フォスターファミリー体験記 – Ali(1)

フォスターファミリー体験記 – Ali(1)

「やっぱりこの仔は返そうかなあ」と弱音を吐く私に、「ママらしくないね。本当に返すことなんてママにできるの!」と娘が言います。

今回の仔は、事情があって(日)の朝オクラホマシティーから6時間もかけて飛行機で運ばれてきました。まだ10ヶ月の女の仔ですが体重はすでに48ポンドもあります。成犬になるとおそらく55-65ポンドぐらいになりそうです。見た目ではラブラドールとシェパードとコリーのMixのようです。実はこの仔は外飼いでつないで飼われていました。名前はAussieと言います。

(月)の夜から我が家で預かりましたが、あまり人慣れも犬慣れもしていません。といって恐れから攻撃的になるわけではなく、いつも大きな尻尾を丸めて逃げ腰になってしまうのです。でも私の一番の悩みはトイレのことです。

外飼いだったせいか、家の中で人間と暮らすことのルールがまったく分かっていないのです。(月)の夜には何度も外に出して「おしっこしようね」と庭の中を歩き回ったのですが、結局せずじまい。普通はうちの仔たちが用を足したら、それにつられてトイレを済ませるのですが、どういうわけかそれが通用しません。家に入れてからちょっと目を放した隙に廊下の突き当たりでおしっことウンチをしてしまいました。この晩は「まあ、初めてだし仕方ないか」とあきらめましたが、翌日の(火)の朝もじっと目を凝らして見ていましたが庭で用を足した気配なし。仕方なく洗濯室に隔離して出勤し、ランチタイムに車を飛ばして家に戻りました。洗濯室に粗相はありません。急いでAussieを散歩に連れ出しましたがまたしてもオシッコをしてくれません。ところが私がトイレに入っているわずか2分の間にまた廊下でオシッコ!情けなくて前述の弱音が出てしまったわけです。

でもこの仔のトイレの躾けだけはしてあげないと、どこの家に行っても同じように迷惑がられてしまうでしょう。私は意地でもがんばろうと決意しました。

さて、(火)の夜は寒い中一時間外でがんばりましたがやはりだめ。一度でも目の前でしてくれたら沢山褒めてあげるのに、そしてそれがきっかけで家の中ではトイレをしないということが分かってくれるのに、とじれったい気持ちでいっぱいです。我が家の庭は竹が生い茂っているのでもしかしたらどこか見えないところでした可能性もあるのですが、確信がもてない以上家の中でも始終見張っていなければなりません。夜はうちの3匹と一緒に静かに眠ってくれるのは助かりますし、洗濯室では2晩とも粗相がないので救われていますが。

もう一つの問題はカウンターや食卓に前足を乗せてしまうこと。これもうちのHollyやDaisyのようにしょっちゅう食べ物に飢えている(笑)わけではなく、ただ何があるのか興味津々でやってしまうだけのようです。けれどこの悪い癖もしっかり直さなければと思い「こら!」と叱ると、今度は折角私になつきはじめていたのにまた尻尾を巻いて逃げてしまいます。あーあ、この悪循環はいつになったら切れるのかしら。
ところが(水)から状況が変わりました!なんと(水)の朝は庭でオシッコとウンチをしてくれたのです!そしてそれ以来うちの中での粗相はありません。私は毎日お昼休みに帰宅して犬達を散歩に連れ出していますが、午前中と午後4〜5時間ずつ留守番させても問題なくなりました。今から考えると初めの2日は彼女なりに混乱していたのかもしれません。外飼いから、飛行機での移動、そして初めての家でいきなり3匹の犬達に囲まれ、しかも庭には今までうちで過した十数匹もの犬達の匂いがあって…。とまどって当たり前ですよね。

あの時諦めなくて本当によかった! 私が彼女を信頼するにつれて彼女も私に心を開いてくれました。今では私に甘えたくて私の後を付きまとっています。でもDaisyとNoahがいつも私のそばにいるのでちょっとかわいそうですが、こうやって他の犬達との関係も次第にでき、この家での自分の立場をわきまえるようになるはずです。あと一週間もして家の中での生活にすっかり慣れたらアダプションに出せると期待しています。

彼女の名前はAli(アリ)に変えました。毎日うちの3匹と一緒にトレーニングを楽しんでいます。コマンドひとつ知らなかったAliですが、「お座り」はほぼ完璧に、「伏せ」「待て」「お預け」もうちの仔達の真似をして50%できるようになりました。さあAli、いろんなことを経験して自信をつけていこうね。

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