長野県動物愛護センターの動物介在療法

長野県動物愛護センターの動物介在療法

動物が、人の心を癒すことは誰もが感じていることです。

不登校の児童が動物とふれあった後、どのような心理状態になるかの心理テストを長野県動物愛護センターが実施しました。

各自治体の動物愛護センターは、野良犬の捕獲、不要犬引き取り、等、人が捨てた、いらないと称される犬や猫の殺処分が主要な業務でした。

しかし、本来の動物愛護センターに望まれることは、犬や猫の里親探しから、地域の人達への動物との接し方、終生飼養、避妊去勢の実施など、啓蒙運動などを遂行してくれることを願っています。

長野県の「ハローアニマル」では、引き取り犬の中から、セラピー犬を育成し不登校の子供達の心を癒しているそうです。ほんとうの動物愛護センターの役割を果たしてくれていますね。殺すことをメインの仕事としなければならなかったセンター職員には、殺さなくて済む、捕獲した、引き取った動物を生かせる仕事が出来てやりがいを感じているそうです。職員の方々も殺したくて殺しているわけではないからです。捨てる人がいるから仕方なく仕事をしていたんですね。

嬉しい記事がありました。
このような自治体がどんどん増えて欲しいですね。(2008/7/25)(LIVING WITH DOGS)


アニマルセラピーの成果、カナダで発表

アニマルセラピー(動物介在療法)が不登校の子どもに心理的な効果があるとする調査結果を、県動物愛護センター「ハローアニマル」(小諸市菱平)の獣医師Mさん(45)が、カナダで27日から開かれる世界獣医師学会で発表する。セラピーに活躍する犬や猫はセンターが引き取り育てた動物だ。もらい手がなければ処分されるしかなかった犬たちが、子供らをいやし、職員らの励みにもなっている。

調査は、松本市にある相沢病院の心身医療センター長、I医師(心療内科)らの指導を受け、昨年までの2カ年、センターに来館した不登校および不登校傾向の児童生徒44人のうち、協力が得られた13人に2種類の心理テストを実施した。

感情や気分を定量化するテストでは、アニマルセラピー後は明らかに緊張・不安の数値が下がり、疲労感や混乱が減り、活気が増した。また、子供たちの自我状態を客観的に評価するテストでは、劣等感や無力感があり、自分を抑え良い子を演じようとしてストレスをためやすかった子供たちが、セラピー後には自分を肯定的にとらえ適切に表現できるようになり、人と温かい交流がしやすい状態に変化していた。これらの調査研究が「全国公衆衛生獣医師協議会」の発表会で最優秀課題に選ばれ、世界獣医師学会でMさんが日本代表の1人として成果を披露することとなった。

Mさんたちが考えたアニマルセラピーは、最初は人で自分の好きな子猫や子犬などに触れて遊ぶだけ。あるいは動物をよそに絵を描いたり折り紙をしたりする子もいて、センターで2時間から夕方近くまで過ごす。成犬ならこの間も子供のそばでじっとしている。触られても嫌がらずむしろ喜んでくれる犬を、松沢さんたちスタッフはセラピー用に育てている。

「自分が動物に受け入れられているという体験を重ねていくのが大事」とMさん。この後、自分も犬や猫の世話をしたいとなれば第2ステージへ。さらに成犬の訓練などにあたる第3、第4とステージでは、子供たちの充実感や責任感をはぐくみ、社会参加に導いていく内容だ。

センターには不登校の子供たちが00年の開設当初から訪れており、次第に表情が明るくなっていくのをスタッフは見てきた。これを学術的に裏付けるのが調査目的だった。ただ、「癒やされたのは子供だけではなく、動物たちもスタッフたちもなんです」と小林文範所長は話す。

センターの仕事は、県内の保健所で収容された犬や猫の一部を引き取り、不妊治療や去勢手術をした上で希望する飼い主に譲渡したり、飼い方の相談に応じたりするのが主なものだ。ただ、センターができる以前はもらい手がなく処分される犬や猫が多くいた。そういう動物を捕獲するのがMさんら獣医師の役目でもあったのだ。「殺される命が人のためになり、子供たちによって終わる命が助かる。そして、私たちもこの仕事にはりあいが持てるのです」とMさんは言う。 (2008/7/23)(asahi.com記事より)

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