悲惨な多頭飼育現場(埼玉)

悲惨な多頭飼育現場(埼玉)

またもや多頭飼育現場から大量の放棄が出ました。
埼玉県の町有地を不法に占拠し17年間も大量の犬達を飼育していた飼い主が、保健所に処分を依頼したそうです。

この飼い主、最初は、善意から、かわいそうな犬を保護することから始まったのでしょう。夫婦で1頭から徐々に増えていって、17年間にわたって80頭ほどの犬になってしまい、ご主人が亡くなり、奥さん一人での世話は不可能になったとのこと。
おきまりの保護活動の末の破綻です。ここも日本中にある犬捨て山の一つです。
自分の手に余る数の保護をしては、保護された犬達も決して幸せにはなれません。(2009/8/22)(LIVING WITH DOGS)


町有地占拠して犬60匹、保健所に処分依頼
 
小さなおりに詰め込まれるように飼育されている犬たち(埼玉県栗橋町で) 埼玉県栗橋町の町有地を不法に占拠し、敷地内で約17年にわたり大量の犬を飼育していた飼い主が今年6月、「世話ができなくなった」として約60匹の犬の処分を幸手保健所に依頼していたことがわかった。

保健所から連絡を受けた動物愛護団体は引き取り手を探すとともに、飼い主や町の対応に批判を強めている。
地元の動物愛護団体「動物の幸せを結ぶ会」(栗橋町、K・M代表)とNPO法人「日本動物生命尊重の会」(東京都、K・Y代表)のメンバー約10人は16日、現地を訪れ、おりの清掃や餌やり、名札の取り付けなどを行った。

約80匹いた犬は、治療や一時預かりなどで一部が別の場所に移され、45匹が狭いおりの中からじっと作業の様子を見つめていた。鳥かごのような小さなおりに、首をすぼめて入れられた犬もいた。

「これでも、だいぶきれいになった」(K.M代表)と言うものの、長年放置されていた汚物の悪臭はいまだ残り、一角には餓死したとみられる犬の白骨化、ミイラ化した遺体が山積みの状態。生まれてからずっと小さなおりの中で育てられてきた反動か、どの犬にも攻撃性がない。K・M代表は「一刻も早く、この環境から救ってあげたい」と話す。

町などによると、飼い主は地元の夫婦で、1992年頃から284平方メートルの町有地を不法に占拠。町は93年3月までに7回、立ち退きを要請したが、夫婦は「代わりの土地を用意してくれなければ、犬をすべて放す」などと主張したため、町は野犬化することを恐れて要請を自粛。その後は交渉の記録もなく、実質的に“黙認”してきた。

しかし昨年、夫が亡くなり妻1人になったため、「飼育が困難になった」として幸手保健所に処分を依頼。保健所から「あまりにも大量」として連絡を受けた両会が、日常の世話や引き取り手探しを始めた。町は「結果的に町の対応が今回の事態を招いたと言われても反論できない」としている。

両会によると、ペットブームを背景に、販売目的で多くの犬や猫を飼育しながら、手に負えなくなって放棄する飼い主が全国で相次いでいる。中でもペット需要の高い都心から近く、郊外に広い土地のある埼玉県内で目立ち、「日本動物生命尊重の会」が引き取り手探しにかかわった5件のうち4件は県内だった。

K.Y代表は「飼い主のモラルはもちろん、行政や住民が劣悪な環境での飼育にもっと監視の目を強めることが必要」と訴える。現在、引き取り手を探している犬は59匹。問い合わせは、「動物の幸せを結ぶ会」「日本動物生命尊重の会」へ。
(2009/8/21)(読売新聞記事より)

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