フォスターファミリー体験記 – Jolene(1)

Jolene(1)

2009年最初のフォスタードッグは、Jolene(ジョリーン)です。1歳半ぐらいのロングヘアーダックスフンドのMixで胴長短足、でもどことなくボーダーコリーのような顔と利発さを感じます。体重は20ポンドぐらいでしょうか。背が低いのでパピーのように見えます。とてもかわいい仔です。

実はJoleneは今日まで別のフォスターファミリーのところにいたのですが、(土)(日)とPetcoのアダプションでJoleneと数時間一緒に過ごすうち、彼女がとても私になついてしまったのでうちで預かることになったのです。そのフォスターママさんはちょうど今風邪をひいているのでゆっくり休んでもらうことにしました。

JoleneはPetcoでの数時間の間に「お座り(Sit)」「待て(Stay)」と「取って来い(Fetch)」をおぼえてくれました。何にでも興味津々で、犬にも人にもフレンドリーなかわいい仔です。(土)のアダプションでは5匹の犬に新しい家族を見つけることができましたが、どういうわけかこのJoleneには(日)になっても貰い手がつきませんでした。そろそろ店じまいしてうちに連れて帰ろうとしたところに年配の夫婦がやってきました。このカップルは(土)にもやってきてOreoという名の黒いコッカースパニエルをアダプトしようかと迷っていたのですが、Oreoは結局ほかの家族に引き取られていきました。今日はPetcoに再度やってきてフレンドリーなJoleneをすっかり気に入ってくれたのですが、小切手を持参していないとのことで、明日の(月)にJoleneを引き渡すことに決まりました。Joleneは結局我が家には一晩泊まるだけになりそうです。でも行く先が決まった仔を預かるのはこちらの心構えがしっかりできるので気が楽ではありますが。

さて家について玄関のドアをあけるとHollyとNoahとDaisyが出迎えました。DaisyはJoleneを見つけるやいなや吠えて追い返そうとし、その吠え声につられてHollyとNoahも吠えまくり、かわいそうにJoleneは一瞬後ずさりして私の陰に隠れてしまいました。うちの仔たちを叱って「仲良くしなさい!(Be nice)」と言うと三匹はどうにかJoleneを受け入れてくれました。それにしても自分より2倍も身体の大きな犬達三匹にいきなり囲まれてもさほど物怖じせずに中に入っていけるJoleneに私は感心しました。もちろんPetcoでほかの犬たちに対するJoleneの反応を見ていたので彼女がきちんと社会化のできた犬であることは認識していましたし、うちの仔たちにしても皆やさしい仔たちで本気でけんかを始めるような攻撃性のある犬達ではないことも確信していますが。

数時間一緒にいるうちにDaisyとJoleneはガウガウとレスリングをしたり、おもちゃの引っ張り合いをするようになりました。この2匹は身体の大きさもさほど違わず、メス同士で年齢も同じくらいなので何かにつけて競争心むき出しです。そして2匹ともかなり強い性格をしているので、遊びが高じるといさかいになりかねないというきわどいところもあります(笑)。でもまあ今日のところはどうにか落ち着いて皆おとなしく同じ部屋で眠りにつきました。Joleneはほんの数分だけクーンクーンと泣いただけでした。

Joleneはこれまでの一年半の犬生をかなり転々としてきたようです。彼女は昨年の8月、一歳になったばかりのころワシントン州のPasco・TriCityというポートランドから5時間以上離れた小さな町のシェルターに持ち込まれました。そのシェルターが満杯でこれ以上おいておくわけにはいかなくなり、安楽死を避けるために私が所属するOregon Friends of Shelter Animals (通称OFOSA) に連絡が入り、Joleneを含めた9匹を引き取りにいきました。Joleneはケネルコフを患っていたので治療を受け、9月末に里親が見つかりGypsyという名前で新しい家で2ヶ月暮らしました。ところがこの家のご主人にどうしてもなつかないという理由から11月末にまたOFOSAに戻されてしまったのです。そして前述のフォスターファミリーのところで5週間暮し、今日私の家にやってきました。明日からはもうたらい回しにされることなくこの年配のご夫婦のうちで一生かわいがってもらえそうなので安心しました。よかったね、Jolene。

ところが今日(月)にこの夫妻から連絡が入り、一晩考えてみたがやっぱりJoleneは自分達のライフスタイルに向いていないので別の犬を探したいというのです。このカップルはご主人の仕事の関係でアメリカ各地を転々とし、12年ぶりでオレゴンに戻ってきたそうで、これから犬を連れてのハイキングを楽しみにしているそうなのですが、Joleneのような足の短い犬に急勾配を含む6−8マイル(12〜15キロ)のハイキングは無理だろうという結論に達したというのです。以前飼っていた最愛の犬が他の犬に対して攻撃性があったため、今度こそは性格のよい犬をと願っていたのでJoleneのかわいさと性格のよさは捨てがたいのですが、やはりもっとアウトドア向きの犬のほうが犬にとっても無理がないのではということでした。

私達の使命は、一匹でも多くの犬達に幸せな家庭を見つけることですから、飼い主の希望になるべく沿った犬を探すことで二度と捨てられることのないようにしなければなりません。私はこの夫婦に別の犬を紹介することを約束してJoleneのことはなかったことにすることにしました。たまたま今日のお昼休みにシェルターを訪問していたShirleyから会社に電話が入り、Shadowという名の4歳ぐらいのトライカラーのオーストラリアンシェパードの男の仔と、Jackという名の1歳ぐらいのスパニエルのMixの男の仔を引き取ってくるから私にフォスターしてもらえないかと言われていたので、このShadowを紹介してみようと思っています。Joleneにはきっとまた別の里親がすぐに見つかるでしょう。

さて、そんなわけでちょっとがっかりして会社から帰ってみると、今日は4匹の犬達の賑やかなお出迎えです。やっぱりDaisyがJoleneに向かって吠えて私を守ろうとするのです。Joleneも負けてはいません。Daisyに吠え返し、もちろん「吠えの女王」と異名を取る(?)Holly姉さんはこれに便乗し、普段は吠えないNoahでさえも興奮して吠える始末。これを毎回やられたら気が狂いそうです。とにかく4匹の気をそらすために、トリートを見せて、「お座り」のコマンド。全員がトリートに注目。静寂がもどりました(笑)。

ところでJoleneは今まで躾らしい躾を受けていなかったようです。何にでも興味津々なのはいいのですが、冷蔵庫を開けると中に鼻を突っ込み、戸棚を開けると潜り込みます。カウンターの上のものを取ろうとしてつま先立ち。今夜は食卓に夕食の用意をしてちょっと別の部屋にいって戻ってみると、なんと食卓の上に乗っかっているではありませんか!背が低いので油断していましたが、椅子の上に飛び乗ってから食卓に上がったに違いありません。幸い食べ物はラップがしてあったので危機一髪で無事でしたが。うちの仔たちは食卓の上やカウンターの上の食べ物には手を出さないように躾けてあったので、うっかりしていました。

Joleneはやっぱりパピーでパワーいっぱいの遊び好き。Daisyの持っているものはなんでも欲しがる。それがDaisyには気に食わない。さあて、これからどうやってうちのルール(年功序列で他の犬の権利を尊重する)を教えていきましょうか。

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