災害時の避難(補助犬の場合)
災害時の避難(補助犬の場合)
毎日新聞に興味深い記事がありました。阪神大震災からもう13年だそうです。
地震災害のおり、家庭犬を伴って避難所に避難することは不可能に近いのですが、盲導犬や介助犬はどうかというとやはり避難所にはなかなか一緒に入れないようです。
どんな場所でも盲導犬や介助犬は障害者の介助の為に働いています。障害を持つ人にとっては、避難場所で助けてくれる大切なパートナーです。そんな補助犬でさえも避難所に共に入れないなんておかしいですよね。
日本は、身体障害者補助犬法が出来て、公共の場所は補助犬を伴って入れるはずなんですが、残念ながらまだまだ受け入れ状況は芳しくありません。
新潟県中越地震では、動物救済は官民一体となって比較的スムースに進みましたが、補助犬の避難もマニュアルなしで受け入れられたそうです。地域に知られていた盲導犬は一緒に避難所に入れたそうです。新潟は阪神大震災の後であったことから、避難所にも動物が、特に補助犬ならばという優さしい心遣いがあったのでしょう。
災害時に家族である補助犬は当然のことながら、家庭犬や飼い猫も避難所に一緒に入所できるような社会になって欲しいものです。
滋賀県近江八幡市は盲導犬の避難所での対応マニュアルを作成するそうです。
このような動きが全国的に災害時の動物救済及び補助犬・家庭犬も同伴できる避難所を考えるきっかけになって欲しいですね。(2008/1/16)(LIVING WITH DOGS)
避難所の盲導犬受け入れ態勢
◇日ごろから地域の人と交流を
「盲導犬に対して避難所の受け入れ態勢を整えている市町は、ほとんどない」。盲導犬の使用者らでつくる「びわこハーネスの会」(近江八幡市)が昨年6月に開いた防災講演会。代表の一星末張(いちほしすえはる)さんは、出席者の県職員が漏らしたこの言葉に強い不安を感じた。「盲導犬は生活に欠かせないパートナーなのに、受け入れを拒否され、離ればなれになってしまうのではないか」
使用者の記憶に強く残っているのは、阪神大震災での経験だ。自宅が全壊した富井誠さん(61)=兵庫県芦屋市=も盲導犬「ポニー」(ゴールデンレトリバー、当時6歳)と避難所に身を寄せたが、「こんな大きな犬を連れてきて」と、冷たい視線を浴びた。その日のうちに、ポニーは県外の訓練所に移った。
03年の身体障害者補助犬法の施行以降、公共施設で盲導犬の受け入れが義務付けられたが、今も入場を拒否されるケースは少なくないだけに、使用者の不安は大きい。
同会によると、県内では、大津、彦根、近江八幡、野洲の4市に12頭の盲導犬がいるが、このうち、近江八幡市だけが避難所での対応マニュアルを早ければ来年度中に作成する意向を示している。しかし、他の3市は「具体的な対応は考えていない」というのが現状で、県防災危機管理局も、4市への要請にとどまっている。
一方、他県では、マニュアルがなくても、受け入れがスムーズに進んだケースがある。04年の新潟県中越地震で、「クララ」(ラブラドールレトリバー、雌、当時9歳)と暮らす中村良子さん(59)=同県長岡市小国町=の自宅が半壊した。避難所には、高齢者や幼児を含め一時は約200人が集まっていたが、当時の担当職員はクララと一緒に避難所に入ることを認めた。普段からクララと中村さんの姿を見ていた住民は拍手で歓迎した。クララは全国で初めて避難所に入った盲導犬になった。
「日ごろから多くの人に出会っていたことが、避難所での対応につながった」。中村さんは、そう感じている。「行政が理解しようとすることはもちろん重要。でも、使用者も地域の人が受け入れることができるよう、ペアの姿を多くの人に見せ、交流する努力が必要」と呼びかける。(2008/1/16)(毎日新聞記事より)