残念な犬のトイレ
残念な犬のトイレ
11年も前から奈良県の生駒市では町中にペットトイレと言うゴミ箱が設置されていたそうだ。ところが、費用がかかる、蓋を開けると臭いがすごい、犬を飼っていない人からは「飼い主だけが利用するトイレを市の税金で賄うのはおかしい」と不満の声があり、3月末日で撤去することになったそうだ。
英国やカナダにはパーク内に犬の糞用のゴミ箱が設置されいますが、日本中、行政で犬用のトイレを町中に置いている市は少ない状況です。
日本の犬社会に先鞭をきっての犬のトイレでしたのに撤去とは残念でなりません。
一般税から維持費を出しているので、犬飼でない人は文句を言うのでしょうけど、犬の登録費から充当したら問題はないと思うのですが、登録費は目的税になっていません。それこそ犬の飼い主が納めている登録税は犬の為に使われていることはないのですが。
もしも、これまで通りに糞を回収してくれるのであれば、犬の飼い主さん達は、登録税以外にも税金を納めても良いと思っていると思うのですが。
せっかくのペットトイレですから、即撤去ではなく、残す方向性を考えて欲しいものです。
このペットトイレがあるおかげで、生駒市の犬の飼い主のマナーは高く、道路の放置糞は少なくなっていると思うのですが。いかがでしょうか?(2008/3/4)(LIVING WITH DOGS)
消えるペットトイレ 奈良・生駒市、3月末廃止へ
愛犬のフンの処理に困った飼い主用に、奈良県生駒市が11年前から街中に設置していた全国でも数少ない「ペットトイレ」が3月末で撤廃されることになった。利用者の評判は上々で「フン害」対策にも効果を上げたが、「高い維持費を税金で賄うのはどうか」「周囲ににおいがたちこめる」と、愛犬家以外に不評が広がった。市は「今後は飼い主の責任で」と理解を求めていく構えだ。
生駒市内の公園。散歩時の夕方になると、「必ずフタをしめよう ペットのフン専用」と書かれた高さ90センチ、直径50センチほどのペットトイレに、犬を連れた飼い主が次々にフンを捨てていく。ふたを開けるとフンがびっしり。においが鼻をつく。
生駒市は大阪府の東大阪市や交野市などと接し、大阪市内にも電車で20〜30分で通勤できるベッドタウン。人口増加に伴い、路上に放置される犬のフンへの苦情が続き、市は犬の「公衆便所」として97年にトイレを設置した。今では市役所前や公園など計29カ所に置かれ、06年度に捨てられた量は約47トン。市内で登録されている犬の3分の1以上にあたる2326頭分のフンが処理された計算になるという。
ところが、大阪府の業者に委託する週2回の回収費などで毎年度約680万円もかかるうえ、ふたが開けっ放しにされてにおいが周囲の住宅地にたちこめることも。トイレは高価な特殊プラスチック製(1基13万円)で、こわれても交換は容易ではなかった。
市が主催したタウンミーティングや市長あてのメールなどで廃止を求める声が相次いだため、市は昨年末、今年3月いっぱいで全廃することを決めた。犬を飼っていない市内の男性は「飼い主だけが利用するトイレを市の税金で賄うのはおかしい」と不満をあらわにする。
一方、愛犬家は「撤廃は残念」と口をそろえる。週に1回は利用するという主婦(50)は「トイレのおかげでここ数年は路上に放置されるフンが減った。有料になってもいいからもっと多くのトイレを置いてほしい」と訴える。別の主婦(60)は「フンを自宅に持ち帰っても一緒に土や草が付いていると水洗トイレに流せない。普通ゴミで出すしかない」。
市の奥田和久・環境整備係長は「市民の間にいろんな意見があるのは知っているが、財政状況が厳しくなる中で撤廃を決めた。今後フンの処理は飼い主の責任でお願いしたい」と話す。市は1月下旬から犬の特性やしつけ方を獣医師らが飼い主に指導するワンワンアドバイザー制度を始めた。
ペットトイレの設置は、ペットブームを背景に90年代半ばから大阪府羽曳野市などでも始まった。同市は最高で約100カ所に設置したが、税金の公平性などを理由に5年ほど前に撤廃している。
一方、00年から始めた群馬県旧水上町(現みなかみ町)は、産業廃棄物だったプラスチック製の樽(たる)を再利用し、枯れ葉や木のチップと一緒に犬のフンを混ぜてにおいを消すトイレを製作。21基あるフンの回収は町が担当しているため委託費はかからず、フンは発酵させて公園や道路脇に植える花の肥料にしている。
日本動物愛護協会(本部・東京)の会田保彦事務局長(64)は「街の美化に効果があり、トイレの存在自体が市のPRになるはずだ」と話す。
一方、処理は飼い主の責任という立場から、フンを持ち帰らない飼い主に罰則を科す条例をつくる自治体も少なくない。苦情が年間約千件あった大阪府東大阪市は昨年10月に条例を施行。回収の指導に応じない場合、5万円以下の過料を科す。ただ、これまでに適用例はないという。 (2008/3/3)(asahi.com記事より)