テレビ朝日番組「素敵な宇宙船地球号」内容と感想

テレビ朝日番組「素敵な宇宙船地球号」

本日5月4日(日)23:00テレビ朝日「素敵な宇宙船地球号」で「ペットブームの光りと影VOL4」が放送されます。
無理な交配により障害を持った犬の問題も取り上げ、日本動物遺伝病ネットワークが取材されたそうです。(2008/5/4)(LIVING WITH DOGS)


「ペットブームの光と影 Vol.4」 「出現!ハイブリッド猫の秘密」の内容

新種のペットを求める人が多いという。野生に近い種を作ろうとアメリカのあるブリーダーは猫の新種を作った。ハイブリッド・キャット(アシェラ)という野生猫と家猫をかけ合わせかなり大型の猫である。確かに美しい猫である。

ハイブリッド・キャット(アシェラ)を生み出した会社の社長は、アシェラを飼う事はプラダやグッチのバックを持つ事と同じて飼い主に優越感を与える、と語り実際オーナーになった人も他の人から珍しい猫と話しかけられることに、ステイタスを感じると誇らしげに答えた。

日本では、あるペットショップが取材され、チワックスやシュナプーなど、異種間ブリードのMIX犬を売っている場面があった。MIX犬の飼い主がインタビューされていた。「犬種は何ですか?」と聞かれる事に、他にはいない犬であることで嬉しいと言うようなことを言っていた。

アメリカでは、オオカミとシェパードやハスキーなどをかけたウルフドッグが一時はやり、予告なく突然飼い主が襲われるという事故が数件起きたそうだ。そのため、ウルフドッグは危険犬種と指定された。
アメリカのアシェラのブリーダーはウルフドッグの影響で、「アシェラも危険な動物と指定」され、さも迷惑という感じで話していた。
アシェラもアメリカの州によっては飼育禁止の条例が成立されているという。

番組内の先のハイブリッド・キャットの飼い主は2頭目のアシェラであった。1頭目のアシェラは人になれず、近寄るとおびえて、野生そのものの容姿を持って歯を向くような状態である。そして、近くこの一頭目のアシュラはフリーダーに返却されるという。
実際、個体に問題が合った場合は一年間は返却出来るシステムになっているとアシェラのブリーダーもコメントしている。

今、このブリーダーはアレルギーのない犬を作ろうとしている。


(LIVING WITH DOGSの感想)

人は確かに古来から犬や猫を改良して新しい種を作ってきた。狩猟犬、闘犬など、ニーズにあった犬種を作ってきたことは確かである。では現在はというと、犬や猫は家庭でペットとして飼われ、人のパートナーとして暮らしている。

野生に近い犬種を求める人はいても、現在それを作ることに倫理観は必要ないのであろうか?

ウルフドッグもハイブリッド・キャットも身勝手な人の作った産物でしかない。

私はハイブリッド・キャットを作ったブリーダーは、まるで悪の商人のように見えたが。
人と共存するには、不向きだった性質を遺伝した一頭のアシェラ、この個体は今後ブリードに使われる事はないだろう。ならこのアシェラはブリーダーの元に戻り生きる道はあるのだろうか? 番組ではそこの所は明らかにされていなかった。
そもそも、野生のネコ科動物と家猫が自然交配したのだろうか? 推測の渦中だが人工授精されたのでは?。
ここで人工授精について議論する気はないが、少なくとも野性味を求めて作られたハイブリッド猫への人として倫理を考えさせられる番組であった。
野性味を求める気持ちも全く理解出来ない訳ではない、しかし、野生動物は自然界にいる野生そのものだから、美しいのではないだろうか?

そして、MIX犬を販売している日本のペットショップはアメリカのMIX市場を真似ているだけである。アメリカでは、このようなMIX犬がもてはやされ、そして殺処分される犬達も多いのである。

最近、本サイトでコラムを書いてくれていてJAHD(日本動物遺伝病ネットワーク)のスタッフでもある友納氏は、JAHDとしての正式コメントではないが、前置きをした上で、長き歴史の中で犬種として確立している犬に起きる遺伝性疾患と今回のハイブリッドの問題点は異なるという。

一例だが、人の素晴らしいパートナーとして確立しているレトリバー種に多い股関節形成不全という遺伝性疾患、と安易に求めた野生動物の美しい容姿、反面、家庭動物として共存には不向きな気質を産む可能性があるブリードを、同一ラインで語るべきではないの見解だった。番組の中では、時間的制限もあり視聴者に誤解を与えたのではないかと懸念している。(2008/5/5)(LIVING WITH DOGS)

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