悪質獣医とモンスター飼い主
悪質獣医とモンスター飼い主
5月末に、詐欺的な医療過誤の獣医師が医師法第8条第2項の規程に基づく獣医師が業務停止3年と農林水産省から処分された。
たくさんの飼い主さんが被害に合っているそうだ。
なぜこのような動物病院が3年の業務停止だけなのかは不可解である。詐欺行為があるとのことであれば獣医師免許剥奪が相応と思うのだが。
それにしても、どうしてたくさんの飼い主が、このような動物病院に行ってしまったのかとっても不思議である。
地元で散歩仲間から、近隣の動物病院の噂を聞くことは、飼い主としては当然のことなのに、今時はお散歩仲間からの情報収集はないのだろうか?
わが家は引っ越して来た土地では、まずは地元の飼い主さん数人に情報を聞き、数件の動物病院に行ってみて、最終的に信頼できる?という動物病院に決める。また病状や症状によって動物病院を使い分けることもする。これまでも獣医師を選ぶ上で一番大切なことは、多くの飼い主の意見や噂を聞くことであると経験的に感じている。
そんな悪質な獣医がいるかと思えば、今日のTVで興味深い話題があった。
急に具合が悪くなったと言って連れてきて、かなり症状は進み、どうにかしてくれということで手術をするが、亡くなり。亡くなったのは獣医の責任と訴える飼い主。
暴力的な飼い主。元気がないんだけどと診察した結果、足の腱が切れているので手術しましょうと言うと、可愛くなくなるからと帰ってしまう飼い主、診療費を踏み倒す飼い主、初めて犬を飼うからと言って何でも質問してくる飼い主、等々。
小学校の教師が恐れているモンスターペアレンツをもじって、モンター飼い主と命名し、あきれかえった飼い主によって迷惑している獣医さんがいるという話題であった。
まあ、この手の飼い主は昔からたくさんいて、今だからと言う話しでもないけど、流行語のモンスターをつけることで話題にしているだけであろう。
モンスター飼い主と愛犬を守るために言いたいことを言う飼い主を同列にしてはならないと思うのだがいかがだろう。
基本的に獣医師は、病院をあちこちと変わって、ハシゴする飼い主を嫌う傾向がある。
東京のある獣医師は、中途半端に知識をひけらかし、獣医にもの申すような飼い主は不愉快であると。飼い主は黙って獣医師の治療を受け入れろというばかりの獣医もいた。
飼い主は愛犬の為の動物病院は、1軒だけに信頼して通い続けることがベターであるとは言えない。病院だって得手不得手がある。あの先生だったら皮膚科が得意ということもあるので病状によって獣医師を変えることは必用なことである。
わが家は、トレーシーの最後の頃は数カ所の動物病院の獣医師に同時に様々な治療を施していただいた。獣医師はそれを判った上で精一杯対応してくれたことを今でも感謝している。
獣医師と飼い主の間に自然に生まれた協力体制があればこそ、重い病気に苦しむ愛犬の最後を充分な治療で逝かせてあげられたのだと思う。
さて、この番組のコメンテーターは、このようなモンスター飼い主の状況をペットを安易に飼いすぎるからと言っている。そんなことは当然であるが、要するに非常識な人間が多くなったと言うことに尽きるのではと思うのだが。
我が儘な親、我が儘な患者、我が儘な飼い主と、とかく非常識な人間が増えている。何でもクレームを付けないと我慢がならないというクレーマーもそんな非常識人間の一種であろう。(2008/6/6)(LIVING WITH DOGS)