動物虐待の警鐘
動物虐待の警鐘
動物虐待は犯罪のひとつですが、心理学上、犯罪学上、動物虐待をする子供が大人になって凶悪な殺人事件を犯す確立が高いと言われています。
以前、都内で、悪質な動物虐待事件がありました。小さな公園の砂場でその小さな犬は発見されましたが、まだどうにか生きていました。マンションの屋上から投げられ、口には棒が刺さっていました。獣医師の治療と看護で数日間は生きられました。
この虐待事件の前後、数ヶ月、地域周辺では猫や犬が無残に殺され捨てられていました。
前述の獣医師は、偶然、犯人らしき人物と接触し、警察に通報しましたが、残念ながら、実際に虐待する現場を押さえているわけではないので、表立って、捜査はできないようでした。誰か人が傷つけられたりと事件が起きてからでないと警察は動いてくれません。
犬や猫の虐待にとどまらず、もしも子供に危害が加えられたらと地域の住民は心配でした。この犯人と思しき人物、その後、地域から消えましたのでそのような虐待事件は無くなりましたが。
オレゴン州で起きた虐待事件では、Oregon Humane Society (OHS)が犯人探しを徹底して行いました。犯人逮捕に繫がる情報提供者に賞金を出すそうです。さすが動物愛護先進州ですね。
日本の警察は何も事件になっていないと動いてくれません。ストーカー被害者が相談しても動いてくれず殺されてしまったという事件は、記憶に新しいですね。
せめて、このような虐待事件が頻繁に起こっている地域では、人への危害が加えられる前に犯人探しをしてほしいものです。事件が起きてからでは遅いのです。
日本の警察は、近頃は「住民を守る」という観点からはずれているように思うのですが。まあアメリカも大差はないのですが、動物虐待犯を見逃さないという点では一歩先んじているように思います。
日本の場合、目に余る動物虐待と思われる状況があったら、通報する場所は、まずは地域の保健所です。しっかり住所氏名を名乗って通報してください。(2009/8/4)(LIVING WITH DOGS)
オレゴン州で起きた動物虐待事件
7月13日早朝オレゴン州ミルウォーキー市のある高等学校の校庭でボストンテリアの死骸が発見された。この犬の飼い主は現場から500メートル離れた住宅街に住んでおり、前夜10時頃この犬Bandit (5歳オス)を裏庭に出したが20分待っても帰ってこなかったので心配していた。
発見されたBanditは刃物で首を何箇所も刺され、皮を剥がれ、切断されるという無惨な姿だったらしい。
Oregon Humane Society (OHS)は、「動物をこのように残酷に扱う犯人は、人間に対しても同様に残酷になる恐れがある」として、本事件の犯人逮捕につながる情報を提供した人には$1000(約95万円)の賞金を出すと報道している。
オレゴン州では悪質な動物虐待(動物を悪意を持って殺害、または故意に苦痛を与えること)は重罪として扱われ、最高5年の刑務所入りの処罰の対象となる。
OHSではオレゴン州知事から任命された3人の捜査官が常勤しており、毎年1000件を超える動物の飼育怠慢、放棄、および虐待に対応している。
これらの動物放棄や虐待を目撃した州民が、個人の情報を公にせずに通報できるよう、OHSには動物保護ホットラインのほか、簡単に要点を記入し報告できるオンラインレポートも用意されているのは嬉しいことである。
ただし緊急の医療行為を必要とするケース、および犬が吠えることへの苦情、迷い犬、犬に噛まれた場合などは、このホットラインではなくアニマルコントロール(動物管理局)へ連絡するよう呼びかけている。
また私が感じる限り、個人レベルでも動物の飼育怠慢や危険な飼育現場を是正する行動を取る人が多くいる。つい先日も友人からのメールで、救助した猫2匹の一時預かりか引き取り手を捜していた。友人がこの猫たちが車の中に取り残されているのを見つけた日は気温が摂氏32度にも上がっており、あと一時間救助が遅れたら命を落としていただろう。警察官が友人の要請で状況を判断し、開錠してくれたためにこの猫たちは一命を取り留めた。私は早速このメールと猫たちの詳細や写真やオフィスの休憩室に貼ったり、仕事仲間に転送し、幸い今週末にもアダプションが決まりそうだ。
悪質な動物虐待でなくても、このように飼い主の不注意から動物を傷つけたり、死に追いやってしまうことがないよう充分注意したいものである。(2009/8/4)(アメリカ、Y.Mさん)