輸が増えており、狂犬病がいつ発生してもおかしくない。“防波堤”となるワクチン接種は愛犬家の最低限のマナー」と強調する。(2007/10/14)(山陽新聞記事より)