動物孤児院 (5)生ませるな、増やすな

(5) 生ませるな、増やすな

ドイツで、特定の種類の犬がほしいときはどうするか。
そのときは、その犬種の愛好クラブに連絡すると、子犬情報を教えてくれます。趣味で繁殖させている人は、新聞広告に出します。ほしいときにすぐ手にいるように「常時、子犬が生まれています」状態はありません。むやみに犬を増やせばどうなるか、常識あるブリーダーはわかっているでしょう。「売れない、要らない犬は殺処分」など考えられないことです。
長谷川町子さんの自叙伝漫画にありましたね。獣医さんが、コーギーの子犬を彼女のところに、「いりませんか」と連れてくる。しかし、彼女のところにはすでに犬が一頭いる。そこで、断る。そして、訊ねる。「その子犬、どうするんですか」と。獣医さんが答える。「注射で殺します。」それを聞いた長谷川町子さんは真っ青になって、その場で犬を貰い受けるのでした。
ある犬種が流行するたびに、私はペシミストになるのです。ハスキーが流行すれば、動物管理センターの殺処分用檻はハスキーでいっぱいになり、現在は、ゴールデンレトリバーがたくさん連れて来られているそうです。郷里のお坊さんが、動物管理センターにお経を唱えに行って、「ゴールデンレトリバーがたくさん殺処分される檻に入れられていて、ショックだった」と言っていました。日本の「住」条件を考えると、大型の犬は無理でしょう。大きくなる犬が流行ると、ぞっとします。犬を最後まで家族の一員として養う責任感と空間がある人たちが少ない日本で、中型以上の犬が流行しないことを祈るのみです。

(2002/12/27) 

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