動物孤児院 (54)「考えない」ことの恐ろしさ
「考えない」ことの恐ろしさ
「新しい飼い主募集」のテレビ番組で、アイルランドのドッグ・レースが紹介されていました。正確にいえば、「ドッグ・レースの裏でやっていること」というわけですが。
ドッグ・レースというと、もちろんグレイハウンドの登場です。いきなり画面で映し出されたグレイハウンドたちは矢のように競技場を走る彼らの姿ではなく、速く走ることのできなかった犬たち、つまり、人間たちにお金をもたらさなかった犬たちなのでした。
餌を与えられずに骨と皮だけになってしまい、餓死させられた犬たち。
血だらけになるまで虐待された犬たち。
おそらく撲殺されて放置された犬たち。
そのような犬たちが存在することを知っていても、知らなかったことにして、あるいは本当に知らない無知のまま、ドッグ・レースにお金を賭けて一喜一憂している人間たちがいます。
ラッキーなグレイハウンドの場合は、走れなくなっても誰かが飼い主になることを申し出てくれて、ファミリーの一員として余生を過ごすことができます。しかし、それはほんの一部です。グレイハウンドのファームでは、多数のあどけない子犬たちが増やされ、選ばれ、訓練されて・・・。しかし、選ばれなかった犬は? 走るのが遅い犬は?事故や病気で走れなくなった犬は?
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私は今、日本に一時帰国中です。昨日、街でショックな店を見てしまいました。本当にまだよちよち歩きの赤ちゃん犬たちを小さなショーケースに一頭ずつ入れて販売している店です。胸がズキンと痛みました。「いやん、かっわいい」と入っていく女性たち・・・。こんなふうに考えてみてほしいものです。「この子犬たち、売れ残ったらどうなるの??」