年末の多頭飼育現場から

年末の多頭飼育現場から

2010年明けましておめでとうございます。

LIVING WITH DOGSは、殺処分される犬がゼロとなる日を目標に、そして日本中の犬達が安心して暮らせるような社会になるように、日本中の飼い主さんの意識の底上げに少しでも役立つ情報をお送り続けたいと思います。

景気は回復はするのでしょうか?

年末飛びこんで来たメールに、倒産した飼い主さんの犬達の里親募集がありました。不況のしわ寄せは、これまで幸せだった犬達に直接影響します。
かつてバブルが崩壊した頃は、超大型犬の放棄が目立ちましたが、ここ数年の不況では小型犬人気の傾向から、大型犬はもちろんですが、中型犬や小型犬までもが不要犬として犠牲になっているようです。

動物愛護センターに持ち込まれる不要犬は、かつては即日殺処分でした。しかし、近年、殺処分数を減らそうという動きから、少しづつですが、生き延びられる犬達も出てきています。

動物好きが行き過ぎて、救ったつもりがどんどん増えて多頭飼育になります。年末の新聞に福岡の多頭飼育現場の記事がありました。

地域行政は、口頭で指導していたそうですが、まったく改善されていません。このような迷惑な多頭飼育は告発されなければなりません。

60頭もの犬が狂犬病予防接種もせずに飼育されています。60頭のうち33頭がこの飼い主の犬で、それ以外の27頭は預かり犬だそうです。犬を預かるのは認可を受けなければなりませんが、この飼い主そのような資格はあるのでしょうか?不衛生な多頭飼育現場から犬達を保護し、まともな飼い主を里親として見つけることをボランティアの協力を得ながら、行政が行う必要があるでしょう。

そしてこの問題の飼い主は、今後、犬猫動物を一切飼ってはならないという法律を作らなければなりません。英国やドイツ並みの動物愛護法が出来れば、このような飼い方は出来ないのです。

日本には、こういう飼い主によって、犬捨て山がたくさん出来ています。行政が多頭飼育をする飼い主を法律で規制していかないと犬捨て山はなくならないでしょう。
朝日新聞が取材していますが、どうもあまり適確な取材ではなさそうです。もう一度しっかり取材をして欲しいですね。(2010/1/4)(LIVING WITH DOGS)



民家に犬60匹、近所とトラブル 飼い主、殴られけがも

福岡県直方市の民家で60匹の犬が飼われ、鳴き声や悪臭が近所とトラブルになっている。今月になって飼育法をめぐり傷害事件まで起きた。苦情を受けた県は約6年前から、飼い主の30代男性に動物愛護法などに基づいて適正に飼育するように口頭で指導を繰り返してきたが、勧告や警察への告発まではしていなかった。
事件は12月18日に起きた。狭い路地を挟んで隣に住む無職男性(73)が、自宅前の路上にいた飼い主の頭を鉄の棒で殴り、軽傷を負わせた傷害の疑いで、直方署員に緊急逮捕された。男性は朝日新聞記者と接見し、「殴ってしまったのは申し訳なかった」としながらも、「昼夜を問わない犬の鳴き声を何とかしてほしいと何度も訴えたが、聞いてくれなかった」と話した。
容疑者男性は、隣家の犬の鳴き声対策で、約8年前から数十万円をかけて家の防音工事を行ってきたが、半年ほど前からは睡眠薬なしでは眠れなくなったと主張している。
飼い主方の敷地は約700平方メートル。記者が実際に訪れると、敷地の周囲を取り巻くさくの内側や、庭に設置されたおりの中にいる犬が一斉にほえ始めた。室内からは無数の小型犬の鳴き声が聞こえ、シャッターの下りた車庫の中からも声が漏れていた。近所の住民によると、ピレネーやドゴ・アルヘンティーノ、ミニチュアダックスなど、10種類を超える犬がいるという。
周辺には犬の排泄(はいせつ)物によると思われる悪臭が漂っていたが、地元の自治区長(57)によると、「飼い主方の排水溝から流れ込んだ汚物のにおいが側溝から出ている」のだといい、鳴き声とともに悪臭についても住民間で苦情が出ている。飼い主に対し、2年前にも注意したが、対策は講じられなかったという。
県嘉穂・鞍手保健福祉環境事務所(同県飯塚市)によると、2003年12月に住民から「鳴き声がうるさい」「汚物が側溝に垂れ流しになっている」などの苦情が寄せられるようになり、動物愛護法や県動物条例に基づき、07年6月までに計8回、飼い主に口頭で改善を指導した。
指導で改善されない場合、文書による厳重注意や勧告、警察への告発もできるが、そこまではしていなかった。この飼い主への苦情は計10件だが、昨年度以降は2件で、担当者は「苦情が少なかったため、指導にとどめた」と説明している。
傷害事件の被害者となった飼い主は事件後、同事務所などの聴取に対して、60匹のうち33匹が自分の飼い犬で、1匹も狂犬病の予防注射を受けていないことも認めた。残りの27匹は預かり犬などで、予防注射の有無は不明という。その後、5匹に予防接種を受けさせ、今後も月に5〜6匹ずつ受けさせることを直方市と約束。同事務所は「適正な頭数になるよう、今後も指導を続けたい」としている。
飼い主は28日、朝日新聞の取材に対し、「話すことはない。改善はする」と話した。(2009/12/31)(朝日新聞記事より)

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