愛のしっぽ(vol.15) シーズーの犬三味線

シーズーの犬三味線

「えッ!? 犬三味線? そんなバカな……日本の三味線は猫皮に決まっている。」とは一般的な反応。そう、犬皮を使用している三味線もあるということを知らない日本人が多い。安い練習三味線もそうだし、舞台の音響設備の場合、犬皮の方が音の通りが良いと言われている。
 驚いた? そうでしょう…でも驚くのはまだ早い。問題は三味線用の犬皮をどこから手に入れるということだ。
 隣国から輸入するという話もあるが、国内で不要になった繁殖犬や売り残りの犬という話を知っていた?
 皮の厚い中型と大型犬は使いものにならないから、小型犬または子犬が犠牲になってしまう。写真に出ている4匹のシーズー犬も、ペンペンの皮になるところ、危機一髪、助けることができた。

 数年前、葛飾区小菅の水路に捨てられた29頭の犬の頭部で大騒ぎになった肉業者の近くに、暗くて不衛生な小屋の中にいろいろな動物を集めている怪しい人がいる。近所では「猫取り□□□」と呼ばれている。
 場所は足立区綾瀬。話によると、公園に屯している猫だけではなく、周辺の飼い猫も次々消えてしまうとのこと。時々、小屋の中には小型犬も入っているそうだ。

あいまいな表現で何の役にも立たない動物愛護法に基づいての虐待追及は期待できないし、人の犬や猫という証拠があったとしても、ただの器物破損で終わってしまう日本。

猫たちの失踪を調査し、この猫取り業者の動きを見張っていた近所の人から、「今回4匹のシーズー犬が捕まったようだ」という通報が入った。その前の年、2匹の白いプードルが助け出されたばかりだった。またか! 早く助けてあげないと皮工場に持ち込まれてしまう!当時、業務に大変熱心だった足立区保健所にも協力してもらい、4匹とも無事に助けることができた。

1日でも遅れていたら、この犬たちがワンワンではなく、ペンペンと鳴く運命になっていたかもしれない。

◎エディーとマーフィは足立区に貰われ、オードリーは原宿の住民になった。そして婆さんのマミーは我が家での老後生活を楽しんでいる。 
 
 (2007/03/20)(足立朝日連載記事より)

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