フォスターファミリー体験記 – Lacey(2)

Lacey(2) 

結局LaceyがBrowns家で過ごしたのはたった一週間でした。

お母さんのPaulaは一生懸命頑張ったのですが、とうとうこのままLaceyを飼いつづけることは無理と判断し、私もLaceyにはこの家族は不向きと納得しました。

一番の問題は子供達がLaceyを怖がってしまったことです。

前回にも書いたとおり、まだ4ヶ月のLaceyには甘噛みと飛びつきがあります。それらを止めさせるための躾けを初めから一貫してきちんとする必要がありますがなにせPaulaのうちの子供達は4歳、6歳、8歳と小さく、特に3人が自転車で遊んでいるときにはLaceyも興奮して追い掛け回してしまったそうで、末の女の子はLaceyを怖がってしまいました。
そのためLaceyを常にクレートに入れてと頼むようになってしまったとのこと。
上の二人にはLaceyもさほどしつこくしなかったそうですが、おそらく自分と大きさの一番近い末っ子とはパピー同士のように遊びたかったのかもしれません。

いずれにしても私はBrowns家にLaceyを託したことを反省しました。我が家では一緒に遊ぶ犬もいたし、少しでも図に乗るとDaisyがガウっとLaceyを叱ってくれていました。
HollyもLaceyの“遊んで!”を適当にかわしていましたし、LaceyもNoahには一目おいていました。でも4歳の女の子はLaceyにとって絶好の遊び相手と映ったのでしょう。

何回かの電話での相談の末、私は(月)に再びPetcoで待ち合わせLaceyを引き取りました。たったの一週間でも、そしてこんなに手のかかったLaceyでも、Paulaは愛着を感じてしまったようで目頭を拭っていました。「今度こそもっと落ち着いて子供達と仲良くできる犬をきっと探すから連絡を取り合いましょうね。」と私はPaulaと約束しました。

私は先日Laceyを3日間預かったとき大変だった経験から、主人が単身赴任で留守のうえフルタイムで働く私にはパピーをフォスターするのは無理と判断し、別のフォスターファミリーを探してLaceyを届けました。この家族は夫婦ともに引退しており、10歳の黒ラブのMaggieと13歳の猫を飼っています。私がLaceyを連れていくと、久々のパピーの登場にご夫婦ともに喜んでいる様子。MaggieのほうもLaceyに「遊ぼう、遊ぼう」と飛びつかれても別に迷惑がっている様子も見られません。この家でならLaceyものびのびと暮せるだろうと思い、庭がちゃんと塀で囲ってあることを確認し、Laceyの一時預かりをお願いしました。クレートトレーニングも引き続きしてくれるそうで安心しました。

さてその夜メールをチェックしてみると、早速Laceyのことで問い合わせが入っていました。この家族は私がフォスターファミリーとして登録しているOFOSA(Oregon Friends of Shelter Animals)から今年の1月にClaireという名のFlat coated retrieverをアダプトしたそうです。私はこの家族に面識はありませんでしたが、Claireのことはよく覚えていました。Claireはもう一匹の大型犬Sampsonとともに、台湾人の家族から引き取られこの一月にOFOSAによってアダプションに出されました。この台湾人の元飼い主は不況で本国に帰らなければならなくなったために、2匹を手放したのです。私はボランティアで一日Claireと一緒にPetcoで過ごしたことがあるのです。その時のClaireはひどく怖気づいており、私の後ろに隠れたきり誰のそばにも行こうとしませんでした。こんなClaireに新しい飼い主が本当に現れるのか不安に思ったほどでした。

この新しい飼い主のCathyによると一月にClaireをアダプトしてから、3ヶ月近くたった今やっとClaireの心が開いてきてくれたそうです。そして春休みを友人の犬と一緒に過ごしたことが大きなきっかけとなりClaireはやっと笑顔を見せてくれるまでになりました。ところが休みが終わりその犬が去ってからというものClaireはまた精神的に落ち込んでしまったそうです。そこで、Claireのためにもう一匹遊び相手を探しているのだとメールには書かれていました。

(土) 私は半日仕事でしたがその足でPetcoに駆けつけました。CathyというClaireの飼い主が3人の子供とClaireを連れてLaceyに会いにやってくることになっていました。Petcoの店内で会わせた2匹は一緒に遊ぶでもなく、かと言っていがみあうわけでもなく、割と淡々として見えました。そこでCathyの提案で2匹を自分の家の庭に放して様子を見ることにしました。そこで私はClaireの大学生の長男に道案内のため一緒に車に乗ってもらい、Petcoからさほど遠くない彼らの家を訪問しました。今日は先週と打って変わってポートランドはやっと春めいて暖かい一日です。さて、庭に2匹を放すとどうでしょう!Laceyが盛んにClaireを遊びに誘います。ClaireもPetcoにいた時とは打って変わって大喜びで走り回ります。お母さんのCathyも子供達も大喜び。散々飛び回った2匹は同じボウルからガブガブと水を飲んでいます。この2匹ならきっといい遊び相手になることでしょう。

私は庭を点検して危険なものがないかを調べました。塀の2箇所に少し隙間があり、Claireは大型犬なので問題なかったのですが、Laceyなら簡単にすべり出ることができそうなので、そこに板や大きな石を置いて応急処置をしてもらいました。

Claireは食が細くまた好き嫌いが激しいそうですが、Laceyはいつでもお腹を空かしているタイプで、あっという間に平らげてしまいます。ですからClaireの残したフードは必ず高いところに上げてもらうように頼みました。

Laceyはまだパピーなのでいたずらされたら困るもの(子供達の宿題とか)や、食べ物は必ずLaceyの手の届かないところにおいてもらうこと、トイレトレーニングがまだ完璧でないので留守にするときはクレートか拭き掃除の簡単なプラタイルの床の部屋などに入れてくださいと頼みました。きっとすぐにClaireがトイレの場所を教えてくれることでしょう。

真ん中の女の子は12歳、下の息子は10歳ですから、Paulaのうちのように子供を追い掛け回して怖がられることもないでしょう。それにClaireという絶好の遊び相手がいたらその必要もないですね。私がLaceyが“Sit”と“Down”をすでに覚えたことを見せたら、子供達はこれからFetch(リトリーブ)やいろんなコマンドをLaceyに教えると張り切っています。

このうちならLaceyはLaceyらしく振舞うことができるでしょう。よかったね、ちょっと遠回りしたけどやっとあなたのForever Homeが見つかったよ、Lacey。(2009/4/22)

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