動物介在教育を実現する小学校があった
動物介在教育を実現する小学校があった
アニマルセラピーは、動物介在療法ですが、日本ではまだちゃんと導入出来ている施設は僅かではないかと思います。そんな中で、とても嬉しい小学校がありました。
犬が同じ教室にいたり、散歩する。この小学校では、5年間、不登校児童0だそうです。
私立の小学校だから出来たのでしょうが、思い切って導入して下さった教師と学校に感謝ですね。
日本中の小学校にこの動物介在教育を導入して欲しいと思いますが、犬のトレーナーである教師がどれだけ犬について知っているかが要になるので、どんな学校にもと言うわけには行かないとは思いますが、導入できれば良い結果は得られると思うのですが。
動物を慈しむ気持ちを育んだ子供達は、いじめられることもいじめることもないと思います。
日本では、狭い集合住宅で暮らしている為、犬と一緒に暮らせない人達が増えました。今の小学生、中学生の親の世代は特にこの傾向は強いでしょう。
そんな親たちから生まれた子供達は、親が動物を慈しむ教育を受けていないために動物に接する方法を知りません。
一時、すごい勢いで増えた犬・猫とふれあえるというテーマパークでも、子供達はむちゃくちゃな扱いをしていました。ふれあわれる動物にしてみたら虐待にしかならなかったのです。
しっかりした教師が自分の大切にしている愛犬と共に、子供達に動物とふれあう機会を毎日作れることが素晴らしいことなのです。
不登校児童がこれからも0であることを示していただいて、動物を大切にすることがいかに教育上良いことだと証明できたと思うのですが。(2008/2/7)(LIVING WITH DOGS)
「犬と一緒」で不登校ゼロ…立教女学院小
授業中、教室の隅に控える犬のバディ(立教女学院小学校で) 東京都杉並区の私立立教女学院小学校(清水良一校長、児童435人)が、犬と一緒に学校生活を送る「動物介在教育」を導入してから、来年度で6年目を迎える。
一緒に散歩したり、授業中の教室にいたり――。児童にとってかけがえのない“友人”の存在は、この5年間の不登校ゼロにも貢献した。
犬はエアデールテリアのメス5歳で、名前はバディ。「バディウオーカー」と名付けられた6年生の当番が、校内を毎日15分ほど散歩させたり、トイレの世話をしたりしている。バディは生後2か月から同校に通い、今では11頭の子犬を持つお母さんになった。
動物介在教育を導入したのは2003年。全学年の聖書の時間を担当するY教諭(34)が、不登校などの問題を抱える児童のため、動物とのふれあいや、ぬくもりを教えたいと発案した。
きっかけはその前年。閉じこもりがちな児童がいたため、吉田教諭は自宅で飼っていた犬を連れ、児童が飼っている犬と一緒に散歩に行こうと誘った。児童は「犬と一緒なら」と、徐々に学校に来るようになり、卒業までこぎつけた。
この経験を基に、吉田教諭はセミナーに参加したり参考図書を読んだりして、独自に研究を重ねた。多くの児童を相手にするためには、大型で訓練性能が良い犬種がふさわしいと考え、バディを探し当てて自分で飼い始めた。
学校に連れてきた当初こそ、バディが気になって児童が落ち着かないのでは、との懸念もあった。しかしすぐ慣れたばかりか、授業中に騒がしくなると児童たちが「バディが落ち着かないよ」と、自主的に声をかけるようになったという。
「バディがいるおかげで、ほかの学年とも遊ぶことができて楽しい」「一緒に散歩することで、犬の気持ちが分かったような気がする」と児童たちも話す。
教室に行くのが困難になり、不登校となる恐れがある児童に、職員室でバディと一緒に過ごさせたケースもあった。犬とふれあって次第に安心感を覚えるようになり、やがて児童は教室に復帰することができた。
動物介在教育は、犬やネコなどを介在させることで人の心を癒やす「アニマル・セラピー」の考え方が基本にある。さらに、動物とのかかわりの中で「命」をテーマにした授業も行う。
吉田教諭はこれに加えて動物、特に人間と長い歴史を共有してきた犬に受け入れられる体験が持つ意味に注目。必要とされていると思うことで、子供たちが自分自身を肯定的にとらえる「自己肯定観」が高まる効果も期待できる、と指摘している。(2008/2/7)(読売新聞記事より)