自家繁殖、バックヤードブリーダー、過剰レスキューの果て

自家繁殖、バックヤードブリーダー、過剰レスキューの果て

動物愛護法の改訂により、徐々に殺処分数は減っていますが、一方で、多頭飼育問題が多く出ています。複数飼育の届け出が必用な自治体もありますが、多頭飼育現場の苦情がどれくらいあるか環境省で全国調査をしたそうです。

問題の多頭飼育は、個人でアルバイト感覚で繁殖し多頭飼育となる、犬好きが高じて面倒見れる数を超えたレスキューで増え過ぎてしまった、廃業ブリーダーの抱える繁殖犬、等が大きな要因です。
そのような多頭飼育者の多くは、狂犬病予防ワクチンを未接種です。
最悪な環境で飼育し、悪臭や吠え声の苦情で発覚します。

そんな苦情が2年間に犬で1089件あったそうです。

ペットショップでの店頭販売や通販の生体販売が野放しにされる限り、このような多頭飼育者の繁殖は続き、廃業ブリーダーの放棄や、業者の繁殖犬の放棄は今後もますます増えて行くでしょう。
ほんとうの動物愛護活動を推進するには、店頭や通販での生体販売を禁止しなければ、このような多頭飼育問題は解決しないでしょう。(2008/7/17)(LIVING WITH DOGS)


「犬猫屋敷」近隣トラブル2千件 

多数の犬や猫を飼い、近隣に迷惑をかけるトラブルが、2年間に全国で少なくとも2055件起きていた。朝日新聞社の自治体アンケートでわかった。100匹以上の犬を飼う例も32件あり、大半が狂犬病予防のワクチンを接種していなかった。飼育数の届け出制など対策をとる自治体は34に上った。環境省は初の全国調査を始めた。

全国の都道府県、政令指定市、中核市、東京23区など保健所のある計134自治体にアンケートを送り、すべてから回答を得た。複数の犬猫飼育で苦情が寄せられた発生元の件数は、過去2年間に犬で1089件、猫で966件あった。これらは氷山の一角とみられる。

10匹以上飼っている場合の飼い主について質問したところ、倒産するなどしたペット業者か、むやみに犬や猫を拾って繁殖させている個人が大半だった。住民からの苦情は鳴き声、悪臭などさまざまで、ゴミ屋敷のような不潔な場所での飼育例も多くあった。

また、放し飼いの犬が通行人をかんだり、農作物を踏み荒らしたりする被害も報告されていた。国や自治体は、こうしたトラブルを「多頭飼育問題」と呼んでいる。

広島市ではペット業者が犬約540匹を飼育、死体もずさんに処理していた。大半の犬は狂犬病予防のワクチンもされていなかった。宮城県蔵王町では個人が犬205匹を飼いきれなくなり、保健所で引き取った。

15自治体が条例を制定・改正し、飼育数の届け出制や繁殖制限などを導入していた。佐賀県は犬猫を6匹以上飼うときは届け出を義務づけ、違反者には5万円以下の罰金を科すといった内容。茨城県、山梨県も届け出を義務づけ、鳥取県は10匹以上の飼育を認めない禁止区域を設定できるようにした。

さらに、独自の飼育指針や手引書づくりなどの対策をとる自治体が、検討中も含めて14自治体あった。

都道府県レベルでは、30都道府県が動物愛護法に基づく「動物愛護管理推進計画」で「多頭飼育」問題を取り上げ、繁殖制限や指導などの対策を盛り込んでいた。埼玉県は飼い主の心のケアが必要だとして、精神保健担当部局と連携、解決をめざしている。

環境省も今年度に入って、発生状況、自治体の取り組みなどを調べ始めた。同省動物愛護管理室は「現在の法律の枠組みで問題を解決できているかどうか、見極めたい」としている。(2008/7/17)(朝日新聞記事より)

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