NHK番組「ペットは泣いている」から

NHK番組「ペットは泣いている」から

NHKクローズアップ現代ではこれまでペットに関する内容を取り上げていますが、今日の内容は、これまで以上に現状をしっかり取材して取り上げていたように思います。

4年前に動物愛護法が改正されましたが、動物取り扱い業者の規制をしたはずが、何も機能せず、結局、繁殖業者の無法状態が続いています。

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不況の影響で消費が冷え込む一方、インターネットを通じてペットを販売する業者の新規参入が相次ぐなど、販売業者は増え続けている。このため、価格競争がエスカレートし、そのしわ寄せはペットを直撃している。

インターネット・オークションで子犬販売をしている人が登場しました。
命をオークションにかけるとは何たることでしょう。この人、まったく悪びれていません。「ただ近頃は値が下がった」と。

殖やすだけ殖やして、市場は子犬過剰になり、子犬の値下がり、値引き合戦の末、餌代に困って殺処分するような現状です。

繁殖業者では、飼育環境は劣悪の中、ひたすら産めや殖やせと繁殖し、産めなくなると保健所に殺処分するために持ち込みます。

熊本市動物愛護センターの「安易に引き取らない」取り組みが紹介されました。

できるだけ、飼い主さんに捨てるのを踏みとどまってもらおうという説得を行っています。確かに、熊本市では殺処分数が10年前の10分の1に減ってはいます。
愛護センター職員の努力で飼い主さんも捨てることをやめた人もいるでしょう。

ガス室に入れられる犬や猫たち。その映像を見る飼い主候補の女性は涙を流します。

不要犬回収車に犬・猫を持ち込む飼い主、「犬に食べさせるよりも人のほうが大事でしょう?」と言いながら。生まれたばかりの子猫も回収車に。

ARKのエリザベス・オリバーさんが紹介されました。「日本人は子犬が好きだけど、子犬はしつけが大変、成犬ならば、もう成長しているので大きさは変わらないし、しつけも入っているし」と。

子犬ではなく成犬を飼うことのメリットとして、10歳のMダックスと暮らす方は「落ち着いているので以前の暮らしとあまり変わりません」と話した。

そして、ゲストの野上ふさ子さんは、英国のブリーダーと日本のブリーダーの違い、登録制と、許可制の違い。繁殖業者の視察は連絡なしで突然行う必要あり、規制は環境を数値でしっかり示す必要があると語った。

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クローズアップ現代では語られていませんが、熊本在住の方に聞いてみると、「熊本市で引き取ってもらえないので、他県に連れて行って捨てている」ということは近県の殺処分は増えているのかも?という悲しい実態も聞こえてきます。

日本のブリーダーは、繁殖業者であって、英国でいうブリーダーとは異なります。日本にも真のブリーダーはいますが、1犬種のブリーディングのみにこだわり、ペットショップに子犬をおろしません。

乱繁殖をどうしたら止めさせられるか?子犬は増えても売れない状況なのに、なぜ繁殖し続けるのか?繁殖業者が大量放棄して起訴されても、この業者は他の県に移って、またもや繁殖をする。これの繰り返しです。

LIVING WITH DOGS がここに敢えて付け加えるならば、ペットショップでの生体展示販売を禁止することがまずは過剰な繁殖をストップさせるために必要だと思うのですが。

ただ、近年のインターネットでの販売は規制が行き届かず、誰でも繁殖者になれ販売も簡単にできてしまう。これをどうしたら止めさせることができるだろうか。
これから犬を飼いたい人たち向けに、このような番組を何度も繰り返し放送してほしいと思います。(2009/8/5)(LIVING WITH DOGS)

クローズアップ現代

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