台湾の犬事情から日本は?
台湾の犬事情から日本は?
ドイツの小野さんから久々のメールが届きました。今回は台湾に滞在し、たくさんの犬達を見て悲しい思いをしたそうです。
小野さんはドイツに住みながらあちらこちら海外の国々を歩いていますが、先日のカナリー諸島の犬たちもそうです。
偶然ですが、今日の朝日新聞に、週間アジア特集面に台湾の犬事情が紹介されていました。
「ある動物愛護家が私財を投じてシェルターを作り、200頭以上を保護していたが、ご当人が石段を踏み外して急逝。残された犬達は処分されそうになったが、各地域の動物保護団体が手をさしのべ「台湾動物緊急救援チーム」として面倒を見ることになった。そして、その保護犬の2頭がカナダ、バンクーバーの愛護団体が手を挙げてくれた。」
台湾でもご多聞に漏れず、ペットブームだそうです。日本のペット物のTV番組が流されていたりして日本で流行した犬種が、そのまま台湾でも流行しているようです。
日本よりも南の熱帯に近い気候の台湾に長毛のゴールデンや、寒い国のシベリアンハスキーが人気なんだとか。
日本の殺処分数は年々減少はしていますが、台湾の捨て犬は年々増えており、殺処分数も増大しているそうです。台湾の捨て犬問題はかなり深刻化しているそうです。しかし、台湾の新聞やTVでは、犬や猫の虐待の事実が頻繁に報道されているそうです。中国では犬猫を食していますが、台湾では禁じられているそうです。中国よりは台湾の犬事情の方が少し動物愛護に関心があり、進んでいると感じられますね。
かつての日本のメディアって、アメリカやヨーロッパの犬事情は良く取り上げても、それも偏ったいい話ばかりの犬事情の取材が多かったように思いますが、例えばNYのドッグランの取材とか、ドッグシッターの話題などはよく見ましたよね。進んだ欧米の犬事情という感じの報道が多かったように思います。
しかしアジア各地の犬事情を真剣に報道するメディアは少なかったなあとふと思いました。以前、TV番組で「タイの犬の家」障害犬の保護団体の話題がありましたけど。
以前、小野さんから、「アジアの動物保護団体と日本の保護団体って繋がっているの?日本から手をさしのべないのかしら?」という素朴な質問がありました。
そして小野さん「台湾在住のイギリス人から動物愛護の会合に出席してくれと言われたけれど、日本の何を話せというのでしょうか?日本ではこういうふうに殺処分しています、ってことしか私には頭に浮かんでこないので。私が出席して、ドリームボックスや地方の昭和30年代に作られた管理センターの写真や、すし詰め状態のあわれな犬たちや、あと5分で殺されるむくむくした子犬たちの写真を会場で発表したら、どういう反応がかえってくるのかな?日本は殺処分なんてなくて動物愛護が進んでいると思われているのよ。」
私は小野さんへのお返事に「日本の現状を台湾で紹介することは必要だと思いますよ。日本はここ半世紀狂犬病発症していないけど、その犠牲がガス室で殺された犬達なんだと言うことをアジアの各国に知らせるべきでしょう。もう狂犬病の驚異からは日本は逃れたのだから、殺処分しなくても良いのに未だに励行している。50年以上ね。おかしいですよね。これが真実ですよ。と紹介したら良いのでは?」と。
それと、これまでは、「日本人の飼い主さん達は、確かに欧米の動物愛護の事情を見て模範にしたりして、アジアの方は見ていない?」と。
私も恥ずかしながら、アジアの中でどこが一番動物愛護運動が進んでいるかは考えたこともありませんでした。やはり欧米しか見ていなかったと痛切に思いました。
日本の動物愛護運動も進化させつつ、まずはアジアの中で、日本が動物愛護先進国にならなければなりません。そしてアジアの狂犬病罹患国への援助などアジア全体の動物愛護を考えて指導できるような動物愛護国家にならないといけないと思うのですが。(2010/6/19)(LIVING WITH DOGS)