フォスターファミリー体験記 – Sailor

Sailor

2009年2匹目のフォスター犬は、オーストラリアンシェパード(俗に言オゥシー)の1歳半のオス、Sailor(セイラー)でした。「でした」と過去形なのは、うちに来てからたった2日なのに、すでに今日新しい家に貰われて行ってしまったからなのです。

先々週の(日)にJoleneをアダプトしようとして直前で止めた年配のカップルに、ハイキングに同行させるのにふさわしいオゥシーの3〜4歳のオスShadowを紹介しようと思っていたのですが、Shadowは先週の(土)に不幸な死をとげてしまったのです。実はこのShadowをうちで預かってもらえないだろうかとShirleyから頼まれたのですが、そのときにはJoleneがまだうちにいたしShadowは60ポンドと大きく、しかも去勢されていなかったのでNoahとおそらく喧嘩になるだろうと思い別のフォスターを探してもらいました。そのフォスターの家からShadowは脱走し、近所の家のプールに落ちてしまい、引き上げられて獣医に連れていかれましたが、Shadowの命を繋ぐことはできませんでした。本当に悲しい出来事でした。

そしてそのほぼ一週間後の(金)にシェルターを訪問していたShirleyから電話で、Sailorを預からないかと言われた私は、二つ返事で引き受けました。この仔をあのカップルに紹介しようと思ったのです。

去勢済みとは言え、体重45ポンドほどのオスですから、やはりNoahとの相性を見るためにNoahを連れてSailorを迎えに行きました。Noahは少し緊張しましたが、狭いハッチバックの中に2匹を入れても喧嘩もせずに無事に帰宅することができました。問題はやはりDaisyのほうです。でもSailorがとても穏やかな性格なので猫のOliverを含めたうちの4本足の家族たちとも仲良くなれました。Sailorの以前の飼い主は日中10時間と留守番させる時間が長く、退屈紛れにいろいろなものを噛んでしまったSailorをクレートに入れて飼っていたそうです。まだ1歳半のパピーだったらそんなに長時間一人にさせておとなしく寝ているほうがおかしいと考えないのでしょうか!Sailorは私にも主人にも、そしてたまたま週末で帰宅していた息子にもすぐになついてくれました。

さて前述のカップルJohnとAnnieに連絡してみると早速Sailorに会いたいとのこと。翌(土)にPetcoで待ち合わせて会わせると二人ともSailorにすっかり惚れ込んでしまいました。それもそのはず、Sailorほど人間にも犬にもフレンドリーなオウシーは見たことがありません。この夫婦はとにかくフレンドリーな犬を、そしてできれば中型のHerding dog探していたのですから、このハンサムなSailorには文句のつけようがありません。早速アダプションが成立しました。でもその晩彼らは会社のパーティがあり、引き取って早々にSailorを一人で留守番させるのがかわいそうなのでもう一晩うちで預かってもらえないだろうかと頼まれました。もっともっとSailorと一緒に暮してみたかった私にとっては願ってもないことです。

実はその晩は私もパーティがありました。それは私が所属するOregon Friends of Shelter Animals (OFOSA) http://www.ofosa.org/ 主催のフォスターファミリーのボランティアに感謝するためのパーティでした。OFOSAは昨年一年間で犬猫合わせて2030匹をシェルターから引き取り、そのうち1800匹強に里親を見つけることができました。残りは残念ながら重病のために生き残れなかったり、別のレスキューグループに移された仔たちです。OFOSAは非営利団体のため、郊外のオークション会場を無料で借り、CathyやShirleyを初めとする団体の幹部達がオードブルを一日がかりで作ってきてくれました。質素ですがとても心温まるパーティでした。当日は60人ほどのボランティアが集まりましたが、百数十名が登録しているそうです。いつも週末のPetcoでのアダプションで見かける顔も沢山ありました。みんな同じ目的のためにがんばっている仲間たちです。

さて、今日(日)私はSailorをまずCathyのクリニックに連れて行き、マイクロチップと狂犬病の予防注射を済ませ、その足でJohnとAnnieと待ち合わせたPetcoに向かいました。パーキングに車を止めるやいなや、店内から飛び出してきたAnnieとJohn!Sailorも二人に走り寄ります。こんなに喜んで、楽しみに待っていてくれたAnnieとJohnのもとでSailorはきっときっと幸せになれることでしょう。名前もDarwinに変えてもらって新しい犬生を始めるんだね!

北風が冷たいので店内で必要な書類を渡したり、彼らの質問(フードのことや躾け教室に関する情報など)に答えたら、さあ、Sailorとお別れのときです。Annieは私に「こんなにSailorをよく面倒みてくれて本当にありがとう」と言ってくれました。うちにやってきたときから使っていたSailorのリードを外し、Annieたちのリードに繋ぎます。Sailorの頬にキスをして、上目遣いに私を見つめるSailorのリードをAnnieの手に残し、私は彼の視界から陳列棚の後ろに消えました。「Sailor、あなたはこれからはAnnieとJohnの仔よ。あのShadowの分も幸せになってね。」

RosieのときもJoleneのときも達成感のほうが強くて、涙を流さなかった私なのに、今日の帰り道はフロントグラスが涙で霞んで困りました。I miss you, Sailor…

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