フォスターファミリー体験記 – Pet Fair

フォスターファミリー体験記 – Pet Fair

今日と明日ポートランドではPet Fairが開かれています。ペットグッズやペットフードなどのブースに混じり、OFOSAを初めとするレスキュー団体も里親募集会を大々的に行っています。ペットをアダプトしようと考えている人や家族にとっては絶好のチャンスでもあります。

OFOSAでも何週間も前から、いつもより多くの犬や猫をシェルターから集めてきてフォスターファミリー達に「頑張ってもう一匹どうでしょうか」と声をかけてきました。うちは手のかかるMistyがいたため今回は辞退してしまいましたが、今日のPet Fairを一日手伝ってみてその意味が分かりました。

朝7時半OFOSA(Oregon Friends of Shelter Animals) の会長宅にMistyを連れていき、副会長のCathyと一緒に7匹のパピーと6匹の猫を乗せExpo Centerに向かいました。Cathyは今朝は4時半起きだそうです。車を発進するやいなや、他のスタッフからの電話がひっきりなしにかかります。嘔吐と下痢を繰り返している猫の処置の指示、途中のガソリンスタンドでフォスターファミリーから猫を預かる段取り、今日の会場の最終準備の打ち合わせ、など。助手席の私は携帯片手に運転しつつ、かつコーヒーもときどき飲むCathyの運転にヒヤヒヤ。おまけに後のケージに入っているパピー達がキャンキャンと泣き喚き、そうかと思えば猫のケージからなにやら臭い匂いが漂ってきたり。本当にCathyたちOFOSAのメインスタッフの苦労には頭が下がりました。昨日(金)には会場のブースの準備に奔走していたそうです。

今朝のポートランドは4月半ばすぎとは思えないほどの寒さと曇り空。でもこういう天気のほうがこの種のイベントには人が入るとのことでCathyは喜んでいました。週末の早朝とあってフリーウェイはがらがらです。会場に着くと借りておいたU-Haul(レンタルトラック)の中から台車を二台だして犬と猫のクレートを積み上げていきます。ブースにはすでにアダプション用の犬や猫を入れるケージができており、他のフォスターファミリーからも運ばれてきたパピー達はサークルに、犬や猫達はそれぞれのケージに納まりました。Misty用のケージも準備してあります。

9時半からの開場を待って大勢の人たちが飼い犬を連れてやってきました。超大型犬のピレネーマウンテンドッグやグレートデーンに混じり、ロットワイラーや秋田犬、ゴールデンリトリーバー、ピットブルなどが目立ちます。一日中会場にいて一番驚いたのが、どの犬もとてもフレンドリーでけんかを一度も目にしなかったことです。

会場には、大きなプールが設置されており、水の好きなリトリーバー系の犬達が投げたボールを取りに飛び込んでいます。

またオーストラリアンシェパードやボーダーコリーのようなHerding Dogを使って、羊の群(といってもたったの3匹でしたが)を集めるデモンストレーションもやっていました。12ドルで自分の犬のHerding本能をテストしてくれるそうですから、明日にでもHollyを連れてこようかと思いました。

3匹のボーダーコリーを使いフリスビーのデモンストレーションもしていました。更にアジリティーの小さなコースもできています。

私の今日の仕事は、ケージに入れられた犬達を代わる代わる外に連れ出してあげることと、犬達をケージから出して説明すること、特にMistyとSophieに興味を持ってくれた人たちにはフォスターママとして知っている限りのことを伝えることでした。よいところはもちろん困ったところもきちんと知らせておくことが大切です。過剰評価して後でこんなはずではなかったと思われても困りますから。

さて、肝心のアダプションですが、それぞれのシェルターのブースで多数の犬猫がアダプションが行われ、OFOSAではパピー5匹、成犬8匹の計13匹が今日一日でアダプトされました。これだけで3000ドル近い収入です。OFOSAのVetからの請求書が10,000ドルと聞いていましたから、これはOFOSAにとって大きな収入源です。ですから来年からは頑張ってPet Fairの前にはもう一匹預かろうと決心しました。Cathyはいつもシェルターに行くと、安楽死用の犬のリストを見せてもらうそうです。そしてその中から里親募集に出せそうな犬を引き取ってくるのです。OFOSAではアダプション料として一匹あたり200ドル(パピーは250ドル)寄付してもらい、それを資金にまた新たにシェルターの犬達を引き取り、去勢・避妊手術を施しフォスターファミリーの協力を得てアダプションに出すということを繰り返しているのです。200ドルには去勢・避妊手術料とマイクロチップ料、初回のVet訪問料の他にPetcoのクーポンブックやトレーニングビデオのCDなどが含まれます。

そして、今日アダプトされた8匹の成犬の中になんとうちのMistyと、時々お泊りに来ていたSophieも入っていたのです!Mistyは6週間近く経って、やっと素晴らしい飼い主にめぐりあえました。

Mistyがなかなかアダプトされなかった大きな理由として、
1) 小さい子供のいないこと(Herding Dogなため走り回る子供を追い回す可能性がある)
2) 猫を飼っていないこと (猫を追いかける本能が強いのでうちでも困っていた)
3) できれば他の犬もいなくて一人っ仔になれること(とにかく愛情に飢えていていつも「いい仔いい仔」して欲しい)

という難しい条件があったからなのです。そして今日Mistyをとても気に入ってもらってくれたのは、20代後半の若いカップルでした。みごと上記の条件にかなうだけでなく、男性のほうは子供の頃、お父さんがとてもよく躾けていたオーストラリアンシェパードを飼っていたそうです。その犬に伏せをさせマテをかけてから何百フィートも離れたところまで歩いて行って呼ぶとすっ飛んできたそうです。それを見て育った彼は、自分もそのようにMistyをしっかり躾け、一緒にアウトドアライフを楽しみたいと話してくれました。彼女のほうが書類に記入している間に、彼にMistyと会場を一回りしてきてもらいました。「ちゃんと歩く訓練もしてくれたんですね。引っ張らずに、僕が止まるとMistyも止まるんですよ。」と言ってくれました。本当はMistyはうちではあんまり思うように訓練ができませんでした。お座りだけはマスターしましたが、とにかく私のそばにくっついていたいMistyはマテが苦手で、ずるずるとにじり寄ってきてしまうのです。でもこの彼なら辛抱強く訓練してくれることでしょう。若いのに話し方もしっかりしてとても感じのよいカップルでした。Mistyのマイクロチップがまだだったので、Cathyがその場でマイクロチップを注射器のようなもので挿入してくれました。Mistyはキャンと一声啼きましたが、あっという間のできごとでした。

ところでMistyの仲良しSophieのほうですが、こちらもまたまたピッタリの人にアダプトされました。実はSophieは2週間前の週末に一度アダプトされたのですが、もどされてしまったのです。そのカップルには私もPetcoで会い好感をもっていました。でもそのときもSophieは男性のほうにちょっと怯えていました。とても優しい感じの人でしたが、Sophieのフォスターママいわく、Sophieは男性が苦手だそうです。そのカップルがSophieをとても気に入り、家に連れ帰って様子をみましたが、やはり男性のほうに怖がって吠えてしまったので、返されてしまったといういきさつがあるのです。Hollyだってうちに来た当初は主人に吠えていましたから一週間ぐらい時間をくれればよかったのですが、当人達にとってはやはり最初からなついてくれる仔が欲しかったのかもしれません。

そんなわけで、Sophieには女性の飼い主がいいなと思っていたら、なんと2歳のゴールデンリトリーバーのために遊び相手を探している一人暮らしの中年の女性のところに貰われていきました。彼女はご主人がこのGRを彼女にプレゼントしてくれてまもなく亡くなってしまったそうです。それでこのGRと一緒にベッドで寝ているそうで、Sophieももちろん一緒に寝れるほど大きなベッドだそうです。お庭も広くフェンスで囲まれており、申し分ありません。最初Mistyを気に入ってくれたのですが、猫が3匹もいるのでMistyは失格。Sophieなら今もフォスターファミリーのところで猫とも一緒に暮らしているのでぴったりです。

そんなわけで、待った甲斐あってMistyもSophieもそれぞれ最適な飼い主を見つけることができました。今回Mistyの里親探しに手こずっていたのを知っているスタッフたちは、涙を隠さない私をハグして、「やったね!」と一緒に喜んでくれました。今回の涙はMistyと別れる寂しさに加え、Mistyが幸せになれる嬉しさと、頑張っていい飼い主を探すことができたという達成感の入り混じった、複雑な涙でした。みんなこの気持ちのせいでフォスターが病みつきになってしまうのでしょうか。(2008/4/21)(Holly&Noahのママ)

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