都の素晴らしい試み<高齢者のペット預かり>
都の素晴らしい試み<高齢者のペット預かり>
日本で動物愛護が最も進んでいるのは東京都と神奈川県ですが、都では画期的な動物愛護策が策定されます。
単身の高齢者で犬や猫と暮らしている人は年々増えています。
しかし病気になって入院しなければならなくなった時、知人に託すか、愛護団体の運営するホームを利用するか、保健所に持ち込むかでしょう。
おそらく10年前は、保健所に持ち込んで殺処分の道しか無かったと思います。
近年、行政によっては動物愛護センターに持ち込んでも、動物愛護団体などに引き受けてもらうようになってきました。持ち込まれたペットたちが全て殺処分されることは徐々にですが減ってきていました。
東京都は高齢者のペットの一時預かりを行うそうです。素晴らしいですね。
かつてLIVING WITH DOGSにも、高齢者のペット問題を相談されたことがありました。
ペットの終生飼養は基本ですが、高齢で犬を飼ってはいけないという風潮になってしまうことは悲しいことと思っていました。
都がこのような試みをして下さると安心できますね。
300人の動物愛護推進員のうち100名が一時預かりの協力をして下さるそうです。
日本のあちこちの行政が、殺処分数を半減させようといろいろと試行錯誤していますが、東京都の例を良い見本にしてほしいものです。
殺処分0の日がそんなに遠い未来ではなく一日も早く達成できるよう願いましょう。(2008/8/16)(LIVING WITH DOGS)
東京都:ペット預かります 高齢者の入院時など−−従来は殺処分
東京都は、入院や体調不良でペットを世話するのが難しくなった高齢者の代わりに、一時的に預かる受け皿作りに乗り出した。従来は、多くのペットが都に引き取られ、殺処分されていた。全国初の試みで、都は年度内に詳細なルールを策定し、来年度にモデル事業を始める。
受け皿役を担うのは、ペットの適切な飼育を呼びかけるために、都が委嘱した動物愛護推進員。現在約300人が登録され、約100人が一時預かりへの協力を申し出た。
計画では、飼い主が家族や知人に預け先を探した上で、それでも難しい場合に、地域や環境が近い推進員が預かる。飼い主の体調が回復した段階で返す。期間が長期化した場合には、新たな飼い主を探す。
都は、動物愛護管理法などに基づき、捨てられたり持ち込まれたペットを引き取っている。イヌで年間約3000匹、ネコで年間約6500匹に達し、約2割のイヌと大半のネコが殺処分されている。預けられたイヌやネコの10〜15%が飼い主の病気が原因という。
都内では、21%の高齢者が1人暮らしで、その割合は全国で2番目に高い。都内での高齢単身者のペット所有率は不明だが、ペットフード工業会が実施した全国調査では、イヌ、ネコとも単身で飼っている50〜69歳は16〜29歳の2倍で、高齢になるほど高かった。
このため、都内でも進む核家族化と高齢化で、世話が困難になる人と路頭に迷うペットは急増する恐れが高まっていた。
都環境衛生課のN動物管理係長は「単身世帯の多い都で全国の参考になる仕組みを構築し、殺処分されるペットを減らしたい」と話す。(2008/8/16)(毎日新聞記事より)