フォスターファミリー体験記 – Ruby(3)
フォスターファミリー体験記 – Ruby(3)
早いものでRubyがうちにやって来て一週間が経ちました。
すっかり我が家が気に入ってくれたようです。私が週日会社に行くのも(水)ごろからはちゃんと分かってくれて、おとなしく見送ってくれます。そして帰宅したときはHollyとNoahと一緒に大歓迎してくれています。
前回にも書いたようにRubyはオーストラリアンキャトルドッグというかなり気の強い、そして肉体的にも頑丈な犬種ですから、Noahが怯えて攻撃的になるのではと心配していたのですが、どうやら今のところは均衡が保たれているようです。Rubyはまだパピーのせいか遊び好きで、しょっちゅうNoahに「遊ぼ!遊ぼ!」と誘いをかけています。Hollyは最初からRubyのこの誘いを相手にしなかったので、なぜかNoahだけがRubyの熱烈なお誘いを受ける羽目になってしまいました。そしてHollyもNoahにちょっかいを出すのが好きなものですから、Noahはいつも2匹を相手にということになってしまいます。そういう時はHollyが顔のほうから攻めて、RubyがHeelerの名前に負けじと後肢を噛みます。もちろん3匹とも噛み加減をちゃんと分かっていますから、大きな唸り声の割には遊びの範囲内で楽しんでいるようです。なぜか私が見ていると余計派手にパフォーマンスしたくなるようで(HollyとNoahだけのときもそうでしたが)3匹ともかなり興奮してしまうことがあります。そんなときは、「Hey!」とか「ちょっと待った!」とか「ご飯にしようか」とか何でもいいから大きな声を出すと、3匹ともピタッとおとなしくなります。こうやって私が時々コントロールすることにより、犬同士の関係よりも私とそれぞれの犬との関係を強化することができます。コントロールといえば、たとえ3匹に一本ずつ骨を与えても、私はときどき取り上げて順番に回しています。Rubyも骨やご飯を取り上げられることに対し、唸ったり吠えたりすることなくとても従順です。Barry Eatonの「“D”は…..Dogの“D”」 にも書いてあったように、犬は何か自分の所有物と思っているものを取りあげられることを恐れて攻撃的になってしまうことがあるので、Rubyにもこのように取ったり返したりの繰り返しで取られることを恐れないように躾けています。
Rubyはとても賢い犬だと思います。「お座り」は2日目でマスターしました。もちろんHollyとNoahという先輩がいることが大きな助けになっています。NoahもHollyの動作を見て、まねして、覚えたように、Rubyも2匹に囲まれて「ステイ」を習い、2匹の後を追いかけておもちゃをとってくるゲームを覚えてしまいました。まだ私の手元まで持って来ずに自分で遊び始めてしまうこともたびたびですが。
また庭に出した後、家の中に入るときに手足をタオルで拭いているのですが、Rubyは最初手足を触られるのを嫌がりました。でもHollyとNoahが何の文句も言わずになされるままになっているのを見て、彼女も安心して拭かせてくれるようになりました。今夜は歯磨きにも挑戦しました。
ところが先住犬から習うことはいいことばかりではありません。Hollyはうちに来たばかりのころはリードを全く引っ張りませんでしたが、リス大好きのMaxと一緒に歩くうちにMaxの引っ張り癖がうつってしまいました。今でこそトレーニングのおかげで引っ張らなくなりましたが、Rubyに悪い癖をつけたくありません。里親になってくださる方に「とってもいい仔なんですよ!」と胸を張って言いたいのです。
同様の理由から、HollyとNoahにはベッドに乗ることを許していますが、Rubyには許していません。一旦うちでOKしてしまうと里親さんのお宅でそれを禁じるのが難しくなると思うからです。それぞれに家にその家の規則とアクセスを許す境界線があると「パックルールよ、安らかに眠れ」の中でBarry Eatonも言っていましたっけ。うちでは境界線はないに等しいですけれど。(苦笑)
さて3匹の関係ですが、それぞれの性格の違いや関心事の違いによってついたり離れたり、見ていて飽きることがありません。Hollyはとても独立心が強く、食べ物に対する執着が激しい割りには、おもちゃなどをRubyに横取りされても文句は言いません。Noahは自分が何かに集中しているときにRubyに邪魔されると怒ります。Rubyはというと、トリートよりも遊びのほうが好き。走ることも大好き。走っているNoahを追いかけるのはもっと好き!たぶん彼女にとって今が一番楽しい時期ではないでしょうか。
実は今回初めてフォスターファミリーを経験し、私はRubyに対して少し複雑な気持ちを持ち始めています。うちの仔同様に可愛がってあげたい気持ちと、そうすることでRubyがうちを大好きになってしまったら本当の里親さんになつくのに時間がかかってしまうかもしれない。私は自分の気持ちを抑えることができるけれど、Rubyがこの家を出るのを嫌がるかもしれない。それは果たしてこの仔にとっていいことなのだろうか。願わくば、うちの生活にあまり慣れすぎないうちにForever Homeを見つけてあげたい。主人も子供達も、そしてBarry Eatonでさえも「ママはきっとRubyを手放せなくなるよ」と考えているようですが、私はRubyのためにも、またこの先うちにやって来る仔達のためにもこのハードルは乗り越えなければと肝に銘じています。
今日OFOSAのSherlyから電話があり、この週末にRubyをPetco(ペットショップの名前)でのAdoption Outreach(里親探し活動) に出すということに決まりました。まだ避妊手術を受けていないので正式に譲渡するのはまだ先の話になりますが。
次回は私がフォスターファミリーとして登録したOFOSA(Oregon Friends of Shelter Animals)について、そして週末のAdoption Outreachについて報告する予定です。(2008/2/16)(Holly&Noahのママ)