英国のホームレスの犬
英国のホームレスの犬
最後に私が英国に行ったのは1996年頃、まだ先代のトレーシーも幼い頃でした。英国の行く先々で、犬と一緒に旅行をしているご夫妻を見かけました。その光景がとってもうらやましく感じて日本でもそうなっていくだろうと期待したんですね。当時、私は英国では犬連れホームレスは見た覚えがありません。
その後、スペインに2回、イタリアに1回とフランスに1回、ヨーロッパに行ってますが、英国とはまったく異なっていました。
スペイン、イタリア、とくにフランスは放置糞が多くてあきれてしまいます。スペインではまだペットショップで生体販売もしていました。まあ日本のように夜間まで煌煌とした売り場での販売と言うことはありませんでしたが。
ただ、スペインやイタリア、フランスでは犬連れのホームレスと思わしき人が缶カラを前にして物乞いをする姿が必ず見られました。観光で有名な町には必ずと言って良いほど、犬連れホームレスが街角にいましたっけ。
なんと、そのようなホームレスが英国にもいるとの事です。それも、後ろ足が不自由な犬を連れているそうです。
以前、大阪で犬の足をわざと切断し、治療費として募金集めをしていたオヤジがいましたよね。一瞬、このオヤジと同じ事をしている?なんて思い出してしまいました。
近頃の英国は英国在住の小林さんからも憂える状況であると言ってます。(2010/3/11)(LIVING WITH DOGS)
ニックと話してわかったイギリスのホームレスの犬たちの真実
ニックと会うたびにイギリスの話、動物の話、政治の話、日本の話、日本の夫婦に失望した話、アメリカが退屈だった話、などなどいろいろな話をする。
お茶を飲みながら、何の話からか、ホームレスの話になった。
今までに何回かイギリスに行ったが、そのたびに犬を連れたホームレスを見た。
ユーストンの駅でまるまる太ったおじいさんがやっぱり太った犬を連れていて「釣銭でいいからおくれよ」とやっていた。
ナイツブリッジの地下鉄の駅付近にも犬連れのこじきがいた。
昨年はコヴェントガーデンちかくの路上でとても可哀想な犬を連れたこじきを見て胸が痛み、それがいまだに私の脳裏にやきついている。
犬はボーダーコリーで後ろ足が1本無かった。
その犬を連れていた若い男は地面にさっと布をしき、簡単な合図を送ると犬は慣れた様子で布の上にフセの形で座った。
男は五体満足。健康そうでいつでも働ける感じだった。
犬に対する同情心と男に対する不信感で強く印象に残ったのだ。
残念なことにニックは恐るべきことを私に告げた。
「イギリスのホームレスの犬の多くが3本足なんだ」と。
これはただごとではないと思った。
「飼い主がやってるのね?」
と聞くとニックは「おそらく。だってそのほうが余計に人々の同情をひくからね。」
単なる旅行者では気がつかない現実だった。
ニックは日本に来て3年。
その前に一年間アメリカにいたから少なくとも4年以上前からイギリスのホームレスの犬には3本足が多いことになる。
動物愛護先進国のはずのイギリスでどうしてこんなことが許されているんだろうか?証拠がないから?
金融危機で経済が最悪のイギリスで、これから犬たちはどうなっていくんだろう。もう私たちのお手本とは言えないのだろうか?(2010/03/11)(東京都 MTさん)