フォスターファミリー体験記 – Pasco(2)

Pasco(2)

Pascoのケネルコフは2週間近くたった今では完治したようです。良くなるに従って食欲も出て、最初は食事に見向きもしなかったりドッグフードを一粒ずつ噛んでいたのが、今は嘘のよう。ガツガツと誰よりも先に食べ終わってしまいます。体重も、運動量も増えました。散歩が大好きなので主人がNoahと一緒に5キロぐらい歩かせています。

目と鼻の周りのハゲは当初より少し悪化したようです。Noahもアドプトした直後に左目の下の毛が抜け始め、獣医さんに何度も診てもらい、Skin mitesのせいだと言われました。いろいろな薬を試してみましたが、結局1年以上かかり今でもその箇所は少し跡が見えます。おそらくPascoも同じ病気でしょう。他の個体に移ることはないので心配していませんが。また目をいつもシバシバさせていたのは、目薬のおかげで少しだけ大きく目をあけることができるようになりました。

Pascoは、ますますいい仔ぶりを発揮してくれています。まず日課の薬ですが、飲み薬も目薬も大騒ぎすることなくさせてくれます。先日はうちの3匹に交じって爪も切らせてくれました。人間の言うことをよく聞き、“No”と言えばすぐにやめてくれます。嬉しすぎて飛びつくのと、撫でて撫でてがちょっと多すぎるのが玉に瑕ですが、身体が小さいのであまり気にはなりません。食事の準備中もきちんとお座りして待っています。

一つ困るのは、身体が小さく敏捷なので、他の犬を散歩に連れ出そうとするときにドアの隙間からスルッと抜け出してしまうことです。呼び戻せば戻ってきますが、新しい家で慣れないうちは充分注意してもらわなければなりません。

そうそう、新しい飼い主と言えば、PetfinderにPascoを載せてもらったので、Pascoに会いたいというメールが2件入ってきました。それとは別に先日散歩で立ち話した近所の男の子(実は彼Michaelは今大学一年生でした)にPetfinderに載せる前には必ず連絡すると約束していたので、おとといの夜Pascoを連れて彼の家に立ち寄りました。詳しい事情を聞くと、彼は今Portlandの大学に行っているけれど来年度(アメリカでは9月から新学期)からはAshlandという車で数時間のところにある大学に移籍するので、自分の犬を飼いたいというのです。PascoもMichaelが気に入ったようで顔をペロペロ。お母さんもとっても気に入った様子です。娘さんとおばあちゃんも玄関口に出てきて皆おお喜び。一人だけ喜んでいないのは、その家の飼い犬Nessieです。Nessieは1歳ちょっとのメスのブルーヒーラーで一人っ仔のために皆の注目を集めているPascoにヤキモチを焼いている様子。しかも自分の家の前なので守らなければと思っているのでしょう。このNessieがPascoを受け入れて仲良くしてくれたらお母さんも首を縦に振ってくれるかもしれません。「犬2匹の面倒はみられないわ。もしうちにNessieがいなかったら絶対Pascoをアダプトするんだけれど。。。」と言っているお母さんをなんとか説得するためにMichaelに翌日Pascoを預けることになりました。

珍しく快晴だった昨日Pascoを連れてMichaelの家を訪ねました。Nessieと一緒に裏庭に放すと、どうでしょう!二匹は元気いっぱいに走り回っています。一昨日は玄関先であんなに唸ってPascoを威嚇したNessieですが、お腹を見せて遊びに誘っています。Michaelも嬉しそうです。夜まで預からせて欲しいということで私は一旦帰宅しました。

さて、夜になって迎えにいくとPascoはすっかりこの家の仔になっているではありませんか!Michaelの話では2匹で散歩にも行き、家の中でもNessieは自分のおもちゃも貸してあげて、疲れ切った2匹は隣り合って寝ていたとのこと。この二匹はともにブルーヒーラーの1歳前後ということで見ていても嬉しくなるほどぴったりです。
 
Michaelは本当にPascoが気に入ってしまったようです。けれど「これからAshlandに引っ越しペットOKのアパートを探して学業に専念するのにPascoを連れて行くことは現実的に考えて難しい」という結論に達したと正直に話してくれました。私は彼のこの決断を尊重しました。かわいいから、気に入ったからといって安易にペットを飼う人達のいかに多いことか。そして挙句の果てにひどい目にあうのはペットたちです。Michaelは名残惜しそうでしたが、「あなたの環境が犬を飼えるようになったら、その時はまた相談にのるからね。」と言って、帰りたがらないPascoを車に乗せました。Pascoほどのいい仔ならまたすぐに新しい飼い主が見つかるでしょう。

Pascoは未去勢なのでPetcoのアダプションには連れていけませんが、今週末にはメールで問い合わせて来た人の一人Caitlinに会わせることになっています。7歳のメスのKelpieをルームメイトと一緒に飼っていて、もう一匹Pascoのような仔を迎え入れたいと考えていたそうです。塀のある庭とドギードアももう設置してあり、あとはそのKelpieとの相性を見るのが大きな目的です。さあ、どうなるでしょうか。

もう一人の候補者Richardは、私の家から1時間以上かかるBattle Groundという町に10エーカー(約12000坪)もの敷地をもっているとのこと。9歳の娘さんのために犬を探しており、ディスクやボールのリトリーブを教えたいと言っていました。
実は先日Pascoとうちの3匹を連れて近所のりんごちゃんのお庭で遊ばせてもらったところ、なんとPascoはディスクを追いかけてちゃんと拾ってもってきてくれました。私は今までディスクに興味を示す仔を飼ったことがなかったので、大感激。あーあ、Pascoもうちの仔にできたらさぞかし楽しいのになあ。

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