動物孤児院 (23)私の国「コロ共和国」の犬愛護法
(23) 私の国「コロ共和国」の犬愛護法
The moral progress of a nation and its greatness should be judged by the way it treats the animals.———–Mahatma Gandhi
国家の道徳的な面での進歩とその国の偉大さは、その国が動物をどのようにあつかうかで判断できる。(ガンジー)
今日、私の国「コロ共和国」の犬愛護法の一部を紹介したいと思います。
コロ国では犬を虐待することは犯罪と見なされます。犯罪者は、罪の程度によって処罰されます。たいていは、犬のための道具工場で働くことになります。犬を殺したりすれば、一生独房で犬のためのハーネス作りをすることになります。犬の布団作りの工場の場合もあります。
犬をつないで飼ってはなりません。狭い檻で飼うことも禁止です。つまり、犬がノイローゼになるような飼い方をすることは犯罪なのです。
犬がつながれて飼われていたり、散歩に連れて行ってもらえないと判断できる場合は、政府の機関が犬を取り上げる権利があります。そういった飼い方を見て見ぬふりをしてはなりません。「飼い主であるから自分の犬をどう扱ってもよい」という理屈は私の国では通用しません。
犬をむやみに増やすことも禁止です。
犬を繁殖させたい人は登録する義務があり、その人の家が犬を快適に過ごさせるのに適しているかどうかの審査があります。勝手に交配させる自由はありません。そして、スタンダードに達しない小犬を殺す行為は、もちろん犯罪と見なされます。繁殖する人は、売れ残った犬を一生自ら飼い、天寿を全うさせるという義務があります。犬を買った人が何らかの事情で犬が買えなくなり、ほかにその犬を望む人がいない場合は、その犬が何歳であろうと引き取る義務があります。そして、犬を売った場合、犬の価格の8割を税金として徴収されます。つまり、犬を売って儲けることは私の国ではありえないわけです。
犬を飼う人は登録して、ちょうど結婚式のように、法律のもとに契約をすることになります。
「あなたはこの犬を、一生、家族の一員として面倒みると誓いますか」という問いにサインしなければなりません。犬を飼うにはそれなりの覚悟がいるというわけです。これは、「愛犬家族契約式」と呼ばれ、最近はこの式のために盛大なパーティーを開いたり、新しい犬との記念写真撮りや、記念グッヅ作成などがちょっとしたブームです。このことは飼い主としての認識を深めることには役立っているようです。経済的な余裕も、時間的な余裕もないのに、安易に犬を飼おうと思っている人が犬を飼うことを思いとどまるきっかけにもなります。犬を飼うということは、決して簡単なことではないからです。一頭の犬の一生を面倒みる、ということ。それは、神様からひとつの大切な命を預かるということなのですから。
いかがでしょう? 「コロ共和国」の犬憲法について少しだけご紹介いたしました。また機会がありましたら、ほかのこともご紹介しましょう。わんわん!
(2004/06/05)
(小野千穂)