シーザー・ミランの「ペットが教えてくれること」
シーザー・ミランのペットが教えてくれること
大勢の犬を飼っている方々が、犬とのよりよい関係を築くために私に相談してくださることを光栄に思っていますが、実はその犬達自身が私の先生なのです。私が今までに習得してきたもっとも貴重なレッスンは動物から受けたものです。より良い、より幸せな、そしてよりバランスのとれた人間になるために私が犬達から習ったことのいくつかを紹介しましょう。
<今この時を生きる>
私がリハビリをする犬達からどうしてそんなに短時間で効果が出せるか皆さん不思議がられます。その答えは簡単です。犬は<この時>を生きているからです。彼らは過去を悔やんだり、将来を心配したりしません。私達も今この時を大切にし、今ここで起きていることに集中することができれば、この動物界に生きる人間以外のメンバー達のように生きることの豊かさを経験することができるでしょう。
<バランスのとれた生活を育む>
私は相談者達に、彼らの犬との間で「バランスのとれた生活を育む」というこのシンプルなルールを守りなさいと言っています。運動、躾け、そして愛情を毎日与える。そして自分に対しても同じことをしなさいと。我々人間も、毎日の日課の中に、身体活動と、自分を取りまく環境の意味、そして愛情を与え受ける機会があれば、より幸せに感じることができるのです。
<自分の本能を信じる>
動物にとって言葉はどうでもいいものです。彼らは、他者とのやりとりの中で物事は実際には表面でなく内面であることを理解しています。我々人間の多くは、我々の本質の中のこの非常に重要で直感的な部分を失ってしまっています。言葉以外のシグナル、例えばボディランゲージやエネルギーにより注意を配ることにで、我々は友達、愛する人達、そして我々自身についてもっとよく知ることができるのです。
<コミュニケーションは単刀直入かつ一貫性をもって>
私の相談者達の多くは、断続的にしかルールを強化しておらず、そのためにペット達は一体何がよくて何が悪いのか困惑してしまっています。素晴らしい関係とは、その種族にかかわらず、明確で一貫性のあるコミュニケーションから始まります。これは我々の生活の中の他の場面、すなわち家族達、友達、そして職場などにも、適用すべきレッスンです。私達は「自分とどう接して欲しいのか」を相手に伝えているのだということを忘れないでください。
<相手の話を聞くことを身につける>
あなたの愛する犬達、あるいはその生活を変えようとしている犬達に、耳を傾ける時間を作ってください。けれど彼らの問題を治そうとはしないでください。またそれらの問題を(客観的ではなく)個人的に受け止めないでください。立派なリーダーはまた、立派な追随者でもあり、一人一人が重要であることを理解しています。
<根に持たない>
犬の群れには、驚くほど軋轢がありません。なぜならいざこざが起きた場合、メンバー達はその場で解決し、先に進むからです。我々の世界でも、対立が起きた場合、それがエスカレートして手に負えなくなる前に対処していたら、どんなだろうと想像してみてください。否定的な感情を根に持っていると、それが何倍にも膨らんで先へ進むことができなくなってしまいます。
<目的を持って生きる>
犬は退屈すると、不安や攻撃性といった問題を生み出します。しかし彼らに仕事や、群に貢献できる道を与えてやると、彼らはたちどころに方向転換します。人間を含むすべての動物は、生まれながらにして食べ物と水を得るために働くという心理的・生理的要求をもっているのです。自分自身に尋ねてください。どうすれば自分の仕事に、家族に、そしてあなたを取り巻く社会にもっと貢献できるだろうかと。あなただって、自分の食料と水を自分の力で手に入れることができればあなた自身に対し一層誇らしく思えるでしょう。
<毎日を祝福する>
犬にとっては、毎朝がクリスマスの朝です。どの散歩も最高の散歩、どの食事も最高の食事、そしてどのゲームも最高のゲームです。私達のペットが生活の中のなんてことのない一瞬一瞬を喜ぶ姿を見て、我々は多くのことを学びます。毎日私達自身の生活における当たり前の出来事の中に隠れている沢山の贈り物を祝福する時間を見出してください。(2009/1/11)(parade記事より)(翻訳:Y.M さん アメリカ)
http://www.parade.com/pets/articles/090111-dog-whisperer.html