北京オリンピック盲導犬は?
北京オリンピック盲導犬は?
信じられない話ですが北京では大型犬の一般家庭での飼育は禁止されているそうです。
以前日本盲導犬協会などが協力して中国にも盲導犬の普及の記事がありましたが、現在たった5頭しか実働していないそうです。
盲導犬への理解もまだ全くと言ってよいほど広まっていません。そんな中でオリンピック、パラリンピックでの盲導犬の扱いについて記事がありました。
なにかと中国の不思議な社会事情の中、北京での盲導犬がユーザーのパートナーとしてしっかり仕事が出来るような社会環境にならないとせっかくの盲導犬も宝の持ち腐れですね。(2008/1/22)(LIVING WITH DOGS)
大型犬禁止の北京、盲導犬歩けぬ…五輪期間中は特例でOK
8月に夏季五輪、9月にパラリンピックが行われる北京市で、視覚障害者の女性が初めて盲導犬を導入したところ、大型犬の飼育を禁じる市の規定のため、活動できない状態が続いている。
中国には現在、視覚障害者が約1200万人いるとされるが、活動中の盲導犬は遼寧省大連市の4頭だけ。
北京五輪組織委員会は「五輪、パラリンピック期間中は認める」としているが、視覚障害者の間からは、規定改正を求める声が強まっている。
◆自宅付近限定◆
女性は、1984年に米国で行われたパラリンピックの走り幅跳びで、金メダルを獲得した平亜麗さん(44)。現在はマッサージ店を経営しているが、ほとんど目が見えず、外出には友人らの付き添いが必要だ。
「人に頼らず、自立した生活がしたい」と決意した平さんは、昨年12月、中国では5頭目となる盲導犬「ラッキー」を大連から借り受け、地元公安当局に飼い犬として登録しようとしたが、拒否された。
北京市の「養犬管理規定」によると、飼い犬の登録が義務づけられ、無登録の犬は没収される。さらに、市中心部では体高35センチを超す犬の飼育は禁じられ、違反すれば5000元(約7万5000円)の罰金が科されることになっている。
公安当局は、ラッキーの没収などの措置は控えているが、平さんは市民の通報を恐れ、自宅や店舗内とその周辺でしか一緒に出歩けない状態という。
◆始まりは06年◆
中国では、視覚障害者の学費免除や起業の際の資金援助など、様々な施策がある。北京市内では、公共施設の段差をなくす工事も急ピッチで進められている。
その一方、盲導犬の導入は遅れ、中国最初の盲導犬養成基地が大連市に開設されたのは2006年5月。現在、上海など他都市でも養成されているが、関係者は「盲導犬はえさ代など費用がかかるため、導入が遅れた。最近は視覚障害者の中にも盲導犬を飼える生活レベルになった人たちが出始めたが、規則整備などはまだ追いついていない」と説明する。
大連市を管轄する遼寧省にも、大型犬の飼育を禁じた規定はある。だが、盲導犬養成基地で訓練を受けた犬は、例外扱いになる。北京市の規定にはこの部分がないため、混乱が生じている。
市では、五輪やパラリンピック期間中は「例外」扱いとしたものの、抜本的な改革について、公安当局は「関連する政策を検討中」とするだけで、内容や時期を明らかにしていない。
平さんは、「中国で盲導犬への理解を深めるためにも、北京で安心して活動できるようにしてほしい」と話している。(2008/1/18)(読売新聞記事より)