町の中で犬の飼い主が出来る貢献
町の中で犬の飼い主が出来る貢献
毎朝夕、お散歩で町を歩いている犬と飼い主さんです。飼い主さん達が積極的に町の清掃活動や、小学生の登下校の時間に合わせてのお散歩で子供達の安全を見守るなど、ボランティアがあちこちで始まっています。
東京練馬で徘徊のお年寄りの見守りを行う試みが始まるとのことです。
徘徊するお年寄りの大部分が氏名が認識できるものを身につけていないそうです。確かに意識がなく、ふらっと外に出てしまうから徘徊なんですものね。用意できるようなお年寄りは徘徊はしません。
徘徊する人はパジャマ姿だったり、服を裏側にして着るなどちぐはぐな格好をしていることが多いそうです。冬場でも薄着だったり、履き物がサンダルだったりと「アレ?」という状況です。
愛犬家のお散歩を利用して、そのような方を一刻も早く保護できれば良いですよね。
練馬区の試み、是非、全国に広まって欲しいですね。(2009/3/4)(LIVING WITH DOGS)
迷ったお年寄り、犬の散歩で見つけて!東京・練馬で計画
徘徊する高齢者に愛犬家がひと声 愛犬家をネットワークで結び、その“目”を借りて徘徊(はいかい)高齢者を捜索する試みが来年度、東京都練馬区でスタートする。
ペットブームで愛犬家は増加傾向にある。毎日欠かさない愛犬の散歩中に、ご近所で目配りしてもらおうという計画だ。
「家に帰れなくなっちゃったの……」。昨年12月10日、練馬区中村の主婦W.Kさん(83)は、買い物に行こうと家を出たところで、キョロキョロと周りを見回している70歳代の女性に出くわした。「どうかされましたか」。声をかけると、女性は不安そうに打ち明けてきた。
名前や住所を尋ねると、住まいは数百メートル先。近くまで一緒に行くと、「あっ、あれが私の家なんです」と家を指さし、ほっとした表情を浮かべた。
練馬区南部5地区ではこの日、折しも徘徊高齢者を保護する模擬訓練が行われようとしていた。区職員が徘徊高齢者にふんして街をうろつき、5地区の住民で捜す訓練だった。渡辺さんの家にも、区から徘徊高齢者の特徴を記したファクスが届く予定だったが、その前に本当の迷子のお年寄りを見つけたのだった。
同じ頃、区内の運動公園で、住民の女性が道に迷っていた高齢男性を発見。徘徊情報を意識しながら参加者が町に繰り出したことで、約2時間の間に、本物の徘徊高齢者が2人も見つかった。
この成果は関係者を大いに驚かせた。徘徊高齢者捜しは、町会役員や民生委員だけではどうしても人手が足りない。
「もっと地域の目を増やせないか」。そんな思いから、同区民生委員のS.Kさん(61)が考えついたのが愛犬家による捜索だった。「自分一人で四六時中、見回るわけにもいかない。愛犬家は決まった時間に散歩するし、互いに情報交換をするなど横のつながりもある」
練馬区に相談したところ、区内で動物病院を開いている獣医師のN.Kさん(52)を通じて、愛犬家約100人の協力が得られることになった。
徘徊している人はパジャマ姿だったり、服を裏側にして着るなどちぐはぐな格好をしていることが多い。相手が不安にならないよう目を見ながらゆっくりと「どうしましたか」などと声を掛け、事情を聞く必要がある。区はこうした要領をパンフレットにして近く愛犬家に配った上、徘徊高齢者の情報をファクスやメールで届ける仕組みをスタートさせる。
犬を飼って7年になる区内の会社員F.Sさん(65)は「妻と娘と私が交代で、1日に朝昼晩の3回散歩している。ぜひ協力したい」と話す。
警視庁練馬署によると、区内で保護される徘徊高齢者は年々増加しており、「最近では1日1人は保護しているような状況」という。同署では衣服に名札や連絡先を付けるよう家族に指導しているが、いまだ保護される高齢者のほとんどが、身元の分かる物を身に着けていないという。
東京都老人総合研究所が1995年に65歳以上の高齢者4300人に行った調査では、0.16%に徘徊の症状があった。約13万人の高齢者が住む練馬区だと、200人程度の徘徊高齢者がいる計算になる。
同研究所の本間昭研究部長は「地域のつながりが薄い都市部ならではの取り組みとして面白い。一定期間、継続して行うことが重要だろう」と話している。(2009/3/2)(読売新聞記事より)