フォスターファミリー体験記 – Lilah&Murphy

フォスターファミリー体験記 – Lilah&Murphy

Lilah(ライラ)は1歳ぐらいのアイリッシュセッターMixの女の仔です。おとといの(月)シェルターからOFOSA(Oregon Friends of Shelter Animals) に引き取られてきました。
その日会社に電話をもらった私は、Lilahをいきなり我が家に連れてきてうちの3匹の犬に会わせるよりは、その中の一匹でもOFOSAの会長宅でLilahに会わせてからのほうがよいだろうとNoahを連れて迎えにいきました。会長がLilahを事務所に入れるやいなや、Lilahは床にあった猫の餌をあっという間に食べ初めてしまったので、私はあわてて容器を取り上げました。Liahは唸ったりすることがなかったので、「よかった、まずはFood aggression(食べ物に関わる攻撃性)はないわね!」と皆でうなづきあいました。Noahはこの自分と同じぐらいの背丈の痩せてオドオドした女の仔をおとなしく受け入れてくれました。

問題は6月にうちの仔になったばかりのDaisyのほうでした。家について玄関のドアを開けるとDaisyがLilahに吠えかかり追い払おうとしたのです。最近私はDaisyのこういうところが少しばかり気になっていたのでDaisyを叱りました。そしてLilahを含めた4匹をすぐに裏庭へ連れていきました。ここでもDaisyは警戒してLilahに対してフレンドリーな態度を見せませんでした。Daisyにも私が一時預かりで連れてくる仔達に対し、HollyやNoahのようにおちついて受け入れられるようになって欲しいものです。

ところでLilahは前の飼い主が全然世話をしていなかったせいか身体中にフェルトのように凝った毛の束が沢山あり、身体もしばらく洗っていない様子でしたので、まずは庭でブラッシングと毛の束を鋏で切り取りました。Lilahは少しも嫌がらずに私に身を任せてくれました。夕食後近くに住む黒芝のりんごちゃんの家に4匹を連れて遊びにいきました。りんごちゃんの家は広い芝生の庭があり、HollyとDaisyはいつものようにレスリングに夢中、NoahとLilahはボール遊びです。一人っ仔のりんごちゃんはこの大勢の押しかけ軍団を喜んでいる様子でした。暗くなるまで遊んで帰宅。夜はいつものようにユーティリティールームに4匹を寝かせました。Lilahは初めクンクンと鳴きましたが、やがておとなしく眠ったようです。

昨日今日と一日中雨で外では遊べないのですが、Lilahはおしっこの失敗も一度もなく、とてもよい仔でいてくれています。猫のOliverとも鼻をくっつけあわせられるようになり、Noahもこの仔にはなぜか一度も威嚇したりしません。Daisyも慣れて仲良くしてくれています。もちろん長女のHolly姉さんは問題なし。

ところでLilahはまだパピーらしく、興奮すると飛びついてくるので小さい子供のいる家庭には譲れません。でもわずか2日で大分自分を抑えることができるようになった気がします。飛び上がろうとしても私が手でさえぎると我慢できます。それと食べ物に関しての警戒心や攻撃性は全くないのですが、私が4匹の食事を用意するそばから顔をボウルに突っ込んで食べ初めてしまうのには驚きました。おそらく「待て」を習っていないのでしょう。しかもすごいスピードで噛まずに飲み込んでしまいます。賢い仔なので2回目の食事からは、私が「Leave it(おあずけ)」というと準備の間は待ってくれるようになりました。でもその食べかたの早いこと、早いこと。さすがのHollyも顔負けです。たぶん充分な食事をもらえていなかったのでしょう。とても痩せていて、あばら骨が見えます。うちにいる間にもう少しお肉を付けて欲しいものです。

もうひとつ心配なのは、分離不安です。私や主人が外出すると、どちらかが家にいてもクンクンと鳴きますし、私がちょっと車までものを取りに行くだけでも扉をカリカリやって不安がります。犬3匹と猫1匹の仲間がいてもこれですから、他にペットのいない留守がちな家庭に貰われていったらどういうことになるのか心配です。これも条件の一つに入れることにしましょう。

ですからLilahにふさわしい家庭は、

· 運動をいっぱいさせてくれるようなライフスタイルで、
· 7歳以下の子供がいなくて、
· ほかにペットがいるか、一人ぼっちで留守番させる時間の少ない家庭、

ということになります。犬にも猫にも人間にもフレンドリーなのでその点は問題ありませんが。

週末にはLilahをPetcoの里親募集会に出す予定で、すでにPetFinderというオンラインの里親募集サイトには掲載してもらいました。下記のリンクで見られます。
http://www.petfinder.com/petnote/displaypet.cgi?petid=11717018

ところで、今はうちの仔となったDaisyですが、彼女を正式にアダプトしたその日に私はMurphyというラサアプソの男の仔の一時預かりを始めました。この仔には少しばかり健康上の問題がありました。まずは臍ヘルニア、でもこれは手術をしないことにしました。また気管支炎を患っていたのでこちらは抗生物質で完治させました。うちにいた期間は2週間強ぐらいだったと思います。そしてたまたま私は直接に里親さんには会えなかったのですが、同じラサアプソを一匹飼っているという年配の女性にアダプトされ、これならMurphyも幸せになれるとほっとしたのもつかの間、10日後にその飼い主がMurphyを返してきたのです。その理由を聞くと、なんと遊びに来た3歳ぐらいの孫娘が尻尾を引っ張ったら唸ったからというのです。私が直接会っていたらおそらくその女性にこう聞いていたでしょう。「貴方は髪の毛をいきなり見ず知らずの人に引っ張られたら怒りませんか」と。なぜ子供に犬との接しかたを教えずに、犬のほうにばかり我慢を強いるのでしょう。でも、その後、Murphyは私がボランティアでPetcoにいた日に新しい飼い主がみつかりました。その家族は8歳の男の子がいて、Murphyのことをとっても気に入ってくれました。親子3人でMurphyを連れながらPetcoの店内でいろいろな買い物をし、喜んで帰っていきました。男の子は、「見て、名前を呼ぶとちゃんとくるんだよ。Murphy!」Murphyがその短い足でトコトコと男の子のそばに走っていくのを見て、私は「今度こそ幸せになるんだよ」と心の中でMurphyにお別れを言いました。

Lilahとはいつまで一緒にいられるのか、短くても寂しいし、長くなればなったでまた情が湧いてしまうし、本当に困ったものです。でも、私にできることは、なるべく多くの犬達のために収容所と暖かい家庭の橋渡しをすることですから、もう二度とDaisyの時のように誰にも渡したくなってしまわないようがんばるつもりです。(2008/8/21)(Holly,Noah&Daisyのママ)

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