動物孤児院 (69)私たちが今日、今すぐにできること。
私たちが今日、今すぐにできること。
今年の2月、LIVING WITH DOGS にあった「走る殺処分車」の記事を読んだとき、私は我が目を疑った。そして、すっかり落ち込んでしまった。
「走る殺処分車」?????????????
●日本の動物保護は前進していたのではなかったのか?
●4500万円もするトラックを購入した自治体の人たちの思考回路は一体全体どういう構造になっているのだろう?
●トラックの「鎮静室」の犬はおとなしくなるって? 希薄な空気のせいで苦しくなって動けないだけじゃないか! そのことに人は気づかないのか?
●4500万円もあれば、捨てられた犬たちのためにどんなことができただろう? 避妊去勢を施して、新しい飼い主を見つけるためにお金を使えるじゃないか。どうしても「殺す」のなら、麻酔注射での安楽死のほうが人道的だとその人たちは思わなかったのか? 安楽死の注射代に1頭1万円かかったとしても(そんなにかかるはずないが。たとえばの話)、4500頭分。
●この4500万円の、世にも恐ろしいトラックを設計、製造する人たち、購入に賛成した町議会の人たちは、どんな会話をしたのだろう?
「管理センターに到着するまでに息絶えていれば便利だな」
「後は焼却するだけだからね」
●住民はこのトラックが走っているのを見て、何と思うのだろう?そもそも町の人たちはこのトラックの存在を知っているのか?
子供が、
「ママ、あのトラック何なの?」と聞いたとき、親はどのように答えるのだろう?
生徒が教師に、
「先生、あのトラックは何ですか?」と聞いたとき、教師はどのように説明するのだろう?
日本には「犬猫出し日がある」と初めて聞いたとき、私はそれはジョークだと思った。以前、「不要犬ポスト」の写真を見たときも、すぐには信じられなかった(ジョークばかり載せた本にその写真があったのだ)。だが、どちらも事実だった。そして、今回は「走る殺処分車」の登場。このような最新機械を備えたトラックを生産するハイテク日本。どこまで突っ走れば気がすむというのだろう?
今すぐに私たちができることがある。
この事実を他の人に知らせること。
職場で、家庭で、学校で、喫茶店で、電車の中で、歩きながら、食べながら(ゴメン、こんな話、食欲落ちるかもしれないけどね)、メールで、チャットで、電話で、話し、伝えて、一人でも多くの人に知ってもらおうよ。口コミのパワーをあなどるなかれ。
スイスのルツェルンの日曜日
スイスはドイツの上をいく動物保護<超>先進国。犬を飼う人は、まず講習を受けなければならない。
ペット動物だけでなく、家畜の飼育に関しても、家畜ができるだけ良い環境で生きることができるよう、細かな法律がある。酪農従事者も、はじめはブツブツ文句言いながらも法律に従っているうちに、動物たちに良い環境を与えることが当然となってしまうそうだ。ドイツの動物保護家たちは「スイスを見習おう」と提唱している。