フォスターファミリー体験記 – Ruby(2)

フォスターファミリー体験記 – Ruby(2) 

保護犬を飼っていて一番興味深いことは、それぞれの仔の性格がだんだんに見えてくること、別の言い方をすると、殻の中に閉じこもっていたその仔の本性が慣れるにつれて表に現れてくることだと思います。Rubyの場合も例外ではありません。

Rubyの第一印象は、遠慮がちで少しオドオドしていて年齢の割には老けて見えました。ところがわずかこの数日で、やっぱりパピーだったんだ!と思えるほど、硬く結んでいた蕾が日に日に開いてくるのを見るのがとても嬉しいのです。

まず第一日目から私に対してだけはある程度心を開いてくれました。床に座ると甘えて身体を摺り寄せてきて、ゴロンとまだおっぱいの膨らんだお腹を見せて、甘噛みというほどではありませんが、私の手を柔らかく噛むしぐさをしてくれました。またHollyとNoahに対してもだんだんに自分の肩をぶつけたり、あるいは前肢でぶつまねをして遊ぼうと誘ってくるようになりました。今日はぬいぐるみを一人で空中に投げては飛び上がって取るという遊びも発明(?)したようです。とにかく活発で、好奇心旺盛なパピーらしい面が見えてきてほっとしています。

またオーストラリアンキャトルドッグという犬種の特徴を発見するのも面白いことです。4年前に亡くしたRoxyもオーストラリアンキャトルドッグ(またの名をブルーヒーラー)の血を引いていたので、Roxyとも共通したところがいろいろ見えてきました。

まずは跳躍力の素晴らしさ。50センチほどあるデッキと地面の間をほぼ垂直に乗ったり降りたりできるのです。身体は小さめですがとても頑丈で野性的な容姿です。ボーダーコリーのようなしなやかさはなく動きが敏捷でダイナミックな感じです。次にHeelerの名にふさわしく、NoahやHollyの踵に噛み付こう(Nip)としながら追いかけます。この習性のために、オーストラリアンキャトルドッグなどのHerding Dogは12歳以下の子供のいる家には里子に出さないことにしています。HollyとNoahは同じHerding Dogでも牧羊犬なので、キャトルドッグのように大きな牛の踵を噛んだりするのではなく、羊たちを睨みつけたり後ろを走り回ったりして群を集める習性がありますが、これも個々の犬の性格や躾けの仕方にも大きく影響されると思います。しかしシェルターでは事故を未然に防ぐためと、新しい家庭で幸せになれるようにとの願いのもと、小さな子供のいる家には譲らないことになっています。

Rubyは本当に世話の焼けないお利口さんです。まずいままでに気付いた良いところをあげてみると、

1) 散歩はリードを全く引っ張らず、数歩あるくごとにまるでヒールウィークをするときのように私の顔を見上げてくれます。その都度「いい仔だね」と(本当は英語で躾けないとダメなのですがついこうなってしまう)声をかけています。(笑)

2) 他の犬に対して攻撃的ではない。(しかしこれはゴールデンリトリーバーのようにフレンドリーという意味ではありません)

3) うるさく吠えない。ただし番犬としての素質が高いため、物音には反応して吠えますが、Hollyのような要求吠えはしません。

4) 私達の食事中に食べ物をねだらない。

5) 家具や靴を齧らない。人間の手にも甘噛みをしない。

6) ほとんど飛びつかない。

数えればもっともっと出てきそうですが、さて今度は少し困ったところをあげてみると、

1) オシッコとウンチを家の中でしてしまう。ウンチは2回とも2階(しゃれではなく)でしてしまったのですが、Noahもしばらく「2階は外」と思っていたので、まあ仕方ないかも? オシッコのほうは、とにかく飲む水の量が多く、これは授乳していたことと関係があるかもしれないので、しばらくは頻繁に外に出すよう気をつけるつもりです。

2) 今日の散歩で見知らぬ人が前方から歩いて来たときに低い声で唸ってしまった。私が“It’s OK”と言ったら黙ったので、今後もなるべくいろいろ人に出会わせて慣らせるようにするつもりです。

3) スケートボードはともかく傍を車が通っても怯えないように、これも慣らしていかなければなりません。

でもこれらは毎日の生活の中から習慣づけたり、徐々に慣らしていけるものなので心配していません。けれど犬種のもつ習性については、そう簡単に変えることは難しいと思うのでそれをすべて理解してくれる飼い主さんのところに行って欲しいと思っています。

このようなRuby自身の性格や肉体的な特徴を発見する楽しみに加えて、3匹の間の力関係なども見逃せません。これについてはまた後日ご報告したいと思います。(2008/2/14)(Holly&Noahのママ)

Rubyのサイト    Hollyをアダプトするまで    Noahをアダプトするまで

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