動物孤児院 (44)週刊誌、新聞のパワー

週刊誌、新聞のパワー

 週刊誌「女性セブン」に感謝

先週号の「女性セブン」という週刊誌に犬猫の「殺処分」が大きく取り上げられているとのことで、東京の知人からその記事のコピーが送られてきました。55万部も発行していると知って、「ありがとうございます、女性セブンの編集部のみなさま」。礼状を書かなくては。
殺処分のことをなるべく多くの人に知ってもらうチャンスです。
「んまーっ、何てことが行われているのだろう!」と、歯医者さんの待合室で、或いは美容院で、或いは飛行機の中で(機内誌として置いている航空会社があります)、一人でも多くの人が気づいてくれますように…。
「こんなことなら、ペットショップで犬を買うより、管理センターで引き取ろう」という人が一人でも多くなりますように。
それにしても、殺される犬猫たちの写真を見るのは辛いです。もうこの世にいない彼ら。ガス室で苦しむ時間ができるだけ少なかったことを願います。そして、再び犬として生まれてくるのなら、殺処分のないドイツに生まれてきますように。

 新聞のおかげで「ご主人様」見つかる

「女性セブン」の記事を読んだ後、地元(ドイツ)の新聞を開いたら、黒いブルテリア・ミックスの大きな写真が目に飛び込んできました。毎週土曜日、この新聞社はファミリー募集中の犬猫を紹介するのですが、そこで紹介される犬猫は引き取り手が見つかりにくい悪条件のケースです。つまり、10歳以上、慢性病持ち、犬なら大型犬か、闘犬種。
その黒いブルテリアは「ガロ」とホームで名づけられました。推定10歳。石のような硬い物を噛み続けたらしく、歯が折れてしまっています。ガロは昨年11月の寒い雨の夜、動物ホームの玄関につないであったのだそうです。重病の犬が動物ホームの玄関先に置き去りにされていたり、猫を入れたカートンが動物ホームのゴミ置き場の後ろに置いてあったりしたことも。引き取りは有料だと誤解している人がいるらしいので、「動物ホームでは無料で引き取りますから、絶対に置き去りにしないで」と紙上で注意しています。

 2、3ヶ月前に紙上で紹介された犬2頭(いずれも闘犬種)のうち、6年間も動物ホームで過ごしたスタフォードシャーテリア・ミックスの「スパイク」は、ある馬場に引き取られました。その人は新聞の記事を見て、動物ホームに通い、何度もスパイクを散歩に連れ出しました。そうやって人と犬の関係を固めたうえで引き取れば、「やっぱり飼えない」という問題は少なくなるでしょう。誰も引き取る人がいなければ、スパイクはこのまま動物ホームで余生を送る運命だろうとスタッフの人たちは心配していたので、大喜びしたそうです。実は私も新聞で「スパイク」の写真を見て、こんな悪条件の犬(大型で、しかも闘犬種)を引き取る人が本当に現れるのだろうかと気になり、何度もサイト(www.tierheim-wiesbaden.de)を覗いていたのです。

 もう一頭のスタフォードシャーテリアは雌で、「ロンリー」という名前をもらいました。森で木につながれていたところをジョギング中の人が見つけたのです。
ロンリーにも会いに来る人が現れました。このところ頻繁に来ては散歩に連れ出しているそうで、まだ「お見合い」の段階ですが、スタッフの人たちはうまくいくよう祈っているそうです。(私も祈っています!)

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