山梨「犬捨て山その後」マルコ・ブルーノ

山梨「犬捨て山その後」マルコ・ブルーノ

山梨のかつての「犬捨て山」のことですが、現在は2ヶ所だけになっています。10年ほど前は400頭前後の犬たちがいましたが、たくさんの方が里親になっていただきましたお陰で現在は100頭以下まで減少しました。
長年悲惨なところに収容されていた犬たちのために、当会は皆様からいただきました暖かい寄付金のお陰で新しい犬舎を建設し、2年間の作業の末、平成16年に、当時の大月保健所、都留市役所と帝京科学大学の学生たちのご協力によって都留市に一番近い収容場所に残っていた犬たちの移動を行ってから、二度とこのような不衛生な現場に犬を集めることができないように、古い犬舎を撤去し、この場所を閉鎖することができました。
 これからは残っている犬たちのための里親探しを継続し、現在の2ヶ所も閉鎖することが私の最終的な目標です。

はじめて、私があの山梨の捨て場を見に行ったときのことを思い出すだけでも、寒気がしてきます。これほど悲惨な状況におかれている犬たちを見たことはありませんでした。
山奥にフェンスで囲った土地が数カ所ありました。廃材でつくった犬小屋のほとんどは雪や風の被害を受け、犬たちを悪天候から守るものは何もありませんでした。あそこに集められたかわいそうな犬たちは雪に埋もれたり、雨に打たれたりの毎日でした。そして夏のあいだ、日差しから逃れることができずに、犬たちは土に残っていたほんのわずかな水分をなめながら命をつないでいました。このような過酷な状況におかれたにもかかわらず、一週間や十日間水ももらえないこともしばしばありました。
当時、これは山梨だけの問題だと思いましたが、これが日本の現実そのもだということを時間がたつにつれ思いしらされました。
しかしただ嘆いても、悲しんでも、何も変わりません。肝心なのはあきらめないということです。
かつて「犬捨て山」と名付けられた場所は、今、言葉通りの多頭飼育現場に変身しました。大月保健所と都留市役所、現地で一生懸命に犬たちの世話をしていただいている小林さんと仲間、帝京科学大学の学生たちと大勢の支援者のお陰で、今現地に残っている犬たちは「喰っちゃ寝」というのんびりした生活をおくっています。

それを裏付ける面白い話があります。里子に決まった犬を山梨の現場から連れ出すたびに、里親に届ける前に、長年大変お世話になっている梅島動物病院で健康診断を受けることにしています。以前は、「この子は痩せすぎて、これから栄養を付けるように里親さんに言ってくださいね」と毎回注意をされました。ここ数年のあいだ、院長先生の言葉が逆になりました。
「マルコさん、この子は太りすぎよ。徐々に3-4キロを減らすように里親さんに指導してくださいね。」確かに、太りすぎも良くないと分かっていますが、以前、現地で飢え死に一歩手前の犬たちのことを考えると、真剣に注意をうながす先生の言葉を聞いて、嬉しくなってしまうような気持ちになります。

動物愛護支援の会は、会員の皆様になるべく金銭的な負担を押しつけないようなボランティア活動をめざし、それに理解していただいている支援者や協力者がたくさんいます。
保護した犬や猫の健康管理をしていただいている梅島動物病院のK院長先生は山梨で生まれたワンちゃんの里親でもあり、長年、大変お世話になっています。そして交通の犠牲になったホームレス猫や保護してから病気で亡くなったかわいそうな犬や猫を手厚く丁寧に火葬していただいているVIPペットサービスのF社長、WEBサイトを管理し、素速い修正をしていただいているIntechのTさん、里親募集のチラシ貼りを気持ちよく引き受けていただいている皆様とたくさんのカンパ、ドッグフード、ペット用品、などなど定期的に郵送していただいている方々、感謝の気持ちでいっぱいです。本当に、ありがとうございました。(2009/11/27)(マルコ・ブルーノ)

*今後ともご支援とご協力をよろしくお願いします。
もしもお心遣いいただけますならば、以下によろしくお願いいたします。

郵便貯金 記号10070 番号67605971 動物愛護支援の会


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