フォスターファミリー体験記 – Lacey(1)

フォスターファミリー体験記 – Lacey(1)

Laceyが我が家にいたのはたったの3日でした。

小さくてかわいい仔なので早く貰い手が付いてしまうことは初めから分かっていたし、私も自分から積極的に貰い手を探したのだからしかたないけれど、いなくなってみるとやっぱりとても寂しいし、彼女が新しいうちでちゃんとうまくやっているのかが気がかりです。

久々の大型犬のしかも10ヶ月まで外飼いだったAliにさんざんてこずった私は、しばらくはうちの3匹だけとゆっくりした時間を過ごそうと思っていました。ところが5日目にOFOSAから電話が入り、「あなたにぴったりのボーダーコリーがいるのよ。4ヶ月でたったの20ポンド、すごくかわいいよ。今日避妊手術をしたから今夜からフォスターファミリーが必要なの。」と言われては断れません。トイレトレーニングもほぼできているとのうたい文句を鵜呑みにしたのは迂闊でしたが(笑)。

さてその晩8時過ぎにLaceyを迎えに行き、家に連れ帰りました。早速うちの3匹が玄関でLaceyを囲みます。Daisyは相変わらず新参者に対してはガウガウとうなります。するとLaceyは身体を低く丸めてまるで地面にうちあげられた魚のようにクネクネして失禁してしまいました。こんなに自分より身体の大きな犬達に一気に取り囲まれたのは初めてだったのでしょう。すぐに裏庭に全員を連れ出し、興味津々のうちの3匹に少し離れるように言いました。でもLaceyはまだ怖がって平伏しています。デッキの上でもオシッコをチビってしまいました。「この仔はかなり服従的な性格で、今まであまり大きな犬との接触がなかったのかもしれない。」と思いました。でもうちにいる間にきっと3匹を怖がることもなくなり、遊びに誘うぐらいになることを期待しています。

Laceyは避妊手術を今日したばかりとは思えないほど、元気で食欲(もちろん食事は控えめにしましたが)もあり、ほっとしました。そして最初の晩から、3匹と一緒にユーティリティールームでおとなしく眠ってくれました。夜は8-9時間オシッコもウンチも我慢ができるようです。

翌日(金)になるとうちの3匹にも大分慣れてきました。日中は留守になるのでLaceyだけユーティリティールームに隔離しましたが、かわいそうなのとお天気がとてもよかったので早めに帰宅しました。粗相はありません。お散歩ではAliのときと同様オシッコもウンチもしません。排泄行為はやはり安心できる場所でないとできないのでしょう。夜はDaisyと一緒にペットショップ巡りをして社会化のトレーニングをしました。

さて(土)は本当にいいお天気でBeavertonの公園で犬関係のイベントがありました。これもLaceyにとって他の犬達との交流のよい機会と思い、今度はHollyと一緒に参加しました。HollyがObedienceコースのトライアルをやっている間に係りの人がLaceyに“Sit”と“Down” のトレーニングをしてくれました。“Sit”はうちでほぼマスターしていましたが“Down”のほうはまだまだです。
そして午後一時、メールと電話で先日来連絡を取り合っていたBrowns一家とのPetcoでの待ち合わせに急ぎました。この家族には4, 6, 8歳の3人の子供がいます。通常ボーダーコリーなどのHerding Dogは小さい子供のいる家庭には譲らないことになっていますが、是非Laceyに会いたいというので連れていきました。

この2日間でLaceyについて気付いたことを説明しました。まず長所から〜

1. 服従的な性格で攻撃性は全く見られないこと。
2. うちの小さな孫達に対しても乱暴な行動が見られなかったこと。
3. せいぜい大きくなっても35ポンドどまりと思われること。
4. 健康状態も良好なこと。
5. 散歩も上手にできること。
6. 夜は9時間以上粗相なし。
7. 他の犬に対してフレンドリー。
8. 人間が大好きな甘えん坊。
9. とても賢いこと。すでにSitとDownは2日で覚えたし、ボールのリトリーブも訓練中。

ちょっと困った点は〜

1. 日中のトイレトレーニングははっきり言って、できていない。(OFOSAの言葉を信じた私が悪かったけど)
2. 月齢の割には噛み癖はないほうだけど、孫のパズルの一片を食べられてしまった。
3. 飛びつき癖はかなり直りつつあるが今後も躾けが必要。
4. うちの猫のOliverを追い掛け回してしまうので猫のいる家庭には不向きかも。

そして今後気をつけたい点は〜

1. Herdingの本能が強い場合は走っている子供達を追いかけてかかとなどを噛もうとするかもしれない。その兆候が見られたらすぐに連絡して欲しい。
2. 大人の言うことは聞いても子供には服従しないこともありうる。子供達がまだ小さいので初めから子供に対する接触の仕方を大人が教え込むことが大切。
3. 噛んでよいものといけないものの区別が付くまでは、噛まれて困る(食べられて困る)ものはLaceyの手(口)の届くところにおかないこと。

お母さんのPaulaは、昨年の10月から犬を飼うための準備として躾けの本を読んで勉強していたそうです。トイレトレーニングや、子供との共存の方法をスムーズにするためにクレートトレーニングをしてみたいと言っていました。私自身はクレートを使ったことがありませんが、パピーの場合早期からトレーニングすればそのほうがおそらく犬にとっても安心かもしれません。子供達と遊ばせるときには必ず見守っていると約束してくれました。

Browns家はSherwoodという都会から少しはずれた町の1エーカー強の敷地に住んでいるのでボーダーコリーのLaceyにとっては格好の環境ですが、庭の一部に塀のないところがあると言うのです。私はOFOSAの方針として、すっかり塀で囲まれた庭でないと譲渡は不可能だと伝えました。そしてもう一匹Aliceという6ヶ月のパピーがいるので、その仔にも会ってみてから明日にでも電話をくださいと言って一家と別れました。

その晩Paulaから電話があり、Aliceにも会ったがAliceはPaula夫妻にはフレンドリーだったが子供達にまったく興味を示さず、皆Laceyがすっかり気に入ってしまったとのこと。塀に関しては早速明日ご主人のBrianがゲートを取り付けて全部囲いをつけることにしたので安心して欲しいとのこと。私はPaulaに人柄を信じてLaceyのアダプションをOKしました。

翌(日)Laceyを連れて再びPetcoで待ち合わせ、Laceyは晴れてBrowns家の家族として迎えられたわけです。Paulaは「私達家族を信頼してLaceyを託してくれて本当にありがとう。」と言ってくれました。ドッグフードやトリートやおもちゃを一緒に買い物してからPaulaの車の中のクレートに骨と一緒にLaceyを入れてあげたときには、やっぱり胸がキュンとしました。「いい仔でかわいがられるようにね、Lacey頑張るんだよ。」

早速その翌日Paulaから電話があり、LaceyはLucyという新しい名前をもらって今週春休み中の子供達と楽しく過ごしているとの報告がありました。パピークラスにも早速申し込んだそうです。

この3人の子供達にとって、これから先Lucyと一緒に成長していくことがどれほど多くの楽しい思い出を作り出し、そして動物との生活を通しどれほど多くのことを学んでいくのかを考えるだけで、私まで嬉しくなってしまいました。うちの3人の子供達も今は亡きMaxとRoxyと一緒に成長していったように。

奇しくもこの日はRoxyの5回目の命日でした。

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