動物孤児院 (14)犬のフンの放置が罰金制度に
今、至るところに立つ広告塔には、ウンチしようと足をふんばっているロットワイラーの写真があります。その下に大きく書かれた「35ユーロ」。そう。犬のウンチを放置すると罰金を取られることになったのです。35ユーロは邦貨で約5000円。
しかし、モデルのロットワイラーはいいとして、このポスターはどう見ても変なのです。「トイレ」が、草むらなのです。いつから、ドイツでは野原でさえ禁止になったのだろう…と私は疑問に思い、市に電話をすると、「野原じゃないですよ。公園なんです」との応答。けれども、公園の草か、野原の草か、ポスターでは見分けがつかないのです。ドイツ人は草の生え具合から、この写真が公園で撮られたか、野原か判るということでしょうか。そうだとしたら…スゴイです、ドイツ人の判断力は(!)。
テレビでは、愛犬(ダルメシアンでした)のフンをそのままにして立ち去ろうとした男性を二人組みの警察官が呼び止めて、罰金を言い渡す場面を放映していました。飼い主は憤然としていましたが、フランクフルトの繁華街で愛犬にフンをさせ(しかも、チワワのフンとは量は違う!)、そのままにして何とも思わない人間の頭の構造はどうなっているのだろうと考えてしまいます。
我が家の前にもフンの放置が続いたので、ついに張り紙をしました。
「私たち、犬が大好きです。でも、あなたの犬の落としていった物は好きじゃありません。ビニールの袋を持参して持って帰ってください。ところで、この先50メートルも行けば、野原もあります」
以来、放置されることはなくなりました。このポスターは大成功で、アマチュア写真家がポスターの写真を撮って行きました。
(2003/07/07)
(小野千穂)