動物医療の現場で共通理解を持つ?

動物医療の現場で共通理解を持つ?

日本における獣医学は驚くほどの進歩ですが、ではすべての獣医師が同じレベルかと言うとはなはだ寂しい状況です。東京は獣医師の選択も幅がありますが、地方都市では失礼ながらピンからキリまで、満足できる獣医さんに出会えればラッキーという感じでしょう。
わが家は、東京では様々な動物病院で愛犬・愛猫の治療をしていただきましたが、同じ病気でも、動物病院毎に治療法は異なることもあり、この病状はこの先生、これだったらあの先生と、4軒の獣医さんを時と場合で選択していました。緊急時の対応の獣医師を含めてですが。

また避妊手術・去勢手術のインフォームドコンセントのあり方など、獣医師毎に違っていては、患者側が迷うばかりでしょう。

と言うのはなぜかというとつい最近まで、獣医師になるには。
獣医大学では産業動物、馬、牛、豚などの治療を勉強します。犬や猫の治療は、主に獣医大学を卒業後、開業獣医師の元でインターンとして、院長に教えてもらいながら犬や猫の病気治療を習得していきます。間違った知識を院長が持っていたら、そこで修行した獣医師もそのまま間違った知識のままと言うことになりかねません。
今は、インターネットでの情報収集も出来ますので、意欲的な獣医師であれば共通理解を得る機会はありますけど。
さて、そんな動物医療の現状で、甲府のノア動物病院では、獣医師の共通理解を高めるために日本動物医療コンシェルジュ協会という組織を作ったそうです。

コンシェルジュというと、ホテルのロビーにいる「よろず相談承り係」という意味ですが、「どこそこに行きたいけど行く方法は?」とか「オススメの美味しいレストランは?」という質問に答えてくれるのがコンシェルジュです。


しかし、これまで共通理解と思っていたことが、ほんとは共通理解がなかったと言うこと自体がおかしな話です。当たり前のことを当たり前に共通理解として持つことが必用ですよね。
是非、日本中の獣医さんが共通理解を持って患者にインフォームドコンセントをしていただきたいですね。
ノア動物病院の林院長は「多くの人が受講することでペットの暮らす環境が良くなる」と参加を呼び掛けているそうです。

どんな獣医さんでも「犬や猫のこと」で、飼い主さんからどんな質問をされても、基礎的な部分は共通の答えがあることは安心出来ますよね。(2008/4/4)(LIVING WITH DOGS)


動物医療:甲府・ノア病院院長ら、協会を設立 コンシェルジュ認定 /山梨

☆五つの資格三つ以上取得で
犬や猫などペットに関する共通理解を高めようと、ノア動物病院(甲府市)の林文明院長(45)が中心となり、日本動物医療コンシェルジュ協会(本部・同市)を設立した。五つの資格を設け、三つ以上を取得すると「動物医療コンシェルジュ」に認定する。理事長を務める林院長は「甲府発の活動を全国に広げていきたい」と意気込んでいる。

ペットの知識は病院間などで大きな違いがあるとして、林院長らが2月、ペットに関する資格を作って共通認識を高めようと設立した。

林院長によると、犬や猫は避妊手術しないと乳がんになる確率が高くなるが、「出産を経験すれば乳がんにならない」という“迷信”を患者に伝える動物病院もあるという。ブドウを犬や猫に食べさせると腎臓に障害が出る危険性が高いなど、飼い主が知らないことも多い。山梨はペットを夜間も放し飼いにする飼い主が多く、都心に比べて悪いマナー改善にも取り組む考え。

資格は
▽ペットフードアドバイザー(栄養学など)
▽ペットヘルスケアカウンセラー(ペットの選び方など)
など五つで、講座受講と試験合格でそれぞれ認定。ペットヘルスケアカウンセラーを含む三つ以上の認定者をコンシェルジュとする。

3年後に認定者数を延べ5000人に増やし、最終的にはすべての獣医師や動物看護士・師らに資格取得してもらうのが目標。

林院長は「多くの人が受講することでペットの暮らす環境が良くなる」と参加を呼び掛けている。
甲府市の県立青少年センターで11、12の両日、ペットフードアドバイザー講座(初級)を初開催。問い合わせは同協会(電話055-233-4126)。(2008/4/4)(毎日新聞記事より)

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